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異世界で用心棒   作者: 鈴ノ木
29/49

貳拾玖

南大陸のウラヌス王国のある地域名(オリポーネス地方)を入れました。8/2

 「遠路遙々よくぞ参られた、アマノハラ王国の特使殿。昨晩はよく休めたかな?」


 ウラヌス王国国王カイルス・シン・ウラヌスは、来訪者を威圧するような威厳と重厚感のある広大な謁見に間の玉座から、和服と洋服を足して二で割ったような正装のアマノハラ王国特使アスラ・アマノハラ・アマテースを見下ろして声をかけた。


 対してアスラは、立ち並ぶウラヌス王国の重臣達の、その人の格を見定めようとするような視線に晒されながらも動じることなく、美しく凛然とした立ち姿で立礼し、

「はい。久しぶりに、ゆっくりと休ませて頂きました。」

と、重厚でありながら、何時までも耳に残る涼やかな声音で応え、

「突然の訪問の失礼にも関わらず、我らが身に余る程のカイルス陛下よりの心遣い、皆を代表して心より感謝いたします。」

と、見る者全てを魅せる美しい笑みを浮かべ謝辞を述べる。


 「うむ、・・・・・・ところで、特使殿の用向きは確か属国のダイス王国とアルテミス王国との戦争の回避のため、ダイス王国の宗主国である我が国の助力を仰ぎたい、との事だったな。」

 「はい。ついては先ず、ダイス王国に派遣されている貴国の援軍をお引き願いたい。」

 「ふむ、・・・・・その事については、宰相のカスパーに一任してある。」

と、ウラヌス王が言うと、玉座の下に不動の姿勢で立っていたカスパーが、

「はい。承っております。」

と、ウラヌス王に一礼して応え、アスラに向き直る。そして、

「後ほど交渉の場を設けさせて頂きますので、詳しくはそこで・・・それまで間、特使殿は迎賓館にてご緩りとご滞在ください。」

と、笑みを浮かべて言う。


 ・・・・。

「そうですか・・・・早々に交渉の約束を頂き心より感謝を申し上げます・・・ですが、カイルス陛下と直に交渉できないのは残念ですね。まぁ、大国ウラヌス王国の王位を継承したばかりで、カイルス陛下におかれては操り人形のように引っ張り回されてお忙しいのでしょうが・・・」

と、数瞬ウラヌス王カイルスを観察するように見たアスラがニッコリと笑って言うと、ウラヌス王の後ろに控えている人物が僅かにピクリと反応する。

 それを、確認したアスラは、

「・・・と、これは失礼、言葉が過ぎましたね。ウラヌス王のお怒りに触れる前に退散させて頂きましょう。」

と言って、一礼し謁見の間を後にした。


 その姿を見送りながら、


・・・気づかれたか?・・・


と、ウラヌス王の後ろに控えていたガイウス大神官は退出していくアスラの後姿を睨み付けていた。



 「如何でしたか?」


 謁見の間の外に控え待っていたカエンは、アスラが謁見の間から出てくるとアスラに近づき小声で尋ねた。


 「予想よりも悪い状況のようですね。」

と、アスラは小声で答える。と、そこに、

「特使殿、此方へ・・・」

と、アスラが謁見の間から出てくるのを確認した衛兵が近づき、

「・・・迎賓館までお送りします。」

と、アスラ達に声をかける。


 アスラとカエンは、その衛兵について無言で迎賓館に向かって歩いていった。


 ティータニアの王城の広い通路や渡り廊下には、シックで洗練された装飾品や調度品、芸術品がそこを通る人の目を飽きさせない程度に嫌味なく絶妙な位置に配されている。


 その通路をアスラ達が衛兵に先導されて十分ほど行くと、王城と迎賓館の間にある小さな庭園に出た。

 その庭園の石畳の小道を渡り、王城と迎賓館の敷地の境にある、金属の鋼線で芸術的に作られた柵にある門まで行くと、その門の脇に建てられた小さな東屋に迎賓館付き侍女の侍女長ドーメが佇んでいた。


