肆拾玖
大っっっっ変、長らくお待たせいたしました。
異世界で用心棒を、もし楽しみにして頂いている方が居られましたら大変申し訳ないのですが、仕事の合間に異世界戦国異聞を書きながら時間に余裕があるときにチビリチビリと書いているだけなので次話を何時投稿する事が出来るか分かりません。ですが、出来るだけ早く投稿出来るように頑張りますので気長に待っていただければありがたいです。
ではでは、何時もながらの文章ではありますが、少しでも楽しんで頂ければ幸いです。
明かり取りに掛けられたカーテンの隙間から暖かな朝の日差しが部屋の中に射し込み始める。
大介は生まれたままの姿で自分を優しく抱きしめ幸せそうな寝息をたてているティアを起こさないように、その腕の中から抜け出しティアの燃えるような緋色の髪の上から額に優しく口付けをする。
大介はベッドから降りると寝衣を身に付け、ベッドの脇に立てかけてあった杖を持ち、湯浴みに向かった。
大介が湯船から上がると、浴場の出入り口に立てかけてあった杖から猫耳猫顔猫の尻尾を持つ美女で異邦人の里の守護精霊である執事姿のインドーラが姿を現す。
「お早う御座います、ご主人様。お着替えをお持ちしました」
「おう、ありがとう」
大介はインドーラからタオルを受け取り短めの黒髪の頭と体を拭く。
そして着替えを受け取ると、そのスラックスの様な柿色のズボンを穿き若草色のシャツを身に纏った。
ティアは昨日、普段着用に市場で一般に売られている服を数着買ってきたのだが、色が気に入らなかったらしく、その事をインドーラに相談していた。
インドーラはティアの要望に応えその数着の服を染め直すために異邦人の里に持ち帰っていたのである。
「インドーラ、力の供給はまだ大丈夫か?」
「はい、何事も無ければあと五年はもちます」
「……そうか。迷惑をかけるな。すまんが、もう少し省エネモードでいてくれ」
「畏まりまして御座います」
大介は邪神ガーディンの呪いにより身体が子供に戻ってしまっただけでなく、神界の神、闘神御雷の神力である闘神気を完全に封じられてしまっていた。
「ところで、ケネスはどうしている?」
「はい、魔女の部族の錬金鍛冶師様が残された工房で嬉々として武具の作製に関する本を読んだり、私達のできる範囲内でその作製方法を再現するのを真剣に見て、その異邦人の武具作成方法を習得しようとしておられます」
「そうか……寂しがったりしている訳ではないんだな」
「はい、毎日楽しそうにしておられます」
「……なるほど、ケネスは女の子なのに根っからの職人のようだな」
「はい、あれほど物覚えがいいと、教えているこちらも楽しくなってきますね……将来、間違いなく腕のいい職人になられると思います」
「……そうか、何にしても元気にしているならそれでいい……もし、何かあったら直ぐに連絡してくれ」
「畏まりました」
インドーラは大介の寝衣を大切そうに持つと、大介に対し恭しく頭を下げ杖の魔法印を使い異邦人の里へと戻っていった。
大介はそれを見送ると、杖を持って一度ティアの眠る部屋へと戻る。
大介は杖をティアの眠るベッドの脇に立てかけると、幸せそうな寝息を立てているティアの枕元に置いてある小太刀二振りと指弾用の鉄球の入ったポシェットを静かに取り、部屋の外へと向かって歩き出した。
棒手裏剣はそのままティアの眠る枕元に置いていく。
「大介さま、お早う御座います」
大介が部屋から出るとそこには大介達を担当している迎賓館付きの若いメイドが深々と頭を下げていた。
「ああ、おはよう」と大介が返事を返すと、メイドは頭を上げ大介に微笑みかける。
