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異世界で用心棒   作者: 鈴ノ木
20/49

貳拾

 大介達がメンドゥーサ達との戦いに勝利した日の早朝。


 メンドゥーサ達との戦いの後、大介は日課の御雷真明流の鍛練をしていた。


 大介がその朝の鍛練をし終えると、鍛練を終えるまで待っていたのだろう、木陰に立ち大介の鍛練を眺めていたリサナが大介に声を掛ける。


 「大介さん。少し散歩しませんか?」と。


 それを、「お、いいな。」と、大介は快諾する。


 昨日、インドーラがこの異邦人の里の魔法システムを完全起動させた事により里の自己修復魔法が発動し、千年もの長い年月により瓦礫と化し半分以上森に飲み込まれていた異邦人の遺跡は、あっという間に新築同然の異邦人の里として再生していた。


 その異邦人の里の、ゆったりとした敷地に石を積み上げ造られた朝日に輝く純白の建物達。

 その間を通る緑の植栽に囲まれた石畳の小道を、大介とリサナは爽やかな朝の風をその肌に心地よく感じながら二人並んでのんびりと歩いていく。


 そんな中、最初に口を開いたのは大介だった。


 「いい風がくるな・・・そこかしこで、風の精霊達が戯れているようだし。この里は風の流れも考慮して建ててあるのかな?」


 「そうですね・・・本当に気持ちの良い風ですね・・・・こんなに心穏やかにいられるのは久しぶりです。」

と、柔和な笑みを浮かべリサナは応えた。


 「流石に今朝はティア達は起きてこなかったな。」

 「まぁ、昨晩は一晩中気を張り詰めていたでしょうから。」

 「そうだな、ジー達も昨晩は頑張ってくれたからなぁ。」



 ジーナとガルンは、昨晩、メンドゥーサ達の足止めを大介に頼まれ、異邦人の里をグルリと囲む山のような巨大な壁を精霊の力を使い短時間で作り上げた。

 その後、戦いが終わると朝方までかけてその巨大な壁を元の更地に戻したのである。

 その作業が終わり大介の元に戻ってきたジーナとガルンは、大好きな大介に体を擦り寄せた、かと思う間もなく寝息をたて始めたのだった。



 風が木々の枝を優しく揺らし、さわさわと優しい葉擦れの音を奏でる。

 その周りで小鳥達が仲良く楽しい歌を歌うように囀ずり合っている。

 その耳に心地よい朝の音を聞きながら大介とリサナは静かに気持ち良さそうに歩を進めて行く。


 暫くして、リサナが徐に口を開いた。


「大介さん・・・この度の事、心より感謝いたします。」

と、リサナは大介に深々と頭を下げた。

 対して、大介は子供のような笑みを浮かべて、

「いや、俺はただ単に仕事をこなしただけだ。そんな畏まって礼を言われるような事はしとらんよ。」

と言うと、

「いえ、メンドゥーサ様達を誰一人死なせずに捕らえるなど、大介さんにしか出来ない事でした。」

と、リサナは頭を下げたまま感謝の気持ちを込めて言う。

 「まぁ、頭を上げてくれ。これでは先に進めない。」

と、大介は困り顔で言いリサナに頭を上げるように促すと、やっとリサナは頭を上げる。


 「それに、インドーラ達の協力が無ければ・・・俺一人では無理だったろうな。」


 ・・・・。


 「ですが、この里の守護精霊であるインドーラ達も主が大介さんで無ければ、あれだけの人数の異邦人の力を操る者達を抑える程の力は発揮しなかったでしょう。」

 「どうだろうな・・・俺は魔法やこの里の力に関しては全く分からんから、何とも言えんが・・・」


 ・・・・。


 「・・・後はウラヌス王の救出だな・・・」

 「はい・・・」

 ・・・。

 「と、その前に、メンドゥーサ王女達をどうするか・・・」

 「・・・そうですね。」

と、大介とリサナが話なから再び歩き出した時、

「ご主人様、散策中失礼いたします。そのメンドゥーサ王女達の事ですが・・・」

と、大介達から後ろに二メーター程離れたところにインドーラが姿を現し大介に声を掛けた。


 インドーラは主である大介を今回の事で褒め称えたくて仕方がなかった。が、その気持ちをグッとこらえて、大介達の邪魔をしないように、声を掛けることも姿を現すことも控えていた。

