2話
「だあああーー、うぜええーー」
叫ばなければやってけない程に追い詰められていた。もともとが死ぬ前提で挑んだだけあって、避けるだけで精一杯である、というか避けるだけをしてるのに火炎による火傷が多数あり、痛みで気がおかしくなりそうだ。
気付かぬ間(というか今も気付いていないが)に目尻には雫が滲んでおり、端から見るとかなり無様な様子である
「伏せなさい!」
そんな掛け声が聞こえ、回らない頭が勝手に指示に従い姿勢を低くした。すると避けられないはずだった火炎をさっきまで頭があった位置を通り過ぎる剣が切り裂き、剣共々俺に当たらず水へと落ちた。
声がする方へ向くと逃げたはずの女性が投擲後の格好をしていた。
「なんで戻ってきてんだよ!」
「うっさいわね、私が来なかったらダイレクトに当たってたでしょ!文句言わないで!」
女性はじゃばじゃばと水音を経てながら俺の横に来ようとする。当たるはずの攻撃を止められた亀は怒った様に女性へと火炎をばらまくが、女性が剣を振るうと全ての火炎が彼女を避けて水面へと落ちた。
スキル『模倣』で真・霊破剣術をコピーしました。現時点でコピースロットに枠が開いているため、この剣術をコピースロットに入れます。
「マジか」
スキルや魔法をコピーするなら分かるが剣術までコピーするとは思わなかった。だってちょいと火炎を切り払うのを見ただけだぜ? それだけで剣術を得られるとか……
んまぁ、お話によっては剣術……武術がスキルっていうのもあるんだし、この世界はそういう世界って事なんだろうな
「んで? のこのこと戻ってきたって事は倒す手段あるんだろうな?」
「当たり前でしょ、さっき、今はって言ったじゃない。私はあなたみたいに無謀に戦かいに挑むような事しないの」
「そうかいな」
良かった。ただ助けるためだけに戻ってきたって訳じゃ無いようだ。 どんな手段であの亀を倒すかは知らんが期待しておこう
「んじゃ、後は任せた。さくっと倒してくれ」
「何を言ってるの? あなたも手伝いなさい」
へ? さっき倒せるって言ったじゃん。なんで俺まで危険をおかさないといけないんだよ……さっきの囮で十分だろ
「は? お前一人でたおせるんじゃないのかよ!」
「違うわよ! 詠唱中は魔物に感付かれて攻撃されやすいんだから、あなたに時間を稼いで貰いたいのよ」
「ちっ、そういう事かよ! んで? 何秒持たせれば良いんだ? 言っておくが俺は戦闘に関しちゃド素人だぜ?」
「3分……いえ、1分持たせなさい。 いくらド素人さんでもこれぐらいは出来るでしょ」
一分ねぇ……どうなんだろうか。長いような短いような。 んまあ、やすしかないならやるしかないか。せっかく剣術を手に入れたんだ試して起きたいしな。
水底に落ちている剣を広い、適当に構える。
「あなた、本当にド素人なの? その構え方……」
「ん? ああ、確かに俺はド素人だぜ。料理や工作用の刃物以外は握ったことなんかないからな」
「そ、そう……。まあ、良いわ。一撃残さず私に届けないでね」
「おう!」
彼女は俺の後ろに下がり、何かを唱え出しす。すると彼女を中心に湖に波紋が現れた。それと同時に亀がさっきとは比べ物にならないぐらいに火炎を放ってきて。俺は導きに従って出来るだけ早く剣を振るっていった。
剣術スキルを得たせいか、何故かどの十番でどこの的を切れば良いか感覚で分かる。後ろを少し見てみると目を瞑り、凄く集中している事が分かる。
もし、今は準備している魔法が外れたら、きっと……
「ったく……やることが増えちまったじゃねえか」
覚悟を決め、迎撃をしながら亀へと走り出した。難易度は上がったが剣術スキルさまさまで難なく行えた。俺が陸に上がり近付くと亀は彼女に撃ちながら俺にも撃つっていうめんどくさい事をしながら、襲い掛かってくる。
基本的に動きはのろまなため、剣は当たり攻撃は避けられる。だが纏っている甲羅のせいで全くのダメージを与えられず、徐々に腕が痺れてくる。
「あああ、もう固えええ!!?」
