第六プロローグ:戦之夜(1)「全員皆殺しだ」
「ふっ」
クリスタルの服は血だらけだ。
セルステアは地面で弱い力を振り絞ってもがいている。
それなのに、うれしかった。殺そうとしたのは初めてだ。でも、それは想像よりも快感を感じられた。
クリスタルは信じられない速さでとどめを刺した。
―――――――ブシャ
はい、とってもグロテスクですね。。。
そのグロテスクな情景を見下ろして、クリスタルは笑った。とどめを刺されても、あと少し、セルステアに時間はあるみたいだった。クリスタルは考えて、
「……遺言は」
と、冷たい目でセルステアを見下ろした。
「……ごめん……なさ……いと……あり……が…とう……か……な……」
そしてセルステアは死んだ。遺言を言いたかっただけだったらしい。
「あはははは…」
クリスタルは笑った。殺気を感じるような甲高い笑いだ。
そしてれいじを睨んだ。
「……死んだ……っそんなことできたんだね!オレは嬉しいよ!成長して嬉しいよ!!!!」
れいじから湧き出てくる殺気と圧に、その場の全員が息をのんだ。クリスタルだけは怯まない。
「そうなんだ!!!ッ別にあんたを殺す気はないけどね!!!」
知らないうちに雨は大降りになった。皆の衣服はぐしゃぐしゃだった。
クリスタルの頬に大粒の雨がかかる。
この雨は何の影響だ……?それは。。。
―――――――魔族四天王のせいでしょ????
空かられいじとクリスタルの圧と殺気よりも強い興奮と憎悪と殺意に満ちた声が降ってきた。
「なっ!」
今まで黙っていた坂ノ橋神奈も、動揺した。サランもだ。
「今来るなんてきいてない……」
「サラ―ン!殺させたのはセルステアだけ?」
冥王ルナが走ってくる。
「あ、うん。れいじが暴走してるんだけどw」
「えっ想定外!」
さくらも走ってくる。
クリスタルの殺気が消える。
「サラン。味方だったんだね……そっか、小悪魔だもんね……?」
「うん、ごめんねぇ、でも、生死は厭わない。あなたを導くためなら。私は死んでも構わない。だからお願い、暴走しないで。それと、れいじはキケンよ。あの人は……」
『それぇ!』
「きゃあああああ!」
サランはまだ大切なことを言っていない……。暴走したれいじに殺されそうになっているサランを助けたのは、攻撃を放った張本人だった。
『ちっ!こんな攻撃で死んでどうする!暴走解除……』
シュルッ
「もどったぁ……」
クリスタルが地面に座り込んだ、その時だった―――――――――――――。
次回からちょっとグロテスクになりそうです(-_-;)




