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異世界で用心棒   作者: 鈴ノ木
18/49

拾捌

 『〈〈メンドゥーサ様。これより神殿のような建物の中へと入ります。〉〉』

 『〈〈よし・・・魔力は弱っている筈だが、黒衣の魔女には気を付けろ。〉〉』

 『〈〈はっ!〉〉』


 カレンはメンドゥーサとの通信が終わると、自ら先頭に立ち天魔宮の中へと入って行く。


 天魔宮の通路は大人が手を広げ横に四人並んでも、まだ余裕が有るほどの広さを有していた。

 そして、壁や床、天井は金属的で滑らかな光沢のある濃紺色のシックな材質の物で出来ている。

 また、それ自体が光源であるのか柔らかで温かみのある光を発しているようで、真夜中であるにもかかわらず通路はその光に優しく照らし出されていた。


 その通路をカレンを先頭にアトース、サディ、ファーラスの順に周りを警戒しながら進んで行く。

 そして、入り口から二つ目の、通路が二つ交わった角を右に曲がろうとした時、

『〈〈待て!〉〉』

と、カレンは壁際に寄って立ち止まり、他の三人もカレンの後ろに付いて立ち止まる。


 『〈〈この先に人の気配がある・・・・〉〉』


 カレンは懐から手鏡を取り出し、その手鏡で曲がり角の先を確認する。と、そこには、頭の先から足の先まで黒ずくめの女が魔法の杖を持って立っていた。


 「そこに隠れているのは分かっている出てこい!!」

と、その黒ずくめの女、黒衣の魔女リサナが叫んだ。


 『〈〈黒衣の魔女は私が引き受ける。お前達はアレイアス王子とメルティス王女、アルテミス王家の者達を見つけ出せ!〉〉』

と、カレンはアトース達に指示を出す。そして、

「《神波しんはの鎧、其は絶対の防御なり。神波の玉、其は絶対の破壊なり。》」

と唱え、神殿のような建物(天魔宮)に入る前に魔力で存在を相手に気付かれないようにする為に解いていた魔法の鎧、神波の鎧をカレンは纏い、胸の前に神波の玉を造り出す。


 『〈〈メンドゥーサ様、黒衣の魔女を見付けました。これより戦闘に入ります。私以外の者達には標的の探索を続行させます。〉〉』

 ・・・・。

 『〈〈メンドゥーサ様?〉〉』

 ・・・。

 『〈〈了承した。無理はするな。〉〉』

 『〈〈はっ!〉〉』


 ・・・【金環】の通信感度が悪いな・・・この建物に使われている特殊な金属のせいか?・・・


と、カレンが考えていると、

「そちらから来ないのなら、こちらから行くぞ!」

と、リサナは言いカレン達が隠れている曲がり角に近づく。と、

「そんなに焦らずとも、私が相手をしてやる!!」

と、カレンがリサナの前に躍り出る。と同時に、

『〈〈アトース、私が攻撃を始めて黒衣の魔女が私に気を取られている内に、お前達はその通路の先を行け!〉〉』

と、指示を出す。


 「神波のカレンか・・・・」

 「私では不服か?裏切り者の黒衣の魔女よ。」

 「・・・私もアレイアス王子も裏切りなどしていない!」

 「はっ!よく言う。貴女と共に我等異邦人の力に目覚めた者達を地下迷宮から救い出して下さった前ウラヌス王シルベウス陛下を暗殺しようとしたくせに!」

 「アレイアス様の父君であり、私にとっては大恩あるシルベウス陛下を暗殺しようなど・・・私達はその様なことはしていない!お前達はそれをその目で確認したのか?」

 「・・・問答無用!いくぞ!!」


 カレンは一方的に問答を打ち切ると神波の玉に両手をかざし、「《共振破裂レゾナンスエクスプロージョン》」と唱える。同時に、「《断絶の壁イクスティクションウォール》」と、リサナは防御魔法を唱えた。すると、カレンの胸の前に浮かんでいた神波の玉が目にも留まらぬスピードでリサナに迫る。が、後少しというところで神波の玉とリサナの間に空間を断絶する壁が現れ衝突する。と、


ドゴッ!!オオオンンーーー・・・!!!