そして、何故か亀は火炎を放つのを止め前足でだけで俺に攻撃してくるようになった。何を思っての行動か分からないが……時間稼ぎのチャンスだ。
その間にも無駄と分かっていながら剣を振るった。
「グギャアアアアアアアッッ!!」
叫びと共に亀は両前足を上げ、地面に叩きつけた。踏みつけられる事は無かったが、近くにいた俺はその振動波で湖へと飛ばされた。
その間に亀はさっきまで放っていた火炎より何倍も大きな火の珠を作り出し、俺がいない間に彼女へと撃ち放った。
「くそが、そういうことかよ!」
火炎を放つのを止めたのは貯めるため、もし斬られても大丈夫な火炎を作るためだったんだ。俺はそんな事に気付かずまんまと撃たれた。
彼女は詠唱に集中していて気付いていない。俺が守ってくれる、そう信じてくれているから
「さすがに……美少女の信頼、裏切るわけにはいかねえよな!」
振動波によって全身を水に叩きつけられ激痛が走るがなんとか堪え、火炎の直線上に立った。剣は衝撃波の時に手から離してしまったため、今はない
「さっき言ったけな、この命は本来なら無くなっている命だってな。ならこの命、くれてやるよ!」
もう直ぐ約束の一分が経過するだろう。だから、彼女は生き残るだろう。
最後に美少女守って死ねるとか死に様としちゃ最高だな。そう思いだながら両手を広げ、全身で火炎を受け止めた。
そこで意識と共に生命が消え失せた
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「はずだったんだが……」
「ッ!?、起きたの!?良かった……」
なんと俺は死なずに生き残っており、美少女に膝枕されていた。寝返りをうってみると生足なのかスベスベモチモチとしていて最高だ。もう一度寝返りをうち、体勢を戻すと立派な山脈が築かれており……心配そうに見詰めてくる顔が半分も見えない。
「おお……これが天国か」
「何をバカな事言ってるの? それより体は大丈夫? 回復魔法で全身の火傷治したはずだけど……」
「ん? 全身?」
ばっと、山脈を避けながら起き上がり、自分の体を見た。 服は所々焼けて無くなっているが基本的には大丈夫で、勿論大事なあそこも見えていなかった。
「なんだよ、全身って言ったからてっきり」
「な、な、何バカなこと言ってるのよ!? 回復ま、魔法なんだから、ふ、服の上からかけられるに決まってるじゃない!」
「そ……そうだな」
彼女の慌てっぷりに俺は若干引いた。まあ、それは置いといて、どうやら彼女が回復魔法っていう便利な魔法をかけてくれて、俺は助かったようだ。
「ありがとう、あんたのおかげで死なずにすんだよ」
「べ、別にあんたが感謝する事じゃないわよ……私のせいであんな大怪我負ったんだし」
俯き、そうい彼女は儚げで……何故かそんな顔してほしくなかった。
「なんでお前のせいなんだよ、あの俺が劣りになってお前が大火力で葬る、それしか無かったんだろ? そんときに俺が大怪我負おうがなんだろうが俺の責任だろうが」
彼女は驚いたように目を見開きいた。そんなに予想外な事言っただろうか……でも実際にあの状況だと役割分担するしかなく、その途中で大怪我を負ったところで俺の責任だ
「そ、そう……ね、」
「そうなんだよ。所であの亀はどうなったんだ?」
「あそこで死んでるわ、だからこんなにゆっくり出来るのよ」
指差す方向へ顔を向けると、全身丸焦げの亀が倒れていた。いったいどんな魔法を使えばあんな風になるのだろうか……、後ろの木々には焦げ目がないから炎じゃないだろうか……
「さて、そろそろ帰りましょうか」
「それもそうだな……っと!?……あ」
「ちょ、あんた何処触ってるのよ!?」
仕方無いじゃん……立ち上がろうとしたあんたがいきなり倒れたから、支えたんだろうが……支えた片方の腕が胸を手のひらで受け止めてるだけで
「話なさい!っって、キャッ!?」
「おいおい、大丈夫かよ」
押しどけようと俺を突き飛ばしたはいいが、彼女自信が踏ん張りきれず尻餅をついた。
なんかフラフラしてるように見えるがどうかしたんだろうか?