「ティアは起きるまでそのままにしておいてやってくれ。俺の朝食と昼食は準備しなくていい。ティアの食事は起きてからにしてやってくれ。すまんが夕食までは俺もティアも食事を共にすることが出来ないことをウラヌス王達に伝えておいてくれ」
「はい、承りました。……日が昇るころまでガンバっておられましたから、とお伝えしておきます」
大介はメイドの最後の言葉を聞くと恥ずかしさのあまり顔を赤らめて、「余計なことは言わんでいい! って?! 覗いていたのか?」と、そのメイドに驚きと共にジトッとした目を向ける。
「いえいえ、滅相も御座いません。大介様のお言葉から、思ったことがついつい言葉に出てしまいました。何卒ご容赦のほどを」
軽く頭を振りそう言うと、その若いメイドは再び深々と頭を下げる。
「……まあいい。ところで、この迎賓館には練武場のようなものはあるのかな?」
「練武場では御座いませんが、ちょっとした運動をすることの出来る広場ならば迎賓館の脇に御座います」
「そうか、そこを少し借りても構わんか?」
「はい、今この迎賓館にお泊りの方は大介様方とアスラ様、アルテミス王家の方々だけなので、ご自由にお使いください」
「ありがとう。では遠慮なく使わせてもらうとしよう」
大介は子供独特の可愛らしい笑顔を見せて感謝を述べる。
対してメイドは「いえいえ、感謝を述べられる程のことではございません」と笑顔を返した。
大介は柔軟体操の後、小太刀二振りと指弾用の鉄球の入ったポシェットを腰に下げ一周四キロはありそうな緑豊かな迎賓館の周りを走って五周した後、その迎賓館の脇にある広場で御雷真明流の鍛錬に入る。
大介は腰に下げた小太刀二刀を引き抜き手に持つと精神を統一して呼吸を整える。瞬間、何の予兆も無く初動も無い水や空気が流れるような自然な動きで御雷真明流独特の舞を舞うような演武を始める。
大介は時に緩やかに時に鋭く舞い始めて少しした頃、・・・やはり、闘神気は使えんか……ならば・・・と、ある事を試してみようと大介自信が持つ闘気を高める。
大介は闘神気が使えなくなって以来、闘神気とは違うある力を体の内に感じていた。
その力はこの世界から供給され体内で自分の力に変換され、更にその力を増幅させ大介を守るような力が付加されている大介がこれまでに感じたことの無い力だった。
・・・恐らくこれが、神界の闘神御雷の神力、闘神気を使えなくなった異邦人としての俺の力、異邦人の守護神である神界の破壊と創造の神鳳凰の加護を受けた魔力なのだろう・・・と大介は直ぐに気づいた。
その大介の力はやはりというか何というか近接肉弾戦に特化されているようだった。・・・まあ、多少は魔法も使えるようだが・・・大介らしいといえば大介らしいといえるだろう。
だが、その力は闘神気には遠く及ばず、恐らくリサナと同等か僅かに強い、といった感じだった。
・・・大地の神獣と戦えば、まあ勝てるだろう、だが月神には及ばないといった感じだな・・・
そこで大介は今は無きヴァルスニル皇国のリリアース伯爵家が編み出し、ティアの母親が得意とした武技、対魔人戦闘技、魔闘技をヒントに自分も魔闘気を練り上げようと考えたのだ。
大介の闘気はこの世界の者達だけでなく前の世界の者達と比べても誰よりも強大になっていた。
なぜなら神界の神鳳凰の加護を受ける異邦人の力を殆んど封じてしまう世界で、僅かながらにも神界の神御雷の神力、闘神気を呼び出す呼び水として鍛えられてきた闘気である。
常人とは比べ物にならないほどに強大になっていても不思議ではないだろう。
