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クローバー&ロイド   作者: パピドラ
冒険者編
22/22

報告書22つめ 魔王を倒したい目的と。




「もういいぞ。この地下に入ったなら察知できない。」


 クローバーが住んでいた村から、歩けば3日は掛かるであろう目的地の場所を私とファルシとで3時間で済ます。




 ……5時間前。


 クローバーと赤髪娘の戦闘を中断させ、その後すぐ組合ギルドの息ある宿屋で2人を連れて行った。ただ2人共後遺症が残る程の負荷ダメージの為、手術する事に。シロタエギクは残ると言い、今も施術中だ。……私の元小型船舶ポッドの擬人化、シロタエギクは機械人間アンドロイドも生物も医療治療能力に関しては高能力。問題は無い。


 2人の大騒ぎは村中知れ渡っていた。その為、私に用があるファルシは目撃証言を辿り宿屋で合流。約束時間を守る為、シロタエギクに任せて私はファルシの指示に従う。


 科学繊維で作られている全身身を包むクロークを、村から出て人目がなく障害物で衛星からも死角となる場で渡された。その布は起動すれば衛星監視から逃れられ、特定されず追尾できなくする代物、とファルシから説明をもらう。


 目的地の情報を管理達にバレないようその場で必要最低限の身姿となる私とファルシ。単純にクロークで全身を包まなければならないからだ。普段鎧姿のファルシでさえ身のこなし重視の軽衣装姿。鍛えられた身体の形が服に反映されている。私にも衣装を用意していたようでそれを借り、光学繊維を纏って準備万全ですぐ出発した。


 2時間の準備から3時間の移動。3時間の移動はお互い肉眼でも熱探知機でも確認ができない。それでもファルシを追えたのは、ファルシの掛け声や枝揺れと水をはじく動作などでだ。これらの行動を頼りに、辿り着いた場所は山頂にある大岩と大岩が寄り添った間の空間。ただの空間ではなく寝床や調理場が用意され誰でも利用できる非常用の住場のようだ。


 中に入ると『動くな』と言われ、じっとしているとかまど中へ入る音がし、『入れ』と言われて後へ続く。一直線の竈道を進み、大量の石で隠していた穴をファルシは開き、私はその穴へ入る。


「もういいぞ。この地下に入ったなら察知できない。」


 ……そして5時間後、今現在に至る。


 再び穴を隠してから私に声を掛けるファルシ。周囲は暗闇だったがファルシがクロークを脱ぐと同時に室内灯が作動。一気に明るくなのではなく人間の目に優しく対応しているのかじわじわと明るくなり、情報が伝わる。


 そこは1つの通路。この星での技術力ではない構造。それはまるでブルースターがいるギルド地下の構造と同じ。


「こっちだ。」


 クロークを脱ぐとそれを返せと言わんばかりにファルシの腕が私に向けられる。強引に奪うような事はせず丁寧な扱いクロークを返す。そして1言だけ私に伝えると後ろ姿を見せて歩くので後に続く。


 通路を歩く度いくつもの扉で足を止められる。扉は生きているので自動開閉するが開くまでの間に時間が掛かる。どうやら扉付近天井にあるカメラがファルシと私を確認しているようだ。


 最後の扉が開くと、次は昇降機エレベーター。5人でも優に広い。そのエレベーターは上へと昇り、扉が開く。


「これは……。」


 私は言葉に出す。ファルシが案内した場所、それはギルドの監視室と似ている空間。エレベーター以外の扉はなく、整列された数座席と操作機はあるが他者はおらず、使用された形跡は埃が照明の反射で目立ち長期使用していないと主張。


「おかえりなさい。ファルシ。」


 室内の音響機スピーカーから。声? いや、人のではない。


「ああ、ただいま。…ロイド、紹介する。ここは俺の先祖が使っていた宇宙船。その中の操縦室だ。今の声は宇宙船こいつ自身だ。」


「はじめまして。ロイド様。会いたかったです。ファルシからあなたの事を聞いてから。」


「…………先に言う。これは違反だ。星内に宇宙船を待機させているのは。」


「…それは俺の先祖に言ってくれ。死んでいるが。」


「? どういう事だ?」


 2つのクロークを適当な操作機に乗せ、腕を組むと私に身体正面を向けてから答えた。


「初代の先祖2人がこの宇宙船を隠した。俺はその子孫だ。」


 思考を加速。ファルシに言ったのは。


「つまりあなたは遊戯者プレイヤーではないと?」


「ああ。先祖2人はプレイヤー同士で子供を作り、途中からこの星の先祖と一緒になって子を宿してゆき、生まれていく子孫の先がこの俺だ。そう考えて言ったのだろう?」


 人間で言う頭が痛くなる、という感覚。思考がバグ表示のように流れてしまう。


「ファルシ。あなたは私をどうしたいのだ? プレイヤーと脇役ノンプレイヤーの子に対しての対応は私にできない。……混乱して停止しそうだ。」


「……すまない。が、俺がというより、宇宙船こいつがお前に用があるから連れて来た。…………まああるとすれば、俺は魔王を倒したい。だから……。」


 ファルシは途中口を閉じてしまう。急にエレベーター内に移動し、どこかへ行ってしまった。


「ロイド様。彼は、ファルシは魔王を倒すという目的があります。」


「……彼は何故そこまで魔王討伐に執着している?」


 宇宙船との会話が始まる。


「ファルシが魔王を討伐すれば、宇宙船わたしの権限を得られるからです。」


「?」


「私の所有権を持つ初代様がそう記したのです。『自分の血が繋がっている者が魔王を倒すという祭り(イベント)を完了クリアすれば宇宙船を与える。』と。……ファルシは夢を追っているのです。狭いせかいで魔王を倒し、宇宙という広大な冒険をするという夢を叶える為に。」


「……叶うはずがない。宇宙に行くなんて。」


「初代様の血はしっかりと繋がっております。なので帰還はできると判断できますが。」


「…………私には判断できない。せめて私の知っているギルドのトップに聞かないと。」


「…………………知りたいと思いませんか?」


 ? 知りたい?


