主人公外(1)~坂ノ橋神奈の神殿~
『れいじ・・・、殺される準備は整ったか?』
「えぇ・・・とっくのとっくに整いましたよ・・・」
『未来を今お前に託そう・・・』
「・・・」
れいじは・・・不満そうだった。れいじは全部を円満に終わらせることを望んでいた。誰が死ぬことも嫌だった。
「オレは・・・誰も殺させない・・・」
『誰かが死ぬことは確定だ。』
「オレが・・・オレがクリスタルを突き飛ばします・・・」
『そういう・・・ことか』
「後の行動はすべて任せます。」
『セルステアはもう生きられないな。』「へ?」
れいじの顔が曇る。
『誰かが死ぬことは確定だ。3~5人はいなくなる。この戦いは血が吹きとぶ30年ぶりの戦いだ。』
「あぁ、ありましたね!」
30年前、まだこの世界に神はいないとき、「アクマの戦」があった。
だからもう、こんな戦いはしたくないと誓っていた・・・。
だが、それは戻ってきた。
罪もない純粋な少女の処に。
本当は嫌だったことなのに、またやらなければいけない。
神は
そんなに幸せではない。
神になり立ての私はもっと軽かった。
「なんとかなる!」
そればかりで、迷惑ばかりかけてきた。
だからもう私は
これは甘くはないと知った。
血を見たから。
残酷なことをしなくてはならなくなってしまったのだから。
カミサマという職業は
みんなが考えるように楽じゃない。
でも私は
この戦いで死ななければいけないと悟ってしまったから――――――。
「神奈様。今回死ななければいけない人たちをまとめましょう?」
『いや・・・まだいい。』
「そうですか・・・」
オレは・・・夢ばかり見てきた。
何もしないで寝転がって
迷惑ばかりかけてしまって。
謝りもしないで笑って。
オレは笑ってはいけないという運命を忘れて。
神奈様に出会って
本当のオレを知って・・・
だけどもうなんだって終わりだ
オレらは死ななければいけない
「大丈夫」
そうだ 大丈夫なんだ。
永遠にいなくなってしまえばなんだって見えないし感じないんだ
それはそれでいい選択なんだ・・・
「神奈様・・・!準備をしましょう!」
『あぁ!戦闘態勢!仮ドレス!』
「戦闘態勢!仮正装!!!」
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この戦いは血が飛びます・・・
この戦いに、ワタシは行くのでしょう
ワタシの覚醒を祝福するように
また戦うのか
最強のあのころのように
ワタシは嬉しいよ・・・
やっと坂ノ橋神奈を超えられる時が来たのですから………
とある洞窟のとある黄色のクリスタルの中に、青き長い(超)髪をして、黒いマントをし、黒い服に黒のリボンがついている。そして黒のスカート・・・高校生が着るようなスニーカー。。。
彼女の名は・・・
―――――――――――――大魔王




