掌編小説 其之壱
目を覚ました。
見馴れた自分の部屋。
時計を見る。七時。
外を見た。雲一つない空。
「――――――――。」
私は一つ、呟くと、ベットから降りた。
朝食を取る。
重い足取りで学校に行き、授業を受けた。
聞こえてくる音はスルスルと頭からこぼれおちる。
窓から外を見ると、雲がポツンと浮かんでいた。
授業が終わり、帰り道。空を見上げる。
雲は、オレンジ色に染まっていた。
永遠と、繰り返される毎日。
あぁ、何もかもが嫌になる
気がつくと歩道橋の上に立っていた。下を見下ろす。
此処から飛び降りたら死ねるだろうか
ふと、そんな考えが頭をよぎった。
死んだらこの悪夢は終わるかもしれない
私は飛び降りた。
夕日が嘲笑っているかのように赤々と燃えていた
――潰れ、歪んだ音が聞こえた。
痛みと共に目を覚ました。
見馴れた自分の部屋。
時計を見る。七時。
外を見た。雲一つない空。
「また、死ねなかった」
私の呟きは空気に溶けていった。
――また、同じ日常が、始まる――