 しかし、メンドゥーサ達の話になった所で、ここぞとばかりに声を掛けてきたのだ。


 「・・・メンドゥーサ王女達との戦い見事に御座いました。ご主人様お一人が異邦人の力を持った者達六人を相手にしておいでの時は、まるでその者達相手に舞踏会でダンスをされているように相手をリードして舞っておられる様で・・・・闘いを見ていてこれ程に美しいと思ったのは初めてに御座います・・・」

と、インドーラが大介に恋でもしているような視線を投げ掛け、褒め称える言葉をその口から紡ぎ出す。さらに、インドーラが大介を称えようとした時、

「・・・ああ、分かった分かった・・・と言うか、インドーラお前あの時、天魔宮の中にいたはずだよな?」

と、インドーラが陶酔するように自分の主を称える言葉を続けて紡ぎ出そうとするのを、大介が照れ隠しに邪険に遮りながら、インドーラの言葉に疑問を漏らす。

 「・・・はい。私はこの異邦人の里の中の事でしたら何処に居ても見聞きすることが出来ますから。」

と、インドーラは嬉しそうに答える。


 ・・・・・。


 「下手な事は出来んな・・・」

と、大介は呟き、再びインドーラが語り出そうとした所で、

「・・・メンドゥーサ王女達の事はどうした?」

と、大介は続ける。

 それに対し、一瞬、抗議でもするかのように口をパクパクさせた後、インドーラは渋々ながらもメンドゥーサ王女達の事へと話題を変えた。

 「・・・はい。ご主人様に命じられ、メンドゥーサ王女達の記憶を元に戻せるか調べました。その結果が出ましたのでお知らせに参りました。」

と、インドーラは本来の用件を述べると共に軽く腰を折る。そして、

「結論から申し上げますと・・・この異邦人の里の魔法システムの能力を持ってしてもメンドゥーサ王女達の記憶を元に戻すことは出来ません。」

と続ける。


 それを聞いた黒衣の魔女リサナは表情を険しくする。


 「メンドゥーサ王女達の記憶は魔法で改変されているのではなく、どうも媒介を通して神力によりなされているようなのです。」

 「・・・媒介というのは、あの太陽を型どったようなペンダントか?」

 「・・・流石は我がご主人様、よく気づかれましたね。」

 「ああ、メンドゥーサ王女達と顔を合わせた時から何となくメンドゥーサ王女達が付けているあのペンダントから嫌な気を感じていたからな。」

 ・・・。

 「なるほど、さす・・・」

と、インドーラはまた大介を誉め称えようとして、大介のキツい視線を感じ、

「・・・話を戻しますが、」と、残念そうに言って話を続ける。「メンドゥーサ王女達の記憶を元に戻すには、その記憶を改変している神力を完全に霧散させなければならないのです。が、神力は魔力よりも遥かに高次な力なのです。ですので、魔法、魔力では、たとえ神力に近い、ご主人様の血により闘神、御雷ミカヅチ様の加護を受けたこの里の魔力や、創造と破壊の神、鳳凰様の加護を受けた異邦人達の魔力でも・・・異邦人の、鳳凰様の神力を扱える鳳凰の巫女でもないかぎり、メンドゥーサ王女達の記憶を改変している神力を完全に霧散させる事は出来ないのです。」


