世之生(2)
世界を創る。
大規模なことを言ったものだが、ここに最強六人組がそろっている。
四天王、神様殺しちゃった人、神様の護衛だった人であり村ひとつ破壊した人。
こんな勢力があれば、きっと世界も造れるんじゃないか。
けどこの汚れた心、どうしようねえ……?
「坂ノ橋神奈……覚えているか?」
ルナがそう切り出した。
確かに覚えている。思い出すとイラっとする。
多分それは私だけじゃなくて、れいじもね?顔が無理してる。
「あ、覚えてます、あの着物ですね?」
「あー……まあ、うん」
れいじが笑顔でそういう。
空気を読んでさくらがそう答えた。
空気を読んでくれるのは嬉しいけど、たまには素顔も出してほしいなぁ……?
「坂ノ橋の神位を引き継いでほしいのだよ」
「えぇぇぇ!?坂ノ橋神奈の神位を引き継ぐ!?」
信じられないがために私はその言葉を繰り返した。
しかしルナとサランの頷きが、その言葉が偽りなきものだと証明した。
なぜ、というのは必要ない。
結構前に、サランが急に私の脳内から離れたことがある。きっとその時に、相談でもしたのだろうか。
「まあ、いきなりだから驚くのも無理ない。しかし、お前の力で、この世界をもう一度生かそう。この世界はもはや修復不可能なのだ、お前の力で、いや……貴女様のお力で、どうかこの世界をお救いいただきたい」
「これ悪役になるパターンじゃないのかな……」
いわゆる「契約」ってやつかな?
でも、それらしくはなかった。
急に態度を変え、ルナは地面に跪いた。冥王たるもの、そう簡単に頭を下げていいはずがない。
物語の大きさを語っていた。
ルーナを順番に、さくら、サランも跪く。そして最後にれいじもそれに倣った。
此処までされて、私はもう断ることはできない。
「分かったわ!この世界をもう一度、もう一度だけっ!!」
「いつまでも貴女様をお守り、お付き添いいたします!」
胸に手を当て、私がそう叫ぶと、皆が口を揃えてそう返してきた。
それが何か気持ちよくて、私がこの神位に合うのではないかと思った。
―――――――――――――世界はもう一度生まれる。たったひとりの、仲間を得た少女の手によって。
壊れた世界は、砕けて、適当につながれたのであった。
しかし、亀裂が生まれることは、もうない。
「まず、作戦一を行うね♪」
「分かった!」
サランがそういうと、皆は雲の上に転移した。
天国。
地球と地獄と神界を管理するコントローラー。
そこで、第一回の作戦は実行される。
あ、間に合いました、やったね♪