 「お帰りなさいませ、アスラ様、カエン様。」

と、アスラ達が近づくとドーメは軽く腰を折りアスラ達を迎える。


 それを確認すると、アスラ達を送ってきた衛兵はアスラ達に一礼して王城へと戻っていった。


 ドーメは門を開き、迎賓館へと続く庭園にアスラ達を迎え入れる。と、

「お茶とお菓子の準備が出来ておりますが、如何いたしましょう。」

と、アスラに尋ねる。

 対して、

「そぉね、いただくわ。」

と、アスラは微笑んで応えた。



 迎賓館前の広大で緑豊かな庭園にある池の上に作られた東屋で、アスラはドーラの淹れたお茶を楽しんでいた。

 和服の正装を簡素化して動きやすいようにしたような服をピシリと着こなしたカエンは、その脇に控えて不動の姿勢で立ったままドーラの淹れてくれたお茶をゆっくりと味わっていた。


 ・・・残念ですね・・・この気色の悪いくらいの清浄な神力に精霊達が追い出されたのか、風や緑がまるで死んでしまったかのように味気なくで無機質なものに感じられる・・・


と、思いながらアスラは、はぁっと一つ息を吐き、徐に口を開いた。


 「ウラヌス王カイルス陛下の目に意思の力を感じることは出来ませんでしたね。どうやら完全に操られているようです。恐らく、重臣達も似たようなものなのでしょう。」

 「そうですか・・・だとすると、やはり操っているのはガーディン教大神官のガイウスなのでしょうか?」

 「ええ、まず間違いないでしょう・・・ただ、ガイウスにそこまでの神力を操る力があるようには見えませんでしたね・・・恐らくですが、ガイウスが持っていた神具の杖によるものなのでしょう。その神具のせいか、ガイウスにも何か違和感を感じましたね。」

 ・・・・。

「確か、間者の情報だとガイウスは一年と数ヵ月前までは政治には全く興味を示さず、市井の者達の生活に寄り添うようにして布教活動に勤しむような人物だったらしいです。」

 「うむ・・・それが突然、何故、ウラヌス王家を乗っ取るような行動に出たのか・・・恐らく、この王都ティータニアに充満する何かを隠すような、この気色の悪い程の清浄な神力も関係しているのでしょう。」

 ・・・・。

「そうですね、巫女の力を持つものが居れば何か分かったかも知れませんが・・・。」

 「居ないものは仕方がありません。が、もし本当に、この神力に何か隠されているとすれば、神力に敏感な神官達は何らかの影響を受けるでしょう・・・」

と、アスラは真剣な表情で言った後、

「・・・まぁ、彼の者が動き出せば、その隠れているものも炙り出されてくるやもしれません。」

と言い、

「・・・その彼は今どうしている?」

と、真剣な表情を楽しげなものにして、カエンに問いかける。

 カエンは、はぁっと一つ息を吐き、

「シーリンからの定時報告では、アレイアス王子派の者達を探しているようですね。」

と、答える。と、

「そぅ、・・・・・・メルティス王女が何者かに預けられアルテミス王国を出たと聞いたので、てっきり精霊達の噂から彼に預けられたのかと思っていたのですが・・・どういう事情でかは知りませんが、彼はこのウラヌス王国の争乱に関わり、アレイアス王子に付いたということですね。ということは、リサナにももう接触しているという事ですか。」

と、アスラは少し不満顔をする。が、

「まぁ、いいでしょう・・・」

と、機嫌を取り直し、

「・・・カエン、彼に何か動きがあれば直ぐに教えなさい。」

と、微笑んで言う。


 「あのぅ、誠に申し上げにくいのですが・・・アスラ様、カエン様、わたくしは一応、ウラヌス王家に仕え、迎賓館付き侍女達の長という立場にある者なのですが・・・そのような話を私の前で、しかも私に聞こえるように話されると非常に困るのですが?」