 ・・・。


 「ちょっと待て・・・今の話だと御雷と鳳凰は異邦人の神で、この世界の神ではないように聞こえたが・・・だとすると・・・その異界の神の神力でしか、メンドゥーサ王女達の記憶を改変している神力を完全に霧散させられないということは、そのガーディン教の神はこの世界の神ではないのか?」

 ・・・・。

 「この里の魔法システムのライブラリーに欠損部分が無ければ分かるかもしれませんが・・・今の私にはハッキリとした事は分かりかねます。が・・・・異邦人の魔力は異界、神界の神、鳳凰様の加護を受けています。恐らく、この世界の神の神力では、微弱でもその異邦人の魔力を持つ者達の記憶を改変する事は出来ないのではないかと思われます。」


 ・・・ふむ・・・そうすると、この世界の狂った神とガーディン教の神は、別ものなのか?・・・


と、大介が考えていると、

 「・・・では、メンドゥーサ様達を救う事は出来ないと?」

と、黒衣の魔女リサナが険しい顔でインドーラに問い掛ける。

 「いえ、そうは申しておりません、リサナ様。恐らく、ご主人様にならメンドゥーサ王女達を救う事が出来るかと。」

 「ん?どういう事だ?俺は神力など使えんぞ。」

 「いいえ、ご主人様は闘神、御雷様の血と力を受け継いでおられます。現にご主人様は御雷様の神力である闘神気を身に付けておいでではありませんか。」

 ・・・。

 「闘神気って、神力だったのか?・・・・だが闘神気で人の記憶をどうこう出来るとは思えんが?」

 「・・・確かに、闘神気では記憶をどうこうは出来ないでしょう。ですが、先程申しましたように、記憶を改変している神力を霧散させられればいいのです。」

 ・・・。

 「何故、最初からそれを教えなかったのですか。」

と、リサナが不機嫌な顔をして言うと、

「申し訳ございません。ご主人様が特別な方であることを強調したかったものですから。」

と、インドーラがさも当然というような顔をして答える。


 ・・・これはダメだ・・・インドーラの頭には大介さんの事しか無いわ・・・


と、リサナは思い呆れるしかなかった。


 大介はインドーラの言葉を聞いて、ハァ、と一つため息を吐き、

「分かった・・・やってみよう。」

と、インドーラが説明した事を試してみることにする。

 ・・・。

 「では、大介さん。早速で申し訳ないのですが、今からお願い出来ますか?」

 「・・・ああ、それは構わんが・・・メンドゥーサ王女達の記憶を改変している神力を霧散させると、その神力を操っている相手に気付かれるのではないのか?・・・そうなれば、この後のウラヌス王奪還が難しくなると思うのだが?」

 ・・・・。

 「ご主人様、誠に申し上げずらいのですが・・・ご主人様がメンドゥーサ王女達に接触した時点で相手はメンドゥーサ王女達を見失っていると思われます。神界の神々の神力は、その波長を打ち消し合うということですから。」