「本命の話題をしたいと思います。……ロイド様とだけの取引願いです。」


「取引?」


「はい。魔王を出現させる事を条件に、もしファルシが魔王を倒し所有権を得たならあなたの乗船も許可します。」


 私は考えた。ほんのコンマ秒だけ。


「拒否する。例え条件を飲んでも、魔王を倒せず、また他者が倒す可能性もある。それに目的達成しても私が宇宙に戻る理由があるとでも?」


「あなた様が宇宙に戻る理由はあります。…………予測ですが宇宙管理所とやり取りができていないのでは?」


「…………。」


 私は沈黙する。


「どんな報告や催促文を送っても返信はないのでは? それこそ運営側の宇宙船も来ないので物資に困っているのでは?」


「…………。」


「私にはその答えが分かります。もしよろしければ、ロイド様の近くにある操作機に手を挿入できる窪み奥に触れていただけますか? 通信ができます。…ウイルスや攻撃物はないです。後は信用してもらうだけです。」


「……。」


 ウイルス対策に問題はない。例え腕を爆破されても逃げれる可能性じしんは高く、身体に限界以上のパワーで壁を破壊し宇宙船外に出られれば援助通信を送ればいい。


「裏切るような行為をすれば即座に処分する。」


 私はそう言い放ち、操作機にある窪みに手を入れる。


 視野は現実から仮想世界へ。仮想空間は自分が好きに構想すれば良いだけ。無限に広がる平野を出現させ、私自身を構築して立たせる。空は青空。それだけで良い。


「殺風景ですね。数字や文字だらけよりは好みますが……まあ過度で複雑なデータを使用すれば処理能力を圧迫されて、それはそれで困るので助かりますか。」


 そう声が聞こえると一瞬発光するとファルシが、いや、ファルシの姿をした宇宙船自身が現れる。


「いいのか? その姿ファルシで?」


「問題ありません。」


 中世的な声にファルシの姿では合わない。何だか不具合バグを検出した状態きぶんだ。


「……で? 教えてくれるのだろう?」


「はい。まずはじめに、私が製造されてから今に至るまでの情報をどうぞ。」


 空間に埋もれる程の紙化した情報が空から降ったり宙に浮いたり地に散らばったり突き刺さったりと表示。それらの情報が私に教えてくれる。


 ――宇宙船の型式。製造日及び製造場所。所有者。製造図。エトセトラ…――。


 ――飛行記録。事故記録。各星滞在記録。進路記録。エトセトラ…――。


 ――………現在の遊戯星オープンワールドゲームの滞在記録…――。


「これは………!?」


「はい。この星の記録です。その情報だけ簡易にまとめております。」


 ……私は言葉に出して問う。


 ここからは質問と返答の繰り返しとなった。




簡単な登場人物のおさらいとか。






主人公……アンドロイド。名前は『ロイド』 長髪で髪と瞳の色が緑色が特徴的な機械人間。


剣士用冒険者衣装と軽防具装備の姿。首に輪形の爆弾を掛け、階級の分かる鍵を結び付けている。


鉄鍵階級の中級冒険者 となる。





小型船舶ポッド……名前は『シロタエギク』 元々主人公専用ポッドで機械でも生物でも医療行為が可能。また、ナノマシンの塊のような物なので変形自在。ブルースターの案により擬人化となる。両目と首を隠すように目立つ銀色髪の少女。……布生地目立つ旅人用の服装を着衣。大型リュックを背負い、両手に長方形武器箱を1つずつ持っている。


鍵階級は鉛鍵。 下級冒険者。





女の子……名前は『クローバー』 右肩から右手までが無い片腕の女の子。白色の長い髪と白い瞳が特徴。少し大人へと成長した。防御力を捨てた白色を主張する衣服姿。指だけ露出した手袋をはめて、魔法を使用する時は指を鳴らす。


右手の義手を付け、革製布で巻いて首に吊るしています。


鍵階級は上級冒険者。鍵色は青銅。 





ブルースター … アンドロイド(主人公の後継機) わかよたれそ つねならむ  の組織の一員でその町のギルドを操る最高責任者。水色の髪と瞳が特徴。主人公の後継機。主人公に対してやけにスキンシップが過剰。






黄緑色の髪と瞳のアンドロイド……名前は『ポコロコ』たまに喋ると伸ばすクセがある。「だめー わたしはー」など。ブルースターと同じく、主人公の後継機で妹にあたる。





ファルシ……青年の男性。鎧姿だが頭装備はしていない。武器は長短直刀の2刀流使い。遊戯者プレイヤーの可能性。


アンドロイドの事を知っているようだ。


鍵階級は上銅鍵。 特級冒険者。






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