と、ドーラが困り顔でお代わりのお茶を注いだりしながら言う。と、

「おや?何を困る事が有るのですか?我らの漏らした情報を貴女の主に伝えるのも貴女の務めでしょう?」

と、アスラが楽しそうに言うと、

「う、・・・それは、その通りなのですが・・・・。」

と、ドーラは言い淀む。

 「なるほど、貴女は我がアマノハラ王国と今のウラヌス王国とがいさかいを起こす事を恐れているのですね・・・」

と、真剣な表情でアスラは言い、

「・・・いや、貴女は薄々気付いていたのですね。ウラヌス王や宰相達、国の重臣達が何者かに操られていると。」

と、核心を突く。


 カエンには真剣な表情をしている、そのアスラの目が小さな子供の目のように何か楽しそうにキラキラと輝いているように見えて溜息が出そうになる。が、グッとその溜息を飲み込んだ。


 「いえ、そこまでは・・・ただ・・・。」

 「ただ、カイルス陛下や国の重臣達の変わりように戸惑っているだけだと?」


 ・・・・・。


 「そうですね、他国の特使様に話すのは不謹慎なのでしょうが・・・そのとうりです。事実かどうか私には分かりません。が・・・アレイアス王子やリサナ様がシルベウス陛下を殺害しようとしたとして、この王城を追われてから皆変わってしまわれた様に思われます。」

 ・・・・・。

「貴女は、アレイアス王子達がシルベウス陛下を殺害しようとしたというのも、濡れ衣だと思っているのではないですか?ただ、当時はカイルス王子や国の重臣達の言うことを信じるしかなかったのでは?」

 「それは・・・。」

 「いえ、・・・貴女だけではない。恐らく、この王家に仕える者や王都に居る者の多くはそう思っているのではないかと私は感じているのですが?」

と、アスラが言うと、ドーラは複雑な表情をして顔を背けた。


 「まぁいいでしょう・・・恐らく、近々アレイアス王子はこの王都に戻ってくるでしょう。それまでに、あなた方はどちらに付くのか決めておいたほうがいいでしょうね。飽く迄、現王家に仕える者としてカイルス陛下に付くか、又は、義はアレイアス王子にありとアレイアス王子に付くか。」


 そう言うと、この話は此れまで言わんばかりにアスラはニッコリと笑いお茶に口を付け、茶菓子を口に放り入れた。


 ・・・まったく・・・動揺している水面に更に石を投げ込むのが好きなんだから・・・困ったお人だ・・・


と、カエンは結局、溜息を吐くのだった。 




 「北大陸のスウェルズガルド地方独特の赤毛は、確かにこの南大陸のオリポーネス地方一帯を治めるウラヌス王国の王都ティータニアでは珍しいけど全くいない訳ではないし、神官の中にもスウェルズガルド地方出身の人はいるから、そんなに気にしなくて大丈夫だと思うわよ。」