 ・・・。

 「ということは、その相手、ガイウスはメンドゥーサ王女達が私達に敗れたと判断して、もう既に警戒していると?」

 「はい、リサナ様。その可能性が高いかと・・・ですので、メンドゥーサ王女達の記憶を元に戻しても問題はないかと思われます。」

 ・・・・。

 「そうか、ならばこちらの戦力増強の為にもメンドゥーサ王女達の記憶を元に戻すのが得策か・・・よし、なら直ぐに天魔宮に戻るとしよう。」

と、大介が言うと、

「お願いします。」

と、リサナも応じる。


 大介とリサナは向きを反転し、天魔宮に向かい歩速を今までより気持ち早めた。


 インドーラは何か言いたそうにしているが、大介に嫌われたくない為、グッと我慢して口を噤み、大介とリサナの後ろに付いて歩いて行く。

 大介はインドーラのその気配に気付いていたがそ知らぬ振りをしていた。

 もし、インドーラがまた自分を誉め称えようとしたら、止めるつもりでいた・・・臆面も無く、人前で誉め称えられれば誰だって恥ずかしいだろう・・・と。

 だが、インドーラは口を開かなかったため大介はホッと胸を撫で下ろしていた。


 大介達が天魔宮の近くまで来たとき、

「大介さん!リサナさん!」

と、メルティスが天魔宮の方から笑顔で駆けてきた。


 「おぅ、おはよう。メル。」

 「お早う御座います。メルティス王女。」

と、大介とリサナは笑顔でメルティスに朝の挨拶をする。


 「お早う御座います。お二方ともお早いですね。」

と、メルティスは笑顔のまま挨拶を返し、

「リサナさん、私の事はメルとお呼びください。」

と言う。


 「いえ、今の私の立場では・・・ウラヌス王国での私の立場では、他国の王女を呼び捨てにするのは流石に憚られますので御容赦ください。」

と、メルティスの申し出を、申し訳なさそうにしながらもリサナは柔和な笑顔でヤンワリと断った。


 ・・・・。


 「そうですか・・・残念ですが仕方がないですね。」

と、メルティスは少し寂しそうな笑顔で了承した。

 その時、

「お早う御座います。」

と、天魔宮の方から歩いてきたティアが眠気顔に笑顔を乗せて大介達に声を掛けてきた。

 

 「お二人でお散歩ですか?天気もいいですし・・・・私もご一緒させて頂いて宜しいでしょうか?」

と、ティアが笑顔のまま言うと、

「いいですね。私もご一緒させて下さい。」

と、メルティスもいい笑顔で言う。


 「ああ、済まない。メンドゥーサ王女達の記憶を元に戻す方法が分かったから、散歩を切り上げて急いで戻って来たんだ。」

と、大介が申し訳なさそうに言うと、

 「そうなのですか・・・それでは、残念ですが散歩はまた今度という事で・・・」

と、ティアは本当に残念そうに応える。

 大介がメルティスの方を見ると、あからさまに肩を落としているのが分かった。


 「・・・分かった。天気もいいことだし、メンドゥーサ王女達の記憶を戻したら、皆で散歩に行こう。」

と、大介が言うと、途端にティアとメルティスの表情が明るくなる。


 ・・・全く、この娘達は・・・


と、それを見てリサナは呆れながらも笑顔になるのだった。



 大介達が天魔宮の玄関ホールに入ると、八十坪程の広い空間が広がる。


 天魔宮は元々は魔女の部族の長の宮であると共に、魔女の部族の福利厚生施設でもあった。

 その為、玄関ホールはエントランスと言った方がいいような雰囲気になっている。


 「あ、皆さん、お早う御座います。」

と、ちょうどそこに起きたばかりという感じのケネスが姿を現した。

 そして、

「ちょうど良かった。皆さん武器の手入れが必要な方は言って下さいね。」

と、眠気顔に笑みを浮かべて言う。


 「ああ、それじゃー悪いが俺の小太刀の手入れを頼めるか?」

と、大介が腰に差した二振りの小太刀を鞘ごと抜きながら言うと、

「はい!喜んで。」

と、ケネスは嬉しそうにその二振りの小太刀を両手で抱えるようにして受け取る。

 「では、早速見させて頂きますので・・・失礼します。」

と言って、ケネスは天魔宮を出ていこうとする。そんなケネスに、

「作業場は?」

と、大介が声を掛けた。

 「はい。インドーラさんに、昔、魔女の部族の錬金鍛冶師が使っていた作業場を自由に使っていいと許可を頂いています。」

と言って、ケネスは嬉しそうに外へと駆けていった。


 「いつの間に・・・」

と呟いて、大介がインドーラの方へ目を向けると、

「はい・・・昨日の昼頃、ケネス様に武具や魔法道具を手入れ出来る場所を貸してほしいと言われましたので・・・作業場には道具等の使い方を説明させる為に妹を待機させてあります。」

