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ちょっと怖い詩

超ショートショート?物詩語?「私の小さな幸せ」No90 投稿100回目&ショート小説No90記念!

作者: なみのり

《私》

大学生の年齢だけど、大学生ではない。リハビリテーションの施設と図書館の往復で日々を過ごしている。


《館長さん》

図書館の館長。趣味で執筆、詩作をしている。とても印象が乏しいおじさん。

「私たちの住んでいる星の、遥か天空の、彼方宇宙の、さらに時空の果てのすみっこにぽつりと存在するのが、地球にそっくりな星、『惑星さざなみ』です。」


私は子供たちに、とある短編童話集を読み聞かせていました。


図書館の読み聞かせのボランティアに参加することになり、こんなことをしているのです。電池みたいにある程度なら替えのきく作業です。


誤解のないように言っておきますが、本当はボランティアなんて参加する柄じゃないのです。

だけども、図書館の館長さんに頼まれたら断れない。借りが多すぎるのです。


子供たちはこの本にあまり興味が無いようで、もう既に立ち去ってしまった子もいます。館長さんはやはり電池の規格を間違えたようです。


私自身も、正直この童話はどうかと思います。

砂糖をそのまま食べるみたいな、甘ったるい物語です。


全く、こんなお話なんて子供たちに必要なのでしょうか?


むしろ幸せを押し売るようで、あまり相容れないとすら思えます。



「『惑星さざなみ』では、今日もなにやらおかしなことが起こっています。少し覗いて見ましょう…」


この童話のイントロは毎回この台詞です。

きっと私が話すよりテープで録音して再生した方がましです。

私は3回目になるこの台詞を、早口で読んでいきます。とにかく早く終わらせたいのです。


「不良のおねーちゃん、よむの早い!ゆっくりよまなきゃみんな分からないでしょ!」


その時、前の方で話を聞いていた女の子が、商品の取り換えを要求するように、凄く正当な抗議の声を挙げます。


「ふっ不良じゃないです!」


私は色素の薄いオレンジに近い色の髪がコンプレックスで、金に染めています。黒でもよかったのですが、なんとなくです。


「それにどうせ同じ台詞なんだからいいじゃないですか!」

「ちがうかもしれないでしょ!大人なんだからもっとていねいにやって!」

「ギリギリ未成年です!私もまだ子供です!」


その後その子と喧嘩(もちろん口論ですが)になり、私は司書さん達に取り敢えず今日は帰れと言われ、図書館を追い出されました。


全く、近頃の子供は本当に生意気です。


きっとあんな甘々な童話をいつも読み聞かされているから、心が虫に食われてあんな風になるのでしょう。



次の日、私がいつものように図書館に行くと、館長さんが待ち受けていました。

用がある時は、だいたいいつ頃に私が来るのかを事前に知っているように入口辺りに現れます。


「昨日はまた激しくやりましたね。」

「ちょっと意見が食い違っただけですよ。」


館長さんは至って普通のおじさんなので、空気に溶けてしまいそうな気薄さがあります。

その圧倒的迫力のなさが、私がねじ込める隙だったのかもしれません。


「あの本は自信作だったのになぁ…」

「やっぱり館長さんの本でしたか。」


館長さんは趣味で執筆、詩作をしています。

その本を何冊か自費で刷って、こっそり図書館に置いています。絶対に職権乱用です。


「まあ、それより。昨日のあの子なのですが…まあ、色々ありましてね。私が事情を勝手にお話するのは控えますがね。暇ならちょっと話してやってくれますか?」


「うん?…まあいいですよ、話すくらいなら。でも騒ぎになっても私を永久に締め出すのだけはやめてくださいね。」


「程度によりますが、昨日くらいなら何とかしましょう。では、お願いしますね。」



全く、最近の大人は本当に情けないですね。


こんな役目をまだギリギリ子供の私に頼むなんて。

でも、なんだか悔しいですが、そういう関係があるから私はなんとか社会と繋がっているのかもしれないです。

壊れた部品に興味を示す変わった場所と、そして人がいたようです。

意外と私のほうも助けられているのかもしれない…なんてね。


私は、いつの間にか自分のカケラを見つけていたみたいな、特別な幸せに充たされました。



…それから館長のお願いを遂行するのにかなり苦労したのですが、まあ少なくともその時は、幸せを感じていたのです。

読了お疲れ様です。(*゜∀゜)つ旦 お茶どうぞ♪


主人公の《私》に自分を重ねて描きました。

彼女に一つ言えることは、未成年でも大学生の年齢は子供じゃねーよ!ってことですかね。


超ショートショートシリーズの時は、比喩や隠喩は柔らかい温かいもの、ワクワクするものを使っていましたが、今回は鉄でできた部品や、化学製品を使わせていただきました。


明るい(?)主人公にどこか冷たい感じが表せたらいいなと思い、初の挑戦でした。


久しぶりの超ショートショートとなりました。

この小説を書くにあたって、No50くらいからの小説を一気読みしたのですが、なかなか悪くないなと。(←完全ナルシスト)

でも、少し自己評価が低かったなとは、本当に思いました。


そして、前まで超ショートショートのシリーズを読んでくださっていた方にとって、突然に詩を書き始めてしまったのは、悪いことだったかもしれないと今更気づきました。


活動報告にて、その旨をお話しておきます。

本当にすみません!


ここで簡単に言うと、私は詩の力で私の心の内のよくある病みを上手く表せるようになったけど、超ショートショートに未練があると言われると嘘になる、という感じです。


多分これからは詩も超ショートショートも続けていくと思います。

割合はまだわかりません。すみません。


一度突然転換するという悪いことをした私なのですが、それを知っている人に完全に縁を切られてしまうのがとても怖いです。馬鹿にするのでもいいので、これからもたまに覗いてくれるだけでもの凄く嬉しいです。


長文失礼しました。

それでは今度こそお疲れさまです!

ヾ(o´∀`)ノバーイ

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