殺之神(2)
「……」
『……』
{……}
「ちょっと待って!?」
私が口を大きく開けて言う。
{迷っちゃった感じ?}
ルーナが呆れた口調で言う。しかしそれに合わず、表情はあせっているようだ。
『ちょっと、クリスタル…迷っちゃったよぉ?』
そう。師匠がいなくなって15分で迷ってしまった。
『しょおぉがないなぁ、ナビやるよ。』
どうやらサランがナビを出来るようだ。
「今からわたしが言う道についてきて!」
――――――――ハイ、ひとつめのパプ二ング突破ぁぁぁ!!うれしいっ!
…まぁ、なぜかというと。。。
師匠から教えてもらった坂ノ橋神奈情報からは、慣れた人でも誰でも、坂ノ橋神奈の領域を出てしまえば戻ってくるにたくさんのハプニングが発生する。
はい、二つ目のハプニング。チョー寒い地域についた。さらに雪が降る。
「なにこの、何とも言えない単純であり大きな壁であるようなハプニングの数々は……」
{いや、迷ったのは本当に笑い事じゃなかったっから。サランいなかったら死んでたでしょ?}
「瀕死はイヤぁぁぁ」
肩が震え、腕を組むわたし。それにあきれ、
{そんなこと言ってねーし。あ、ゆりとかいうヤツは師匠についてった}
「へー」
無反応のわたしの反面、サランは、
『はぁぁぁぁぁぁぁ、よかたぁぁぁぁぁ。』
「だ、そうです」
サランの喋ることをいちいちルーナに伝えるのがとても面倒だ。これはルーナが申し付けたもので、案外性格が悪く、{やらねば行かせない!}とか言って、無理にやらせられた。
……とはいえ、まぁそんなに悪いことではなかったのかもしれない。。。
「あ、さすがにおなかすいたことない?少しだけお金持ってるから、あそこのパン屋でなんか買ってくる。ルーナほしいものある?」
{んぁ~、クルミパン!}
「え、わたしも」
元魔王と好きなものが一緒というナイスハプニングというものなのだろうか……?
いや、寒いけれども!それよりここ、完全に観光地だよ!?
……これが、、、坂ノ橋神奈の政治……こんなに町をきれいにできるのか……。
これまで通った場所は、廃墟のような汚い街ばかりだ。貴族の街はまだまだずっと先のため、あまりきれいな街はないのだという。
ということは、ここを境目にしてきれいな街があるということで、復習が終われば、観光……してもいいのかな……?
パン屋もおしゃれだった。特にシャンデリアが。寒いし急いでいるため、さっさと買った。それにしても値段がとても安かった。クルミニコで150円か……道理でたくさん人もいるわけだ。
―――――第三ハプニング、アスファルトが滑る。
{うわああああああああああああああっ}
叫びではなく、言っているだけのうわああああああああああああああ。
「きゃああああああああああああああっ」
いいよ。付き添ってやるwww
――――そのあともなんとかハプニングを通過していき、坂ノ橋神奈の神殿に着いた。
【かとうれいじ様が入殿しました】
「よっしゃ!」
どうやら出かけていたようだ。でもグッドタイミング。
【セルステアさんが入殿しました】
【坂ノ橋神奈神が入殿されました】
いいナビだ。これのおかげで……ん?セルステア???
少し考えが変わる。
わたしは考えた。今までのことを振り返った。私を一番悲しませたのは誰?
わたしを裏切ったセルステア?それともわたしを守るためだと言ってわたしから離れてしまったあいつ?
わたしの頭に天秤が映し出された。
{どうしたの?}
ごめん。今は聞こえないふりをする。
そうだ。私が一番憎んでいるのは、セルステアだったんだ――――――――――――。
「ううん、大丈夫。」
そう言って神殿に足を踏み込む。
{本当?}
という言葉の後に響いたナビの言葉。
【ティアラ・クリスタルさんが入殿されました】
【ルーナ(要注意者)が入殿されました】
【小悪魔:サラン様が入殿されました】——————————————————————。
寒いのわかります!だってスカートですもん!(笑)(´・ω・`)