と、インドーラは応える。


 「私もそうですが・・・私以上にあの娘は、物を作るのが大好きですから・・・しかも、グラッツィオの名をケヴィンの次に継いでもいいくらいの腕を持っています。あの娘がいなければ私の魔法道具も出来ません。」

と言って、メルティスはケネスの走り去っていった方へ目を向け、優しげな笑みを浮かべて言う。

 「ほぅ、それ程か・・・」

 「はい・・・【魔力電磁銃】や【テレビジョン】も物はケネスが作り、それに私が魔法印を施して作りました。」

 「なるほど・・・どういったものを作るのか考えるのはどっちなんだ?」

 「それは、二人で考えたり二人して案を出しあったりしてますね。」

 「なるほど、いいパートナーだな。」

 「はい。ケネスは私には無くてはならない存在です。」

と、メルティスは大介に満面の笑みを見せて答える。

 そんなメルティスの笑顔を見て、

「それでは、私も後で魔法の杖を見てもらいましょう。」

と、ティアが言い、

「そうですね。私もメルティス王女の許可を頂ければお願いしましょう。」

と、リサナも言いメルティスに目を向ける。と、

「はい。ケネスも世界最強と言われる黒衣の魔女の魔法の杖を手入れ出来るとなれば大喜びするでしょう。」

と、メルティスは快諾する。


 「よし、話も纏まったところで、そろそろメンドゥーサ王女達の所へ行こうか。」

 「畏まりました。各々の部屋で眠っていてもらっていますので、先ずはメンドゥーサ王女の所へご案内いたします。」

 「分かった。」


 大介が返事をすると、インドーラは直ぐ様転移の魔法陣を展開する。

 その魔法陣の光に包まれ大介達は魔法陣に吸い込まれていった。



 大介達が転移の魔法陣で転移した部屋は、明かり取りの窓も出入口の扉も無い四角い部屋だった。

 その部屋には照明らしき物は何も無かったが、まるで部屋全体が柔らかな光を発しているかのようで、その部屋は暖かな光に満たされていた。


 その部屋には華美になりすぎない程度に装飾品が飾られ、落ち着いた雰囲気が醸し出されている。

 その部屋の中央に天蓋付きのベッドが置かれていた。


 大介がそのベッドに近付き天蓋から吊るされた純白のレース編みのカーテンの中を覗くと、フカフカな布団の上にメンドゥーサ王女が寝かされていた。

 そのメンドゥーサ王女の豊満な胸の上には、メンドゥーサ王女の首から下げられた太陽を型どった金色のペンダントが置かれていた。


 「そのペンダントは神力で出来ているようで、それを身に付けている者か、神力を扱える者にしか触れられないようなのです。」

と、インドーラは説明し、

「メンドゥーサ王女の記憶を改変している神力を霧散させるには、ご主人様がそのペンダントに闘神の神力である闘神気を流し込んで下さい。」

と言う。

 それに対し、大介は、

「分かった。」

と、応えメンドゥーサ王女の胸の上に置かれているペンダントを手に取ろうとする。と、


バチッ!!


といって火花が飛び散り、ティアとメルティスは驚き身を震わせる。が、大介は構わずそのペンダントを手に取る。

 そのペンダントは大介を拒絶するように大介の手の中で、バチバチと火花を散らせる。が、

「やかましい!」

と言って、大介がそのペンダントを握り締め闘神気を一気に流し込む。


ボフッ!!


といって、そのペンダントは紫煙となり霧散する。と、

「ん!くっぁああ・・・」

と、メンドゥーサ王女は頭を抱え少しの間呻いていたが、直ぐに憑き物が落ちたような安らかな寝顔で寝息をたて始めた。


 「上手くいったようですね。」

と、その様子を大介の後ろから心配そうな顔で覗き込んで見ていたリサナが、安堵の息を吐くように言った。 

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