「大丈夫か?」
「ええ……でも、魔力切れでしばらく立てそうに無いわ」
「そうかい、んじゃ、ほれ」
尻餅を付いた彼女に近付き、背を向けてから屈んだ。
「な、なによ……」
「乗れよ、立てねえんだろ?」
「そ、そうだけど……いいの?」
「良いも何もねえだろ、ダメだったら背中差し出さねえわ」
おずおずといった感じで彼女は俺の背中に体重を預けてきた。
む、胸がぁあ……むぎゅうってむぎゅうって潰れてるううう……やばいやばいやばい、柔らかすぎてやばい、背中がマジ天国
「ど、どうしたの? 早く立ちなさいよ」
「お、おう……」
俺の胸の内を知らない彼女催促してくる。ここで立ち上がらないと変に思われるから立ち上がった。だけどこれからどうしようか……どっちに向かえば町にいけるかさっぱり分からん
「んで? どっちに行けばいい?」
「取り敢えず、フレイムトータスの所に行きなさい、あれは高く売れるわ」
指示に従い亀の所に行くと、彼女は「収納」と呟き、それと同時に亀が輝きながら消えていった。……え? どうなってんの? なんでいきなり亀が消えたわけ?
スキル『模倣』で収納のスキルをコピーしました。現時点でコピースロットに枠が開いていないため、コピースロットにあるスキルor魔法を削除し、このスキルを入れますか?
YES/NO
どうするか……今後の事考えるなら収納のスキルは欲しいよなぁ……よし、ファイアの魔法を消すか
ファイアの魔法を消して、新しくコピースロットに収納を入れました。
「よし、これで良いわ。次はあっちに真っ直ぐ向かいなさい、それで街に行けるわ」
「了解」
背中に伝わる幸せを楽しみながら指示通りに歩いていった。
そういや、この子いったい何者なんだろうか……、剣術は使えるわ、亀を黒焦げにする魔法撃つわ、回復魔法や収納といった便利なやつ覚えてるわで……まあ、そのおかげで俺もスキルが使えるようになったが……
森を出ると街の壁が見えてきた。大きな扉の横には武装した二人の門番がおり
「姫様!?……ご無事でしたか!」
「ええ、当たり前でしょう?、そろそろ下ろしてくれて構わないわ」
「了解っと」
背中におぶっていた彼女を下ろした。背中で潰れていた豊満な胸の感触が無くなったせいで凄く虚しい……じゃない、姫様……ね、やっぱりどっかの貴族なんだろうか
「んじゃ、俺はここでさよならだな」
「あら? あなたは街に入らないの?」
「ああ、見ていたが街に入るには金が必要っぽい、残念ながら俺は無一文なんだ」
それを聞いた彼女は「そう」と寂しそうに呟いた。俺も入りたいっちゃ入りたいが、無理なんだからしゃーない、まあ、良い野宿場所見付けたし問題はない。改めて思う、サバイバル覚えて良かったわ
「貴様!姫様になんたる口調か!」
「そうだぞ!このお方h……」
「二人とも黙りなさい、この人は私の友人よ。これ以上いうなら……分かってるわね?」
「「申し訳ありませんでした。」」
あらら……二人とも一瞬で静まった。ひょっとしてこの人、結構な貴族だったりするんだろうか……、まあ、それはどうでも良いか、貴族っぽいし今後会うことはないだろ。触らぬ神に祟り無しっていうからな
というか、この人俺の事友人って言ったよな……共戦したとはいえ初見で裸を見てきた奴を友人とかなにげにすげえな……俺なら絶対に無理だわ
「あ、そうだわ。この人の入門税、無しにしてくれない?」
「それは……」
「いくら姫様の頼みとはいえ……」
「さっきの無礼」
「かしこまりました。ですが今回だけですよ」
「ふふ、分かってるわ、ありがと。っと言うわけで一緒に入りましょう……ええっと」
「そういや、お互いに名乗ってなかったな。俺は秋夜、竹内秋夜だ。」
「私は……シャルレ。済まないけれどこれ以上は名乗れないわ」
まあ、貴族なんだ。そういうしがらみがあるんだろう、そこに踏みいるのは命知らずのバカだけだ。
名乗りあった俺達は街へと入っていった。
ええっと……誤字脱字多いですよね。はい。
確認するのがめんどくさかったので書いてすぐ投稿したので……あはははは。すんませんです。
こう言うのもアレですが、誤字脱字などございましたらご報告ください