と、神波の玉は《断絶の壁》を粉砕し、その衝撃が空間を揺るがすような衝撃波となりカレンとリサナに襲い掛かる。が、それで力を削がれたためか神波玉はカレンの元に戻る。

 カレンは神波の鎧の能力でその衝撃波を霧散させ無傷ですんだ。

 リサナは《共振破裂レゾナンスエクスプロージョン》の直撃を受ける事は免れたが、その衝撃波に吹き飛ばされる。

 アトース達はその隙に、『〈〈ご武運を・・・〉〉』と、カレンの後ろを通り通路を真っ直ぐに走り抜けていった。


 リサナは衝撃波に吹き飛ばされるも、何とか体勢を立て直し床や壁に叩き付けられる事は免れた。


 「黒衣の魔女リサナよ!何故、我等を裏切った!メンドゥーサ様や私のように、我等の中にはお前を母や姉のように慕っていた者達も多くいるのだぞ!!」

と、カレンは怒気の籠った語調で言い、床に膝を付いているリサナを睨み付け近付いて行く。

 対して、「だから!アレイアス様と私は裏切ってなどいない!」

と、リサナもカレンを睨み付ける。

 そして、カレンが後数歩という所まで近付いた時、「《滅光槍ディシィスビームジャベリン》」と、リサナが唱えると、吹き飛ばされながらも呪文を唱え作り出していたリサナが懐に隠している光玉が、全てのものを貫き滅する光の槍となり光線の如くカレンを貫く。かに見えたが、カレンの纏う神波の鎧がその光の槍を霧散させる。


 「裏切り者よ、今のお前の魔力では私の神波の鎧を破ることは不可能だ。諦めて死ね!」

と言うと、カレンは再び神波の玉に両手を翳し、「《共振破裂レゾナンスエクスプロージョン》」と唱える。対して、リサナは「《全方位防御シェルター》」と唱え全方位の防御結界を張る。が、神波の玉はカレンから離れると膨らみだし、その《全方位防御シェルター》の防御結界ごとリサナを呑み込む。と、


 キイイイイイイーーーーーンンン!!!

 「くっ・・・」


と、神波の玉とその内にある《全方位防御シェルター》の防御結界は、神波の玉の《共振破裂レゾナンスエクスプロージョン》の効果により共振を始め、リサナはその共鳴音に耐えきれず耳を押さえうずくまる。

 暫くすると《全方位防御シェルター》が、その共振エネルギーに耐えられなくなったのか、


ピシッ!ピシッ!


ひびが入り始め、


パン!!


といって弾け飛ぶ。と、何も防ぐものが無くなったリサナは神波の玉の《共振破裂レゾナンスエクスプロージョン》の効果をその体に直に受け、

「ぐあああああ・・・」

と、もがき苦しみ始める。が、数瞬も経たず、


バッ!!


と、全身から血を吹き出し大量の血飛沫ちしぶきを通路に撒き散らし動かなくなった。

 すると、神波の玉はリサナを吐き出し元の大きさに戻りながらカレンの元に戻る。


 カレンは、血塗ちまみれになりその血の海に倒れているリサナに近付き、用心深くリサナの生死を確認する。

 そして、リサナの死亡を確認すると、カレンは神波の鎧と神波の玉を解き、リサナの血に濡れた床に両膝を付き、何か思いに耽るように身動ぎ一つしなくなった。が、暫らくすると、その両の目からボロボロと涙を零し始め、


