報告書4つめ レオタードは娼婦の証?
――監視塔からの返信は0件――。
――開発者からの知らせは0件――。
――他手紙は0件――。
「ねえ? ねえってば?」
つったてるだけの私を女の子が太ももを触って揺さぶる。
女の子の手術は無事成功した。医療も備わっている小型船舶の治療のおかげだ。私は手術に必要な水と土や空気を供給し、自分の電力も与えてただけ。少女の体調と回復も合わせて丸2日経過していた。その結果稼働電力は無くなり予備電力で彼女の電気魔法を待っていた。
女の子は約束を守り、3度目の魔法を与えてくれた。威力は弱く発動時間ができるだけ長い魔法を要望したのだが2割分の要求を叶えてくれた。充電は幾分安定し普通行動なら半日持つ。小型船舶も同時に電気を蓄えていたので量的には私より断然多い。
「お姉さん聞いてる?」
「はい。どうしました?」
「お姉さんって、 見た感じは娼婦っぽい姿なんだけど……実は教団の人?。冒険者は嘘でしょ?」
手術で治った女の子の瞳は光が入っているはずなのに以前と変化のない白く濁ったような色のまま。その目で私の正体を探っているようだ。
私の姿はレオタードと呼ばれる物に、今は女の子に貸しているがジャケットという上着を羽織っただけ。本来ならこの星に着陸したらその星に合わせた衣装を纏う予定だった。
「私は、……。」
目の見えるようになった者にどのような返答をすれば良いのだろうか。
「……。でも本当にありがとう。手も切られて、目もやられちゃったから……。そのまま殺されるんだって思ってたし……。…………お姉さんは何であの地下に来たの?」
……どう答えればいいのだろうか。
「何度も申し上げていますが私には電気が必要なのです。あの時、あなたの居た場所に反応し向かっただけです。」
……簡易的に事実を言う。
悩み顔で頭を傾げて納得しようと必死になっている女の子。
「すごく……相変わらず意味がわからない。けど、おかげで助かったし……。あたしの魔法ってお姉さんにとって本当に必要なものなんだね。……ってそれだけ分かる事にする。」
「はい。差し支えなければ、あなたが帰りたい場所まで護衛しますので、それまで魔法をお願いしたのですが。」
「……私の帰る所はあの村だけだよ。帰ったら殺されるか売られるかだよ。」
私は彼女の村を探査する。宇宙にあるいくつかの衛星機から情報を集める。
――検索中……。情報結果。――
彼女のいる村は女性比率が7割。村外から来る男達が金を払い女性と性行為をする。陰で娼婦の村と呼ばれる。この村おこしは年で表すと……―――、エトセトラ、エトセトラ…。
――……日前に娼婦の村で賊が現れ殺戮と拉致の実行、火を放ち村に損害を与えた。
「……実は私が村に向かった時――、」
女の子に村の状況を説明した。
「だから煙かったのは火事だったから……。……ああ、…ああ! 助けに行かないと!!」
「無駄です。村に誰もいませんよ。」
「そんなの分からないじゃない! 村のどこかに隠れているはず! あたしの友達が!! お願いお姉さん!!!」
「駄目です。……実は村には賊らしき者達だけおります。今この瞬間もです。」
衛星からの情報。燃え尽きた村に成人男性達が武器物を持ちながら何かを探しているような姿が、十数分前の映像で確認する。
「なんでそんな事分かるの? やっぱり教団の人なの?」
「……教団とは何か不明ですが、教団の者ではないです、…………が、あなたが思い描いているであろう、似たような能力は確かに私は所持しています。」
「魔法はできないのに?」
「はい。…………。いいですか? 村は私が着く少し前に賊達が村を襲い、建物々に火を付け、女性や子供を誘拐。男性達はその場で……です。しかし、今まだ村で何かを探している最中なのです。当然今村に向かえば襲われます。」
「…………お願い。大事な友達なの。多分秘密の隠れ場にいるはずだから。助けたいの!」
「…………。」
私は無言のまま周囲の片づけと清掃に移す。
「お姉さん……。」
無駄骨無意味、相違が無い。
だが。
「…………夜行きます。それが条件です。」
「……お姉さん!」
口調が変化したのが伝わる。変化のない白く濁った瞳も瞬きに光が宿ったように観えた。
「また、数時間後食料を調達と調理するので、できるだけ食べてください。魔法が必要ですから。」
現在彼女の魔法は必須だ。だったら彼女の望みを叶える必要があってもいいだろう。
簡単な登場人物のおさらいとか。
主人公……アンドロイド 長髪と瞳の色が緑色が特徴的な機械人間。
小型船舶……主人公が宇宙から星内まで乗っていた乗物。今は十字架に変形中。主人公の充電器なったり手術できる設備になったりしているしできる。
女の子…… 右肩から右手までが無い片腕の女の子で更に目が見えない。髪は白色の短めの耳を隠せる程長さ。→瞳は白く濁っているが目が見えるようになった。
1~3話の補完というかネタバレじゃないと思うけどネタバレだったら困るので一応注意↓
本文にもあるけど1話で女の子が描いた魔法陣魔法は殺意高い雷系なので主人公自身充電するには不十分だが、十字架の形になっている小型船舶は多彩機能の1つ、充電器でもあるので吸収能力がある。1話で受けた電力は7パーセントから22パーセント程。3話で主人公と一緒にいたため、女の子が魔法陣を頑張って2日間以上で作って作動した電気系魔法は威力が弱かったおかげでより回復し51パーセントとなる。しかし、女の子が目が見えてしっかりとした魔法陣を描いていれば68パーセントくらいに回復していた。
2~3話の女の子の生活。
主人公が予備電力で動けない間。最初目の見えない彼女は混乱状態。肌寒く朝まで十字架の中で過ごす。日が昇り温かくなった時間に周囲を、目が見えないので文字通り手探りで状況を知る。主人公や十字架に石などを当てて位置を確認しながら、魔法陣を作るのに必要な木の棒を探す。時には食べられそうな草や花ノ実で飢えを凌ぐ。夜になり再び十字架に眠るがやはり寒く、次の日は喉の渇きを朝露でできるだけ満たしたら、沢山の葉っぱや地面に落ちている折れた葉の付いた枝などを拾い十字架に沢山入れる作業。本中にはないけど十字架の中の掃除は主人公がしています。おかげで夜眠る時は温かくして眠れた。そして魔法陣を描く為、次の日は早めに起きて作業をした。目が見えず、主人公と十字架を魔法陣内に入れる為地下室のより大きく描かなければならないので、また主人公の注文のせいもあり大幅に時間が掛かる。朝、昼、夜。生理的な事はその場で済ませながら、それ以外は休まず描き続けていた。寒さに耐えながら魔法陣が完成したのは夜中で同時に気を失う女の子。主人公が起動する10分前に女の子が目覚め、魔法を発動。
これも本中にないけど、女の子は風邪の症状が少しずつ出ていた。食事の後から手術をしていなければそのまま高熱になり放っておけば死んでいた。目の手術時に風邪も治した。