と、リルカはたこ焼きに似た物を三個串に刺した串焼きを口に頬張りながらティアの隣を歩く。

 対して、

「・・・そうかな。」

と言いながら、ティアはフードを深く被って歩いている。


 「フードをそんな深く被っていたら、逆に悪目立ちして怪しまれるわよ。」

と言って、リルカはそのティアのフードの中の顔を覗き込みながら笑顔を見せる。


 「確かに、リルカの言うことにも一理あるな。」

と、リルカに対してティアの反対隣を歩く大介が被っていたフードを脱いだ。

 ・・・・。

「大介さんがそう言うなら。」

と、ティアもフードを脱ぐ。

 「そうそう、ティアさんも大介さんも堂々としていればいいのよ。」

と、フードを脱いだ二人を見て満足そうにリルカは言う。


 「ところでリルカ、私達を何処に連れて行く気?私達に会わせたい人がいるって言っていたけど。」

 ・・・。

「んー・・・それは会ってのお楽しみ、かな?」

 ・・・。

「もしかして、アレイアス王子派の人?」

 「んー・・・まず、違うんじゃないかな?でも、力になりたい、とは思ってるかも。ま、その事で、立場が悪くなってるんだけど。」

 「ふーん・・・。」

 「まぁ、話し合えばお互い協力しあえるじゃないかなって私は思ってるんだけど。」


 そう言うリルカに対して、

・・・・。

「まぁ、会ってみれば分かるさ。」

と、大介は応じる。


 そうして三人が歩いていると、リルカは市場の立つ大通りの陰に隠れた裏路地に入っていく。

 そして、少し歩いた所の看板も何も出ていない扉の前で立ち止まり、「ここよ。」と、その扉を押し開いて中に入って行く。

 「ここは、地元の人間も余り知らない隠れ家的なバーなんだけど、私の友達がやってるの。ここに私が、あなた達に会わせたい人がいるわ。」

と言って、リルカは、そのバーのバーテンダーに笑顔で軽く手を振り挨拶しながら一番奥のテーブル席へと歩いていく。

 そして、「お待たせ。」と、そのテーブル席に先に着いていた人物に手を挙げ、

「ガーディン教の神官のサリサさんよ。」

と、その人物をティア達に紹介する。と、ティアは顔を顰め後退り、

「どういう事、リルカ。」

と、リルカを睨み付けた。

 「ティアさん、落ち着いて。」

と、リルカは宥めるようにティアに声をかける。

 「彼女は確かにガーディン教の神官だけど、アレイアス王子派の人達を庇ってガーディン教の中では異端視されてるのよ。」

と、リルカは説明する。


 ・・・・。

「あの、リルカ。そちらの人達は?」

 「ああ、ゴメン、サリサさん。この人達は私の知り合いの冒険者で、ティアさんと旦那さんの大介さん。」

 「冒険者?」

 「そう、この人達ならサリサさんの力になってくれるんじゃないかな、と思って連れてきたの。」


 そう言うと、リルカはサリサの隣に座る。


 ティアは辺りを警戒しながらサリサを見ていたが、「大丈夫だティア。話を聞こう。」と言って、サリサの向かいの席に腰を下ろした大介を見て、あからさまにハァッと一つ息を吐くと大介の隣に腰を下ろした。


 因みに、サリサは大介達が、昨日、小神殿前で騒ぎを起こしていた者達とは気付いていなかった。

 何故なら、その時のサリサには二人の後姿しか見ていなかったためだ。


 ・・・・。

「はじめまして、私、ガーディン教ウラヌス王国教会の神官長を務めさせていただいているサリサ・バルディンといいます。」

と、私服姿のサリサが挨拶をすると、

「ええ!神官長と言ったら大神官に次ぐこの国のガーディン教のナンバー2じゃない!」

と、ティアは驚きの声を発すると共に警戒する。

 

しーぃ、しーぃ、「ティアさん、声が大きい!」

と、ティアのその声に慌ててリルカはティアに声量を落とすように言う。

 「ここは、王家の御家騒動以来、今の王家やガーディン教に不満を持った者達の溜まり場になってるのよ。」

と、リルカは警戒するように周りを見回す。が、リルカ達のいる席は奥まった所にあり、他のテーブルとは離れたテーブル席だった為かリルカ達を気にするような者達はいなかった。

 それを確認すると、リルカはホッと息を吐いた。


 「神官長様が何故こんなところにいるのよ。」

 ・・・。

「さっきも言ったけど、サリサさん、アレイアス王子派の者達を庇いだてしたものだから、教会では肩身の狭い思いをしていたらしくて。ある日、この店を見つけて憂さ晴らしに初めてお酒を飲んだらしいんだけど、度数の一番低いお酒を一口飲んだだけで潰れちゃったらしくてね。それを私が見つけて介抱してあげたのが縁で仲良くなったのよ。」