 ・・・何故こんなことになった・・・・・何故裏切った姉さん!リサナ姉さん!!・・・


と、両手で顔を押さえカレンは心の内で慟哭した。


 それから暫くして泣き止むと、カレンは涙を拭い立ち上がり、リサナの骸に背を向ける。


 『〈〈メンドゥーサ様、黒衣の魔女リサナの討伐、完了しました。〉〉』

 ・・・・・・。

 『〈〈分かった・・・・詳しいことは後で聞く・・・通信感度が悪いようだが、大丈夫か?〉〉』

 『〈〈はい・・・この程度ならまだ大丈夫だと思います。〉〉』

 『〈〈ならば、お前も他の標的の探索に向かってくれ。〉〉』

 『〈〈分かりました。〉〉』


 ・・・・。


 ・・・!?・・・


 カレンは魔法通信機【金環】を使ってメンドゥーサに黒衣の魔女リサナの最後を伝え通話を切った。と、その時、突然何者かに後ろから抱き付かれカレンは心臓が飛び出すのではと思うほど驚いた。


 何故なら、カレンは油断していたわけでなくむしろ黒衣の魔女と戦う前よりも周りの気配に気を付けていたぐらいだった、にも拘らず抱き付かれるまでその人物の接近に全く気が付かなかったのだ。


 だが、カレンも幾多の修羅場を潜り抜けてきた強者である。驚きも一瞬で、直ぐ様、その抱き付いてきた人物の腕を振りほどこうとした。が、体にガッチリと巻き付いた腕を振りほどく事は叶わず身動き一つ出来なかった。

 しかし、何故か抱き付いている相手はカレンに危害を加える気がないようだった。


 ・・・何故だ、何故、抱き付かれているだけで身動き一つ出来ない?・・・


と、カレンが焦り始めた時、ふとカレンが足元を見ると床に広がっているリサナの血が蛇のようにカレンの両足を締め付けながら這い上がってきていた。と、その時、

「カレン、私と一緒に天国に行きましょう。」

と、リサナの囁く声が耳元に聞こえ、「なっ!?」と、カレンは絶句する。が、直ぐ様、

「《神波の鎧、其は絶対の防御なり。》」

と、呪文を唱え神波の鎧を纏おうとした。が、「無駄よ。」と、血塗れのリサナが言うように神波の鎧をカレンは纏うことが出来なかった。


 「バカな!何故、神波の鎧が現れない!」

 「だって、貴女のその魔力は私が頂いているのですもの。」

 「貴様!・・・・リサナでは無いな!何者だ!」

 「んふふ・・・今ごろ気がついても遅いわ・・・・・やっぱり、異邦人の魔力は美味しいわね。」

と、その血塗れのリサナが言うと、カレンの足元に魔法陣が現れ、更にカレンの異邦人の魔力を吸い上げる。


 「貴様!まさか・・・ひっ・・・だめ・・・やっ・・・ひぃああああ、や、やめろー・・・・い、いやーーーぁーあっ!」

 「大丈夫よ。命は奪うな、とのご主人様の命ですからね。気を失う程度にしか力は奪いません・・・・でも、気持ちいいでしょ。力を頂く代わりに最高の快楽を与えていますから。」

 「くっ、んあっ!『〈〈メ、メンドゥーサ様・・ひっ!・・い、遺跡のま、魔法し、しす、あっ!くっ、システムが、あっ、た、立ち上がって、うっん!あっ!〉〉』・・・や、やめ、やめてーーーー・・・ぁ・あ・あ″っ・・・!!」

と、カレンは【金環】でメンドゥーサに連絡を取ろうとする。が、その途中、偽リサナの攻めに耐え切れず、絶叫のような甘い悲鳴を上げ、カレンは全身を痙攣させる。

 「ふふふ、無駄ですよ。その【金環】の思考通信波は、お仲間には届きません。その思考通信波は、乗っ取らせて頂きました・・・・って、あら?もう、果ててしまわれましたか?もう少し楽しませて頂こうと思っていましたのに・・・こういうのは初めてだったのでしょうか?以外にうぶなお嬢さんだったようですね。」

