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ギルティなギルロッテ様  作者: 月迎 百
過去の罪とこれからの私達
30/34

30 新公爵家誕生

異世界ですが魔法はなく、何となく文化的な発展度とかイギリスのヴィクトリア時代後期をイメージして書いています。

恋愛&ちょこっとミステリーな話になりました。(もう完結まで書き終えてます)

最後までお付き合いいただけたらうれしいです。

どうぞよろしくお願いします。

 エドワードはカッシーナ公爵とシャルロッテと一緒に、父である国王陛下と話をし、無事に王室から籍を抜くことを了承された。

 あと半年の期限だったが、少しでも早く籍を抜き、ミンツ子爵令息としてリアーナと結婚するためだ。

 やはり、後5カ月ぐらい待てと話を断られそうになったが、シャルロッテが話し出すと陛下の顔色が変わった。


「エドワード様は6歳で第1王子となりましたけど、ジェームズ様の10歳という数字はどこから?

 それから、エドワードのお母様のことですが、第2王子でいらした陛下と亡くなった第1王子と、本当はどちらと仲が良かったのでしょう?

 昔の写真を見ましたが……、ワイズ男爵令嬢は今どこで何をされているかご存じですか?」


 エドワードは戸惑って、シャルロッテを見た。

「俺の母は今はグリース公国にいるけど……、それが?」

「そうね。

 エリザ・ミンツ子爵令嬢ですものね」

 にこっと微笑むシャルロッテ。

「ワイズ男爵令嬢?

 あ、伯父が死んだ時の?」

 エドワードが呟く。

 

 陛下が慌ててカッシーナ公爵に「そうだな。ジェームズの祝いの前にエドワードは臣下に封じた方がやりやすいか……」と言った。

 カッシーナ公爵は頷いた。

「そうですね。その方がよろしいかと」


 エドワードは驚いて陛下を見る。

「いいのか!

 ……なんで、今まで全然、話を聞いてくれなかったのに、急に……」


「エドワード、今までのろうねぎらいたい。

 王家直轄の地を分けて公爵家を新たに創設したいと思う。

 どうだろうか?」

「公爵なんて………。

 カッシーナのおじさんと同じになるなあ。

 大変そう……」

「エドワード、貰えるものは貰っておけ」

 カッシーナ公爵が陛下の前とは思えぬ発言をする。


「……わかった。

 なら、そうする」

「カッシーナ公爵、後で候補地リストを届けさせる。

 エドワードと一緒に考えてやってくれ。

 頼んだ」

「わかりました。お任せを」


「それにしても……、この子がルーベルトの嫁になる……」

 シャルロッテを怖そうに見て陛下が言う。


「はい、シャルロッテ・ヒューバートです。

 ヒューバート伯爵の一人娘ですよ」

 カッシーナ公爵が再度、紹介してくれる。


「あ、あの噂の『ギルロッテ』か?

 黒衣ばかり着ているのではないのか?」

「ふふふ、今日は威圧感を与えぬようにブラックドレスはやめました。

 本当は、着たかったのですけどね」

 シャルロッテの言葉にエドワードが怪訝そうな顔をする。


「ああ、見事な作戦だな。

 騙された。

 して、先ほどの話……」

「はい、私ともうひとり、気がついている者がいました。

 しかし、その者は私がすでに説得し仲間にしましたので、大丈夫です。

 でも、これから気がつく者も出てこないとは限りません。

 もう少し過去の痕跡について気を配るべきだと思いますが……」

「ああ、わかった。

 それにしても、君は、何故、気がついたんだ?!」


「話したら、気づく者がこの場で増えましてよ?」

「ああ、わかった。

 ヒューバート伯爵家だったな」

「はい、ヒューバート伯爵家の……、母の名はヴィクトリアです」

「!! ヴィクトリア?!」

「はい、母のことも……、陛下は知っていますよね……」

「……すまない。

 あれは噂だと、真実ではないと、私はわかっていた……」


「……義理の父になる予定のカッシーナ公爵にはお話ししましたので、そちらから聞いていただければ……」

「ああ、わかった」


 陛下との話し合いを終えエドワードとシャルロッテだけ部屋から出た。


「……とりあえず、礼を言うべきなのか?

 なにか、とんでもないことが起きている気がするが、シャルロッテは大丈夫か?」

「ええ、大丈夫です」

「何か、父を脅かしていたようだが?」

「ええ、脅しました。

 ふふ、『ギルティなギルロッテ様』の名が役に立ちましたわ。

 王子をやめられて良かったですね!

 これでリアーナと結婚できます!」

「あ、ああ、そうだけど……。

 一体、王家の何の秘密を握ったんだ?!」

「教えません」

「あともうひとりって誰?」

「それも教えません」



 エドワードが選んだ領地はヒューバート伯爵領の隣の地であった。

 湖や山が多い地域であり、人口は少なく税収もそこまで見込めない。

「ここでいいのか?」と陛下に何度も確認されたとエドワードが笑って話している。


 その湖は珍しく蓮が自生しており、それがエドワードは気に入ったのだそう。


「辺境伯爵領にも似ている雰囲気で、自然が多く残っている割に交通の便も悪くない。

 汽車で1日。

 しかもヒューバート伯爵家と隣だし、このちょうど中間にある鉱山を共同で開発できたらと思う。

 どうだろう?」

 

 シャルロッテは頷いた。

「ええ、鉱山開発はやってみたい事業でしたので、エドワードが一緒なら心強いです!

 で、公爵家の名前は決めましたの?」

「ああ、いろいろ考えたんだけど、蓮にちなんで『ロータス』というのはどうだろう?」

「『ロータス』、うん、きれいな響きですね。

 いいと思います。リアーナは?」

「はい、蓮の花は好きな花なのでうれしいです。

 でも、私に……、いきなり公爵家だなんて……、務まるのかしら………」


 不安気なリアーナにシャルロッテは笑いかけた。

「大丈夫、あなたとエドワードなら!

 それに公爵家といっても、これから創るんですもの。

 しがらみやしきたりや伝統といったものはないのだから、気楽にやれるんじゃない?」

読んで下さりありがとうございます。

後、4話で完結。

ちょうど全体をさっと見通せるちょうどいい長さの話になったかなと思います。

(前作が長すぎて、伏線を張ったのを戻って確認するのがとても大変でした……)

ブックマーク、ありがとうございます!

完結したらでよいので、評価や感想をどうぞよろしくお願いします。

自分では、まあまあ恋愛&ミステリー物になってるかな? と思いつつ、読者様から見たらどうなんだろ? と、とても気になっています。

どうぞよろしくお願いします。

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