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ギルティなギルロッテ様  作者: 月迎 百
ギルティなギルロッテ様
6/34

6 捜査終了!

よろしくお願いします。

「そのコゼットとやらは今どこに?」

 副局長が支配人に聞いた。


「……舞台に立っています」

「女優か……」


 ルーベルトが呟いた。

「すれ違ったのは上演前、犯行後の姿だったんだろう。

 その後、劇場内で着替えてしまえば……」


 リアーナがその呟きに付け足す。

「そうですね。

 でも、ひとりでは無理です。

 先ほど盗まれたドレスの仕様をリストで見ましたが、着脱はひとりでは無理ですね。

 誰か手伝う人間がいたのでしょう。

 黒いドレスとウィッグは、まだ劇場内でしょう。

 もしかしたら……、まだ気づかれてないと判断したら、倉庫に戻しに来るかもしれません……」


 リアーナの言葉にマイヤー副局長が頷き、倉庫番の女性に話しかけ、隊員をひとり、ブラックドレスのクローゼットが見える場所に潜ませた。


 黒いドレスの女性の目撃情報が最後に途絶えた通用口近くに行ってみる。


「この通用口は俳優や劇場の関係者が出入りする時に使うのですか?」

「はい……、すぐそこが……、俳優の楽屋になります」

 心ここにあらずといった様子で支配人が答えた。


「楽屋か……。

 通用口を出るとどこに?」

 リアーナが支配人に直接聞く。

「車や馬車の待機場所です」

「車なら、その場に停車しておける?

 コゼット嬢と付き人は、何で、いつ劇場に?」

「……ふたりとも私の車でここに来て、通用口を通り楽屋に……」

「その車はあなたが管理していて、コゼット嬢は勝手に開けたり乗ったりはできない?」

「はい、できないと思います。

 管理人もいますし、他のお客様の車には運転手付きのものもありますし……」


 副局長が目配せして、隊員がひとり停車場の方に確認に向かって行った。


「最後にもうひとつ。

 コゼット嬢は個室の楽屋をお使いですか?」

「……はい、個室の楽屋を使っています」

「そうですか。

 ありがとうございます。

 それではみなさん、舞台が終わるまで待ちましょう」


 リアーナの言葉にエドワードが驚いて言い返す。

「なんで?!」


「……コゼット嬢と付き人はまだ、ここまでばれていることを知らないでしょう。

 このまま終演を迎え、衣裳倉庫にドレスとウィッグをこっそり戻すはずです。

 その現場を押さえた方がいいでしょう。

 劇場としても、そのほうが騒ぎになりませんよね?

 万一のために、通用口だけ見張りをお願いします」


 リアーナはボックス席に戻り、ルーベルトとエドワードは通用口の外で楽屋への廊下を見渡せる位置に潜んでいた。


 支配人は副局長と一緒に支配人室へ。

 劇場の警備の者と治安警備局の隊員はそれぞれの持ち場に戻った。


 やがて終演。


 客は満足気な顔で次々と劇場を後にしていき、だんだんと劇場内が静かになっていく……。


 ルーベルトとエドワードは楽屋から出てきたらしい女優のひとりと付き人が大きな衣装袋を持ち、通用口ではなく衣装倉庫の方に向かって行くのを見た。


 支配人に見せてもらったコゼットの写真で確認できている。

 間違いない。

 ゆっくりと後をつけていく。

読んで下さり、ありがとうございます。

これからもどうぞよろしくお願いします。

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