 「だからって・・・」

と、ティアは〈信用できない〉と、更に不満を口にしようとする。と、

「ティアさん、お願いだから先ずは話を聞いて。」

と、リルカはティアに真剣な眼差しを向ける。

 その真剣さにティアは、はぁっと一つ息を吐き、

「分かったわ。リルカを信じて話だけは聞きましょう。」

と、了承する。


 「ありがとう。」

と言って、リルカは微笑み、サリサに目を向ける。

 それに対して、少し躊躇したようだったがサリサは何か意を決したように頷いて口を開いた。


 サリサの言うところによると・・・


 今から一年と数ヵ月前、ガーディン教の総本山から一人の高位神官がお忍びでやって来た。

 その目的は、ウラヌス王国教会の視察と、主神ガーディン様の神影石の確認と、その恩恵をウラヌス王国民に知らしめるためとのことだった。


 シルベウス陛下は主神ガーディン様を信奉はしていたが、ガーディン教は嫌っていて、ガーディン教総本山の高位神官の入国は許していなかった。

 しかし、その高位神官は身分を隠し裏ルートで入国し王都にまでやって来た、とのことだった。


 それから数日で王都は主神ガーディン様の清浄な神力で覆われた。が、その頃から、何故かガイウス大神官の人格が徐々に変わり始めた。

 この時、サリサはガイウスに違和感を感じてはいたが、職務が繁忙だったこともあり、ただ布教活動が上手くいかずストレスが溜まってイラついているだけだと思っていた。


 サリサが職務に追われ気付かない内に、ガイウス大神官共々ガーディン教ウラヌス王国教会の神官達の殆んどがまるで何かに取り憑かように人が変わってしまっていた。


 そして、シルベウス陛下の暗殺未遂騒動が起こり、アレイアス王子達が犯人だとして王都を追われていった。


・・・とのことだった。


 「私の家は中級貴族でした。しかし、父の道楽が祟って父の代で没落し、私が子供の頃は食うか食わずかの生活をしてたのです。そんなある日、父の作った借金のかたに私は奴隷商人に連れて行かれそうになったのです。それを、ずっと私の事を気に掛けていてくれたガイウス大神官が助けてくれたのです。」


 そう言うと、サリサは少し寂しそうな顔をして、

「私はガイウス大神官や他の者達を元に戻したいのです。」

と言って、寂しそうな顔に微笑を浮かべた。


 「なるほど、分かった。」

と、サリサの話を聞いた大介は言うと、


・・・サリサの話から、どうやら、このウラヌス王国の騒動、ひいてはアルテミス王国とダイス王国との戦争も、そのガーディン教総本山から来たという高位神官が裏で糸を引いているようだな・・・・まぁ、だが、今の雰囲気だと、もうその高位神官とやらの手は離れて、高みの見物といったところか・・・


と考え、

「出来る限り、サリサに協力しよう。」

と、大介は真剣な表情で言う。


 「大介さん!・・・」

と、ティアは反論しようとしたが、大介の表情を見て無駄だと悟ると、ハァッと一つ息を吐いた。


 対して、大介の言葉を聞いたサリサは思わず、「ほんとですか!?」と、叫んでいた。


 何故なら、疑心暗鬼渦巻くこの王都の状況から他の人に協力を仰ぐことも出来ず、ましてや自分一人では何も出来ない。

 出来るのは、友人のリルカに相談するといか愚痴る事だけだった。

 かと言って、リルカに協力を仰ぐ訳にもいかず、途方に暮れていたのだ。


 そのサリサの喜びように、大介も「お、おう。」と答えながら破顔した。


 ・・・こんなに喜ばれては、ついでだから、とは言えんな・・・

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