大介はその闘気と闘いに特化された魔力を練り合わせ錬成し魔闘気へと昇華させていく。
・・・闘神気には及ばないが、これなら月神にも負けんだろう・・・
大介は魔闘気を錬りながら舞を舞うような演武を続け、体を斜めに回転させながら頭のあった位置に右手の小太刀が、左脇腹から少し離れた位置に左手の小太刀が来たとき、その二つの小太刀にキ、キンッ!! と鋭い金属がぶつかり合う甲高い音がして、その広場に響き渡った。
大介はその小太刀に当たった鋭い刃を巻き込むように受け流しながら体を回転させ続け、後ろ回し蹴りの要領で魔闘気を籠めた左足で上空の相手の魔力で強化された脇腹を蹴り飛ばし、魔闘気を籠めた右足で自分の影に潜む相手の魔力で強化された腹部を蹴り上げた。
その大介に蹴られた二人組みは凄い勢いで別方向の広場の端まで吹き飛び、広場の端に到達すると目には見えない壁に体を激突させて地面に落ちた。
大介の頭を狙ってきたのはスモールソードを二本持った黒っぽい戦闘服を着た女性で、もう一人大介の影に潜み大介の脇腹を狙ってきたのはダガーを持った黒っぽい戦闘服を着た女性だった。
その二人は双子のようで黒髪に黒色の瞳、小麦色の肌の少し少女の面影を残した瓜二つの顔をした女性だった。
その顔に大介は見覚えがあり、恐らく大介の影に潜んでいたのはシーリンだろう。
「何のつもりかな? アスラ殿」
大介はその場で二人の姿を確認すると、振り返りもせずに自分の背後で何時の間にかテーブルを出し優雅にお茶を楽しんでいるアスラに声をかける。
「ベランダに出ましたら大介殿の優雅な舞が見えましたので少し鑑賞させて頂こうかと思って出てきたのです。が、その舞の素晴らしさと力強さについちょっかいを出したくなってしまいました。申し訳ありません……ですが、その二人では役不足だったようですね」
「その姿でよく言う。最初っからちょっかいを出すつもりで出てきたのだろう?」
大介は広場の端で気を失い横たわっている女性達より少しデザインの凝った黒っぽい戦闘服を着るアスラに呆れたような表情で目を向ける。
アスラは腰まで伸ばした明るい藍色の髪の先端近くを綺麗な組み紐で結び纏めている。
その目に掛かる前髪を片手でかき上げ濃い灰色の瞳の目を細め微笑みながらテーブルから立ち上がり、「ばれてしまいましたか、では少し手合わせをお願い致しましょう」と悪びれもせずに言う。
「私は異邦人の中で最強の部族の一つと言われていた魔女の部族の長の娘です。私はリサナよりも強いですよ。例え貴方が子供の姿でも手加減は致しませんのでそのおつもりで相手をして下さい」
アスラはテーブルから立ち上がると、封印を解いて異邦人の力を解放する。すると、アスラの綺麗な藍色の髪と灰色の瞳は艶のある黒色に変わり、透けるような白い肌は瑞々しい褐色の肌へと変わる。
「それは丁度良かった。俺も新しく手に入れた力の練習相手が欲しいと思っていたところだ」
大介は子供らしい黒目勝ちの目を細め可愛い顔に、とても子供のものとは思えない凄みのある笑みを浮かべる。
「ところで、大介殿。その重そうな片刃刀ではなく、今のその子供の体に合う武器に変えられたほうが良いのではありませんか?」
「大丈夫だ。貴女の部下の協力もあって、この小太刀を持つ感覚の修正は出来た。何の問題も無い」
そんな大介の十歳児ほどの子供の姿と、その子供の姿に似つかわしくない膨大な力を纏う大介を見て・・・邪神の呪いを受け子供の姿となり闘神気が使えずとも流石は異邦人最強の一族、御雷一族の長といったところか……闘神気には及ばないようだけど異邦人の魔力と闘気を錬り合わせ自力でこれ程までに強大な魔闘気を生み出してしまうとは・・・と、アスラは感嘆の念を抱かずにはいられなかった。