と言いながら、血塗れの偽リサナはカレンを床に寝かせると、その体は光に包まれ姿をメイド姿のガンガーに変える。


 「ま、これで、先ずは1人ですね。」

と、ガンガーは言うと、床に寝かせたカレンを更に床に広がる血のような物で動けないように縛り上げた。


そして、

「お姉様と、メイド部隊の妹達は上手くやっているでしょうか?」

と、一人呟いていた。




 ・・・リサナ義姉さんの話では、魔女の部族の体質を受け継いでいるせいか、異邦人の力を発現させるのはまれに男性もいるが殆どが女性だ、ということだったが・・・相手が全員女性というのは、ちとやりずらいな・・・


と、大介はメンドゥーサ達の攻撃を紙一重で躱しながら考えていた。


 メンドゥーサ達は大介に対して接近戦を挑んでいた。


 ・・・このダイスケという男に、中長距離での魔法攻撃は通用しまい・・・こいつがリサナを助けた時、私の神殺しの雷の剣を手で挟んで受け止めていた、ということは強力な魔法の掛かった刃をまともに受けたら、こいつでも只では済まないという事だろう・・・反撃のいとまも与えず攻め続ければ何とかなる筈だ・・・


と、メンドゥーサは考え魔法で強化した武器での攻撃を選んだのだ。


 メンドゥーサ達の連携攻撃は見事なまでに息が合い、ジリジリと大介を追い詰めているように見えた。


 アーシュが大介の胴を剣で薙ぎ、それを斜め後ろに紙一重で躱すと、その大介が躱す位置を予測していたように大介の首を落とそうとシールスの剣が襲う。それを少し腰を屈めるようにして、その場で半回転して躱し、そのシールスの懐に大介が潜り込もうとすると横合いからウェースの槍が大介を襲い、それを後ろへ摺り足で躱すと、頭上からゴウラの巨体なハンマーが襲う。それを片足を軸に半回転して躱し、大介がその巨体なハンマーの柄を押さえゴウラの懐に入ろうとすると、ゴウラは深くかがみ込みそのゴウラの頭上を通り大介の首を落とそうとクレーヌの大剣が大介を襲う。が、それを上体を後ろに反らしバク転するようにして躱す。

 その全ての武器に強力な魔力が込められており、大介はその効果範囲を考慮して全て紙一重で躱していた。が、


 ・・・大した連携だ・・・・これは、あまり長く躱し続けるのは難しいな・・・


と、大介が躱しながら考えていると、他の五人と連携して攻撃していてきているメンドゥーサの顔が一瞬悲しみに曇ったように見えた。


 ・・・ふむ、どうやらインドーラ達は上手くやっているようだな・・・


 ・・・・。


 ・・・私も姉のように慕っていたリサナが死んだ・・・・・もう、彼女の事は考えまい・・・・今はこいつを倒すことに専念しなければ、一瞬でも気を抜けば殺られる・・・・・我ら六人がかりで掛かっているというのに未だ傷一つ付けられんとは・・・・しかし、奴の動きに少し違和感を感じるのは何故だ?・・・


 メンドゥーサは仲間達の動きや大介の動きを先読みし、絶妙な位置を取り、絶妙なタイミング、絶妙なスピードで大介に神殺しの雷の剣で斬撃を浴びせかけながらも、大介の動きに違和感を感じていた。


 ・・・少し仕掛けてみるか・・・


 『〈〈ゴウラ、少し私が抜ける間頼む。〉〉』

と、メンドゥーサがゴウラに【金環】で意思を伝えると、一瞬、ゴウラはメンドゥーサに目を向ける事で〈了解〉と自分の意思を伝える。

 それを確認すると、大介を包囲している陣形からメンドゥーサは離れ、「《雷よ我が手に集え》」と、唱え雷玉を作り出し、「《遊撃・雷神の槍レイド・サンダーゴッドジャベリン》」と、唱えると雷玉は大介に向かって飛んで行き、それに付いてメンドゥーサも大介包囲陣に再び加わる。


 大介はゴウラ達の攻撃を躱して重心移動と共に足を移動させようとする。が、嫌な感じがして一瞬足の動きを止める、と、


カッ!!バツン!!!


