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変人王子の相手はお断りですので!  作者: 藍凪みいろ


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第11話 隠された本音


 リースティアヌ王国の第一王女ティアナの護衛騎士であるヴィルの朝は早い。


 朝5時に起床してから、騎士である者達が住まう寮の中にある食堂で少し早めの朝食を取る。


 王城リステルに向かうのは、日によっては、遅くなる時もあるが、大体、いつも6時半くらいである。


「よし、行くか」


 ヴィルはそう呟き、自分が仕える主がいるであろう王城リステルへと向かう為、寮を出て歩き出した。



 昼前、用があって、ティアナの仕事部屋である執務室を訪れた俺は、いつものように部屋を2回程コンコンとノックしてから部屋へと足を踏み入れる。


「殿下、業務報告書と目を通してもらいたい書類をお届けに参りました」


 ヴィルがそう告げるとティアナは、机の上にある数枚の書類を机の上で綺麗に揃えてから、書類を机の上に置く。

 そして、ヴィルを見て少し嬉しそうな顔を見てする。


「あら、わざわざ届けにきてくれたのね。ありがとう、ヴィル」

「はい! 殿下、仕事大変そうですね。ご無理なさらないよう休憩はちゃんと取って下さいね」


 ヴィルはティアナの机の上にある積み重なって置かれている書類や報告書の紙の山を見て、少し心配になり気遣う。


「ありがとう。ヴィル、休憩はちゃんと取っているから安心して」

「それならいいのですが。あの、殿下、明日って何か予定とかありますか?」

「予定? 特にはないけれど」


 ティアナの返事を聞いたヴィルは、少しでも息抜きになればという心遣いから、ティアナにお出掛けの誘いをする為、話しを続ける。


「そうなんですね。殿下、もし良ければ、明日、久しぶりにお忍びで王都にでも出掛けませんか?」

「いいわよ。ここ最近、王都にお忍びで出掛けていなかったものね」

「はい。何より、良い気分転換になると思いますしね」


 ティアナは頑張りすぎてしまう所があることをヴィルは身をもって知っていた。


 だからこそ、完璧に何でもこなし、表面上では疲れを感じさせない顔をティアナがしていてもわかるのだ。



 ヴィルとティアナは数ヶ月振りのお忍びで王都に訪れていた。


「相変わらず王都は賑やかね」

「そうですね」


 王都は特に行事などもない普通の日だというのに、沢山の人が行き交い、それぞれの目的地を目指して歩く、人々の声が重なり合って賑やかしい。


「ねえ、最近、サクヤ王子殿下とアリーシェの仲がとても良好みたいなの」

「そうなんですね! 良いことじゃないですか」


 ヴィルが左隣を歩くティアナの方を見てそう言えば、ティアナの不機嫌そう声が返ってくる。


「全然、良くないわよ! サクヤ王子殿下と仲良くなったら、私とアリーシェの時間がなくなるじゃないの。アリーシェは私のなのよ」

「殿下、もしかして嫉妬してます?」

「何言ってるのよ、私が嫉妬するわけ、、ないじゃない」


 ティアナは否定するが、ヴィルはティアナが嫉妬していることをわかっていたので、少しばかりの意地悪で追い討ちをかける。


「いいや、嫉妬ですね。サクヤ王子殿下とアリーシェが仲良くしているのを見て、もやもやしましたよね?」

「もやもやしたわよ。サクヤ王子殿下は血の繋がった実の兄でもあるけれど、アリーシェを私から奪おうとするなら、容赦はしないわ」

「殿下、落ち着いてください。目が怖いです……」


 ヴィルの言葉に、ティアナはにこやかな笑みを浮かべるが、その笑顔と気持ちが釣り合っていないことをヴィルは知っていた。


 少しばかりおかしくなって笑いそうになるが、何とか堪える。


「まあ、でも、アリーシェがサクヤ王子殿下と仲良くなって、私と話す時間が減ってしまっていったとしても、私にはヴィル、貴方がいるものね」

「え、ああ、そうですね。俺と沢山話しましょう」


 ヴィルはティアナの唐突な言葉に少し動揺するが、それを表情や声に出しはしなかったが、心の中ではかなり動揺していた。


(なんだ、なんだ今の。可愛すぎるだろ、しかも、少し上目遣いで、そんなこと言われたら、好きだと言いそうになる)


 ヴィルはティアナのことが好きだった。

 いつからか、ティアナのことを諸君としてではなく、一人の女性として意識するようになったヴィルは、騎士という立場上、想いを伝える訳にもいかず、気持ちを隠し続けていた。


 だが、しかし、こういう些細な事で、ヴィルの心は掻き乱される。


「ヴィル、ねぇ、ヴィルってば聞いているの?」

「え、あ、はい! 何でしょう?」

「そろそろ、お昼だし、何か食べてから帰らない?」

「そうですね。そうしましょうか」


 ヴィルとティアナは王都の街並みにあるカフェで昼食を済ませる為、カフェがある人通りが多い道へと足を進めて行った。


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