「そうですか……我が部下がお役に立って何よりです。ならば私も最大の力を持ってお相手致しましょう」と言うと、アスラの魔力が爆発的に膨れ上がり周囲の大気をその衝撃の波が襲う。
アスラは持ってきていたアマノハラ王国秘蔵の異邦人の魔法道具を使いこの広場に結界を張っていたのだが、その衝撃波はその結界の壁をも大きく打ち震わせ衝撃音を盛大に打ち鳴らしていた。
「《我が纏いし鎧は世界を産みし陰陽の力を宿す無敵の盾なり。我が振るいし五本の剣は世界の根源たる五元の力を宿し神をも滅する大剣なり》」
アスラが呪文を唱え終えた瞬間、アスラから放たれていた膨大な魔力はアスラの体に収縮し、頭には魔力で出来た陰陽を模った兜を被り、体には陰陽の廻る鎧を纏っていた。
そのアスラの周りに地水火風空の五元の大剣が姿を現す。
「ほおぅ、大した力だ」
大介は感嘆しながらも両手に持った小太刀をダラリと下げ、体から余分な力が抜けたような落ち着いた雰囲気を醸し出していた。
「……この私を前にして、随分とリラックスされていますね」
大介のその姿を見てアスラは舐められている、とは思わなかった。
大介のその姿は一見隙だらけのようにも見えるが、そんな大介に無防備に攻め込む事に対して、数多の命懸けの戦いを乗り越えてきたアスラの勘が最大限の警鐘を打ち鳴らしていたのだ。
・・・まったく、何なんですか、この化け物は……こんな子供の姿で、然も完全にリラックスしきって隙だらけのように見えるのに、勝てる気がしないどころか、下手に攻め込んだ瞬間間違いなく殺られる・・・
だからと言って、中近距離戦闘を得意とするアスラは大介に先手を取られる訳にはいかなかった。
・・・先手を取られて、大介殿に肉迫された瞬間決着がついてしまう・・・
と思うと同時にアスラは大介に攻撃を仕掛けた。
五元の力を宿した五本の大剣の内、空の大剣以外の地水火風の大剣が猛スピードで大介に迫る。
金属的な鈍い輝きを放ち全てを切り裂く高圧力の刃を持つ地の力を宿した大剣は大介の体を真下から真っ二つに両断しようと、風を纏い全てを切り裂く透明な風圧の刃を持つ風の力を宿した大剣は大介の体を真上から真っ二つに切り裂こうと、清らかな冷気を纏い全てを凍りつかせる高水圧の刃を持つ水の力を宿した大剣は大介の胴を右から真横に凪ぎ払おうと、燃え盛り白熱し全てを蒸発させる高圧極熱の刃を持つ火の力を宿した大剣は大介の首を左から真横に撥ね飛ばそうと、それぞれが連動し弾かれても別の刃が大介を確実に捕らえるタイミング、スピード、角度で大介に襲い掛かる。
その四本の大剣の絶妙な連携に「ほぉ」と、感嘆の声を漏らしながらも大介は慌てることも無くまるで空気が流れるように動き出す。
大介は一歩前に踏み出しながら魔闘気を纏わせた右の小太刀で地の大剣を左の小太刀で風の大剣を体を左に回転させつつ受け流し更に前に踏み込み水の大剣と火の大剣が大介に届くタイミングをずらして左右の小太刀で弾き飛ばす。と、大介の目論見通り大介の受け流した力を利用して回転しながら再び大介に襲い掛かろうとしていた地と風の大剣に大介の弾き飛ばした水と火の大剣が衝突し弾き飛ぶ。
その隙に大介はアスラとの間合いを詰めようとする。が、その時にはアスラの持つ空の大剣により生み出された縦と横九字に切られた空間の断裂が大介の進路方向全体に広がり大介に猛スピードで迫っていた。