と、その足を移動させようとした位置に行成いきなり強力な雷撃が襲い地面を大きく抉った。「おっ!?」と、大介は短く驚きの声を上げると共に、一瞬、足の動きを止めたことにより体勢を崩す。そこに、透かさずゴウラの巨大なハンマーが大介の脳天を襲う。が、


「チッ!」

ガッ!!ゴゴゴゴンンン!!!


と、舌打ちをして大介がその手に持つ杖でその大鎚を受け止めるも、ゴウラの【雷神の大鎚】から発せられた凄まじい雷が大介の脳天から襲い、大介の足元を大きく抉る。が、大介はその纏う闘神気を瞬間的に強化して自身に直に当たる雷を無効化した為、大介にはダメージを与えることは出来なかった。が、〈捉えた!!〉とばかりに全員がその手に握る魔法武器に力を込め大介に襲い掛かる。同時に、


「カッ!!」


と、大介は気合いを込め、爆発的に濃密な闘神気を放ちメンドゥーサやゴウラ達を弾き飛ばす。


 弾き飛ばされたメンドゥーサ達は、体勢を崩しながらも着地して体勢を直ぐに立て直す。

 そして、大介を睨みながら警戒しつつジリジリと大介との間合いを再び詰めていく。


 ・・・くっ、やはり手を抜いていたな!・・・奴の動きに違和感を感じていたのは武器を持っているのに全く使っていなかったせいか・・・・我らを相手に、それを気付かせずに今まで戦っていたのか・・・くそっ!なんて奴だ・・・だが何故こいつは手を抜く必要がある?・・・


と、メンドゥーサが考えていると、

「・・・・来ないのなら、俺は中の様子が気になるのでここは退かせて貰おう。」

と、大介は天魔宮の中心核に踵を返そうとする。


 「なっ!?待て!行かせるな!!」

と、メンドゥーサが咄嗟に言うと、それを合図に再びゴウラ達は連携して大介に襲い掛かる。


 ・・・ヤバイヤバイ・・・・リサナ義姉さんの言っていた通り隊長のメンドゥーサというのは随分と感が良さそうだ・・・


と、大介は考えながら、メンドゥーサやゴウラ達の攻撃や雷玉の不規則な攻撃を、今度は杖も使いながら躱しつつ、


 ・・・しかし、あの雷の玉みたいなのは厄介だな・・・・軽く纏っているだけの闘神気では全てを無効化出来ないんじゃないか?・・・・まぁ、当たっても多少火傷するだけのような気もするが・・・でも、やだな・・・


と、考えていると、大介はメンドゥーサの疑いの眼差しに気が付く。


 ・・・ああ、これはヤバイな・・・早くGOサインが来ないか・・・


 ・・・・・。


 ・・・やはり、こいつは我らをここに足止めさせているのではないか?・・・まさか!!・・・だとしたら、中に入った者達は・・・


と、メンドゥーサが考えていると、

『〈〈メンドゥーサ様、アレイアス王子を発見しました。殺害許可を・・・〉〉』

と、アトースから連絡が入る。

 『〈〈待て!・・・・全員に通達!即時この異邦人の遺跡から離脱せよ!!何者にも構うな!!急げ!!〉〉』

と、メンドゥーサが【金環】を使って全員に通達を出した瞬間、


くおぉぉぉーー・・・


という空気を吐く音が大介の方から聞こえてきたかと思うと、瞬間的爆発的に大介の闘気が上がった。次の瞬間、目には大介の姿が見えているのに、その大介の気配が消えた。その時、メンドゥーサの前に居たゴウラとウェースが地に崩れ落ちる。それを見た瞬間、メンドゥーサは目一杯の力でバックステップを踏みそこから離れると同時に踵を返して異邦人の遺跡から離脱する為に猛スピードで駆け出していた。


 ・・・やられた!!・・・くなる上は・・・


 『〈〈誰でもいい、この異邦人の遺跡から脱出出来た者は、その足でアルテミス王国に行き、王家王族のみならずアルテミス王国の者達全てを殺せ!!〉〉』

と、メンドゥーサは怒りと憎しみを籠めて叫んでいた。

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