報告書2つめ 女の子。
この物語は以前書いたものを簡略して再び書き始めたものです。
――強制停止から5分経過。稼働時間は残り1時間20分11秒。……警告。適正な電気量で充電を要請。異常ある電気充電だったため少量だけ確保。…………再起動します――
私は瞼を開く。すぐさま様子を確認。
「あっ!」
私の前に小汚い布1枚を覆っている女の子。魔法陣で私に害なした子だ。身体がビクビクッっと驚いている。少ししてから、女の子の左手が私のお腹に触れる。段々顔にまで触れてゆき、手が離れるといつの間にか涙を流し、自分の顔を手の甲で拭いた。
「ご、……ご、……ごめんなさいっ!」
女の子は殺意あった時の顔とは違い、私の為になのか泣き始め、わんわん泣く途中で私に抱き付いてきた。
「問題ありません。落ち着いてください。」
……私は1つ違和感を覚える。女の子の背中を優しくなだめ、両手も優しく握ようとしたら、右手がない。正確には肩から指先までがないのだ。
「こ、これはっ! ……その……ぅっうぅ…ズスッ………。」
手の事に気づかれたのが嫌だったらしく、咄嗟に私から身を放し、くるっと背中と1枚の布で隠すように身を小さくするだけして、そしてまた泣いてしまった。
――稼働時間。残り43分33秒――
「…………。お嬢様。お願いがあります。私にさっきの魔法、……電気魔法をもう1度お願いできますか?」
「??? えっ? なんで?」
女の子が泣き止んで落ち着いてから、お願いをする。
「それは―――……」
「………ケホッ、ケホッ。」
女の子の咳。原因は分かっている。この屋敷にも火を着けられたのだ。
「……ここは危険です。逃げましょう。」
「…………助けてくれるの?」
「はい。走れますか?」
「……あたし、目が見えないんです。」
言葉までも何かに諦めたような、女の子の様子。
「大丈夫ですよ。それならこうしましょう。」
――私は女の子を連れて、まずは地下部屋から出る。
女の子は十字架、つまり小型船舶の中に入れた。
――残り稼働時間39分59秒――
「見つけたぞ! 女がいたぞ!!」
地下から通路へ。通路から近くに窓を体当たって脱出し外へ。外へ身体を表すと男に目撃される。
私は足を止めずにひたすら男達を無視して走る。途中に狭い場所もあって対峙する事もあるが十字架に変形している小型船舶を盾にし、相手を怪我させない程の威力で体当たりして突き進む。
――残り稼働時間24分17秒――
村出入り口付近まで駆けての残り稼働時間。
村から出て、私はそこから両脚に電力を送る。片足、片足と地面を蹴る度に私は空を飛ぶように長飛距離に移動。村からずっと遠く離れ、途中から誰にも見られないよう身と足跡を残さないよう走る、枝を掴んで飛ぶ、川をまたぐ、岩を足場にして走り飛ぶ。
出し惜しみなく電力を使用。
――残り稼働時間2分00秒――
私が……、いや、女の子が無事だと思える場所までと駆け、そして到着。
そこは私が最初に目覚めた場所。着陸した場所。
私は十字架の扉を開く。
「大丈夫ですか? どこか具合悪い所とかありますか?」
「……ちょっと気持ち悪い、かな?」
「申し訳ございません。配慮が足らず。」
「ううん? 謝らないで。助かったし。」
――残り稼働時間0分59秒――
「……お願いがあります。私に電気の魔法を与えてください。……できれば威力は弱めで。」
女の子は不思議した表情だ。
「なんで? どういう事?」
もっともな事だがこの世界で私が機械人間だと知られてはいけない。
――残り稼働時間0分25秒――
「……お願いです。私の、お願いを聞いて、ください。」
――残り稼働時間0分0秒――
――強制停止します。予備電力に移行。――
予備電力は3日間だけ持たされる起動前電力。これも無くなると私という人格含めたデータは空白化し、人間で言う死と同じものとなる。
私は、どうなる、だろ…う。
読んでいただきありがとうございます。
次話から以前投稿してなかったので初めてとなります。




