あれ? みんな寝てるの?
実際にあった私が体験談した二つを披露させて頂くことにします。
・監督ここって……。
・あれ? みんな寝てるの?
・嬉野温泉へ向かう道中にはお気をつけて
以上3話となっております。
■二つ目のお話■
私はゲームが好きでゲームセンターに通っていた。
音ゲーというものが流行り始め、女の子達もゲームセンター足を向けるようになった。
その後、プリクラが登場し男女比率が変わらなくなるほど、女子にもゲームセンターは大人気となった。
通い詰めたゲームセンターは神戸は三宮にある阪神電車と阪急電車の駅を繋ぐ地下街の一角にあった。
あったというのも今は改装工事がなされ他のお店になっているからである。
そのゲームセンターはちょっと変わっていて。
地下にあるにもかかわらず上向きの階段があるのだ。ちょうどセンター街通りの真下に位置し。上がった先が地下一階とのことだった。
なので入り口は地下二階に該当する。
みなさんはゲームセンターといえばガラス扉を想像しないだろうか?
私だけかもしれないが、このお店はオープンテラスのような入り口で奥が見渡せるつくりになっており。音ゲーをするのが見渡せる。それが気に入り通い始めた。
プレイしていたのは音楽に合わせ画面に出てくる矢印を踏んで踊る。音ゲーのなかでも踏みゲーというものだ。
毎日のように通いたまに観戦者もでてくる。
そのうち店員さんと仲良くなり。店長とも仲良くなった。
店長とは氏名が同じであった為、親と息子みたいにお互い感じていたかもしれない。
そんな親近感が高まるある日の事である。
閉店22時のあと回りの店も完全閉店したら店で遊ばないかというのだ。
私は大いに喜んだ、夜通しゲームができるなんって最高ではないかー!
22時で閉店すると地下二階だが表である入り口のシャーッターを閉める。そもそもの扉がないのでシャッターを下ろさないと出入り自由になってしまう。そんなことになれば私は勝手に遊びまくっていただろう事は間違いない。
シャッターがガラガラと音を立てて降りていく。視線も通らないグレーの鉄製である。
コンビニで夜食も買ってある。トイレは地下一階にあがったとこにある。完璧だ!
24時が来るまで地下一階の通常ゲームコーナーで遊ぶことにした。
表通りに人通りがなくなるのを待つためだ。
24時になり通路のシャッターが閉まっていく。地下一階の小窓から地下二階の通路が覗き見れる造りになっているのである。
さて、待ちに待った時間だ。遊びまくるぞ~!
私と店員さんが地下二階の音ゲーコーナーに降りていく。
店長は閉め業務が終わったあと晩酌をしている。
両手を広げたぐらいあるおおきな筐体の音ゲーが二台ならんでおり。
右側にあるのがキーボードの様なボタンが7つ並ぶ音ゲーム。
左側にあるのが上下左右の踏みパネルが4つ並ぶ踏みゲーム。
店員と私は同時に遊んだり交互に遊んだりと楽しんだ。
深夜2時ごろにはなっていたと思う。
店員が「腹が減ったのでめしくってきますね」と地下一階へとあがる。
私も「これを最後にそうするわ~」と答える。
最後に遊んでいたのは7つのボタンがある奴だ。
縦長方形の7つが手前に白で4つ。少し上に黒で3つある。
片手だと指が5本なので両手を使って7つのボタンを音に合わせてタイミングよく押していく。
「オイ」
誰かが後ろから声を掛けてきた。奇妙に思いながらも「ちょっとまって、もうちょぃで終わるから」そう返事しゲームを続ける私。
「オイって!」もう一度声が掛けられる。ちょうどゲームプレイのインターバル・曲選択のシーンになったので振り返る私。
だれやねん? と思いながら振り向いてみた。
誰も居ない??
そもそも、私以外には二人しかいない。店長か店員である。
店員は年下で私の事を慕ってくれているので粗雑な声はかけてこない。
だとすると店長か? しかし店長も私がお客さんである為かさん付けで呼ぶし、敬語はつかわないが丁寧語で応対してくれている。
オイってなんだ? 不思議におもいながらゲームも途中だが、何か上から呼ばれているのかもしれない。
そう思うと上のフロアーに向かう。首をかしげながら階段をあがると。
あがったすぐそこで椅子を3つ並べて寝ている店員。
「店長~?」
一番奥のカウンターで机に突っ伏して寝ている。酒瓶やらが危ないのでどけていく。
寝てるな~? 二人とも寝てる。
おかしいな~間違いなく呼ばれて来てみたのだが。何だったのだろうか?
そう思いながらも遊び踊りつかれた私は椅子を4つほど適当にならべ寝ることにした。
朝を迎え通路のけたたましい音・シャッターのガラガラとあがる音で目覚める3人。
「おはよう」「おはようございます」「おはようー」
私はさっそく昨日の話をします。
「誰か呼びに来なかった?」
二人ともその後寝ていて下には降りてきていないと言います。
「絶対誰かによばれたんだけどなぁ~?」
「それ、昔にここで働いていた掃除のオジサンかもしれないですね」店員がそういいます。
「どういうこと?」
「たま~にお客さんに紛れてゲームしているみたいですよ?」
「え!?」
その後もそのゲームセンターに通うが結局そのオジサンかもしれない人には会えなかった。
もちろん、その後も数回深夜ゲーム大会は行った。しかしながら怖いので人数を増やしたのがいけなかったかも?
消したはずのゲーム機に電源が入って動き始めたとしたら、それは掃除のオジサンの霊の仕業かもしれない。




