報告書13つめ 暗闇の中で。
「あたし、ロイド姉さんの為に頑張るから!」
クローバーと名付けた女の子は片腕でブンブンと手を振る。私は「ありがとうございます。」と一言。
この出来事は15分前――。
私は機械人間に案内されるまま歩き深い深い地下へ。
照明物はないので暗視機能で歩き続ける。迷路に似た屋内だが向かう先が分かれば一方通行。目的部屋は私を治療してくれる設備が存在している。
『御姉様。それでは開始します。』
部屋に到着すると同時にブルースターが通信で指示する。
――そして今現在に至る。
密閉容器に入り、私は横になる。蛇のような触手形状の治療機械が四方八方現れ、背中数ヵ所に針が刺され、外部の刺激を感知。その影響で体の機能が停止。やがて内臓機能も停止となる。
『どうですか御姉様? 痛覚する部分や情報欠損部分の苦しみなどありますか?』
『いや、ない。続けてくれ。』
『はい。これより型式――――、クローバー機械人間の修繕作業を行います。肉類部品、骨類部品を解体。内臓部品も同等に解体。電脳と神経回路、黒箱は摘出次第厳重管理補完及び修復と修改。…………予定時間は……――。………。』
ブルースターの作業説明が延々と続く。視界も停止しているので暗闇の中で彼女の声だけが今の私に起動していると教えてくれる。
皮が剥がされ、肉を削がれ、骨部位を解体され、内臓部を分解。それぞれ丁寧に彼女は伝えてくる。そして難なく私の電脳と黒箱は別容器に無事移されたようだ。
『御姉様。気分は?』
『良好と思う。』
『それなら安心ですわ。何かありましたらお伝えください。私も御姉様に伝える事がありましたらご報告致します。』
それからというもの。組合最高責任者のブルースターはほぼ毎日私に通信を掛けてくる。天気の状況。冒険者達の成功談や失敗談。時には任務の相談。
仕事の通信の他に、……いや、主に自分の事をとにかく話すのが多い。趣味は人間様が奏でる音楽を聴く事や、人間様が演じている映像鑑賞。愛を題目にした作品が中心。隙あらば御姉様御姉様御姉様御姉様………いや、何故だか悪寒感知したので止めとく。
『他報告としてましては、御姉様の名前の子、クローバーについてですわ。』
クローバーの報告時は少し不機嫌なような通信になるブルースター。だがしっかりと伝えてくれる。
クローバーはポコロコ自身やその部下の手ほどきで無事冒険者となったようだ。階級は見習い。
戦闘となる基礎を徹底的に学び、最低限の体力作りが完了するまで4ヶ月間。上級冒険者の支援やお仕えで目で学ぶ事を5ヶ月間。最終試験までに修行で2ヶ月間。ポコロコ達の鬼教育とクローバー本人の努力と根性のおかげで試験を合格したらしい。
見習い同士、相性や気の合う者同士で仲間を作り冒険をするらしいが、片腕のクローバーを入れようとする者達は中々いなかったらしい。
クローバーは投げずに1人で可能な任務を受けて数多く達成していたとの事。達成度が高ければ、高い信用を得られる為、ようやく彼女の評価を買って招いた者達が現れた。
任務失敗数が増えたりはしたものの、常に背伸びした難易度に挑戦し達成。その度にポコロコに吉報していると。
そうしてクローバーは見習いから冒険者下級となり、中級、そして上級となったのは見習いから2年後との事。
『――――…………と、今日の報告は以上です。』
『ありがとうブルースター。』
『まあ。名前を呼んでくれるなんて今日も嬉しいですわ。』
すっかりブルースターとは仲の良い姉妹となってしまった。話し相手が彼女しかいないというのもある。だが……。
『それでは御姉様。予定通り、完全修復した体に御姉様の電脳を組み入れるので。30分後、目覚めたらお会いしましょう。』
機械人間にとっては短い3年。私の事を待っている人間には長い3年。私は復活する。
簡単な登場人物のおさらいとか。
主人公……アンドロイド。名前は『ロイド』 長髪で髪と瞳の色が緑色が特徴的な機械人間。革製のズボンとジャケットとレオタード装備中。
小型船舶……主人公が宇宙から星内まで乗っていた乗物。今は十字架に変形中。主人公の充電器なったり手術できる設備もなり、主人公も人間生物も手術やメンテナンス可能。
現在ブルースターのギルドで保管中。
女の子……名前は『クローバー』 右肩から右手までが無い片腕の女の子。髪は白色の短めの耳を隠せる程長さ。瞳は白く濁っている目。
ブルースター … アンドロイド(主人公の後継機) わかよたれそ つねならむ の組織の一員でその町のギルドを操る最高責任者。
黄緑色の髪と瞳をアンドロイド……名前は『ポコロコ』主人公を拘束という理由でギルドに連行する。たまに喋ると伸ばすクセがある。「だめー わたしはー」など。ブルースターと同じく、主人公の後継機で妹にあたる。