チッ・・・この程度のもの、闘神気が使えれば軽く一振りで霧散させられたのだが・・・
大介は左右に持つ小太刀に更に魔闘気を纏わせその場で姿勢を低く構える。
そしてその九字に切られ空間の断裂が大介の間合いに入った瞬間、大介は魔闘気により白熱する小太刀二刀でその空間の断裂を十字に切り全て霧散させた。と同時に、大介は自身の魔闘気を更に練り上げる。
そして、背後に寸前まで迫っていた地水火風の大剣の刃を魔闘気で白熱する小太刀で切り落としていた。
アスラは地水火風の大剣を大介に向け放つと、空の大剣を左手に取り右手は他の大剣を操るために前に構える。
大介が動き出した時点で・・・これは、やはり簡単に受け流されますか・・・と思うと同時に空間を操る空の大剣で大介に向け早九字を切るように空間を切り裂いていた。
大介がアスラとの間合いを詰めようとアスラに向き直り駆け出そうとした時には、その九字に切られた空間の断裂は大介の体をバラバラに切り裂こうと大介に迫っていた。
・・・流石に今の大介殿には、これを凌ぎきることは出来ないでしょう・・・ですが、念のため・・・と、アスラは地水火風の大剣で大介を背後から襲う。
その時、大介の持つ小太刀の魔闘気の力が跳ね上がり白熱したと思った瞬間、九字に切られた空間の断裂がアスラの目の前で十字に切られ霧散した。
それを見てアスラは「なっ!?」と驚くも地水火風の大剣を操り大介をそのまま襲わせる。瞬間、大介自身の魔闘気の力が跳ね上がり目に見えぬ速さで地水火風の大剣の刃を切り飛ばした。と、アスラが思った時、ドン!と大気を打ち震わす衝撃音が聞こえアスラの目と鼻の先に大介の姿があった。
その大介の持つ右の小太刀の刃はアスラの陰陽の鎧を切り裂き心臓のある左胸の皮膚に触れ、その左の小太刀の刃は陰陽の鎧を切り裂きアスラの首筋の皮膚に触れていた。
アスラの背中は瞬間的に冷や汗で濡れる。一拍置いてアスラは、ハァ、と一つ息を吐くと「参りました」と両手を挙げ降参の意を表し、魔力による武装を全て解いた。
それを確認すると大介はアスラの首筋と左胸に当てていた刃を引き、チ、チンッ! と鍔鳴りを二つさせて左右の腰の鞘に小太刀を収めた。
「まったく……闘神気が使えない今の大介殿とならいい勝負が出来ると思っていたのですが、……空間の断裂の刃を二振りで消滅させただけでなく、力の性質の全く違う私の魔法剣を簡単に切り捨てるとは、大介殿、貴方、本物の化け物ですね。神界の邪神に呪われたその子供の体で、然も初めて使う魔闘気をあれ程までに高めた上に使いこなすなんて戦闘センスがいいなんてレベルのものでは無いでしょう」
アスラは感心を通り越して呆れたように言う。
「まあ、同じ闘気だからな……扱いは同じようなものだ」
「……神力、魔力、闘気、根本的なものが全く違う気が致しますが……」
ハ、ハ、ハ、「細かい事を気にしていたら何も出来んぞ」
大介が笑いながらアスラに近づこうと足を一歩前に踏み出そうとしたとき「あ、れ?」と言って体のバランスを崩し腰から力が抜けたように地面に倒れ込む。
そんな大介を見て、アスラは「大介殿?!」と驚きの声を上げ大介に駆け寄る。が「大介殿も人の子でしたか、……その体で行き成りあれだけの力を使ったのです体に異常をきたしても可笑しくは無いでしょう。まあ、私は試合に負けて勝負に勝ったようなものですね。これで私の子供の頃からの本懐を遂げられます。こんな状況でもなければ貴方には拒まれてしまうでしょうから」と言うアスラの囁き声の後、唇に温かな物を感じ舌を絡め取られるような感触を感じながら大介は意識を失った。