22 謝罪と許し
異世界ですが魔法はなく、何となくイギリスのヴィクトリア時代後期の世界観で書いています。
恋愛&ちょこっとミステリーな話になればいいなと思います。
お付き合いいただけたらうれしいです。
どうぞよろしくお願いします。
ロバートがルーベルトとシャルロッテの所に来ると「君のメイドが倒れて屋敷で休んでいる」と言った。
「リアが?!」
シャルロッテが驚いてロバートの腕を掴んだ。
「無事なんでしょうね!!」
「ああ」
ロバートはそのままシャルロッテの手を掴むと屋敷の方へ連れて行こうとする。
ルーベルトが慌てて追ってくる。
「放して!」
シャルロッテが何かおかしいと勘づいて立ち止まった。
そこへリアーナが小走りでやってくる。
「お嬢様?!」
「リア?!」
ロバートが舌打ちをしてシャルロッテを解放する。
そこにエドワードとマイヤー副局長も合流。
「リア!! 無事だったんだな!」
エドワードがリアーナを抱きしめる。
「な、な、エドワード様っ! やめて下さいっ!」
リアーナは真っ赤になって抵抗し、シャルロッテがエドワードに詰め寄りリアーナを取り戻す。
「落ち着いて下さい!
ここはお茶会の会場ですよ!」
そんな騒ぎの中をロバートがこっそり抜けようとしていてマイヤーに捕まる。
周囲の人だかりにエドワードも気がつき「すまん……」とシャルロッテとリアーナに謝った。
そこにトーマスとアンドリューが来て「屋敷の方でちょっとした手違いがありまして、お騒がせしました」と周囲に謝ってくれ「みなさんで屋敷の方へ」と小さな声で言った。
エドワードが「信用できない。帰る!」と言うが「説明と謝罪をさせて欲しい」というトーマスにルーベルトとシャルロッテが頷いたので渋々リアーナと一緒について行く。
マイヤーもロバートを連れてついて行く。
客間に全員揃うとトーマスが切り出した。
「今日のことは本当に申し訳ない!!
弟と妹達には何もするなと言っていたんだが……。
本当に申し訳ない!」
「リアが消えたのは……」
シャルロッテの言葉にエミリアが答えた。
「うちのメイドにこのメイドを屋敷の方へ連れ出すように命じたのよ。
ロバート兄様があなた達の注意を引いているうちにうまく誘い出せたけど……。
エドワード様をひとりにして、そのメイドを餌に屋敷に誘いこむはずが、ふたり組で行動するとは想定外」
ロザリーが続ける。
「そこでそのメイドを捕まえておこうとなったんだけど…。
逃げられるし……。
でも、姉様、あれはひどいわ。
熱湯のポットを彼女に投げつけたのはひどい。
当たったら大怪我どころか大火傷よ……。
あれは謝らないと!」
「何言ってるのよ!
ロザリーの方でしょ?!」
「えっ?」
リアーナが言った。
「ポットを投げたのはエミリア様の方です。
私がおふたりの名前を出さなかったこと……」
「メイドだからでしょ?
言えないわよね、メイドなら」
エミリアが面倒くさそうに言う。
「ええ、穏便に済ませられるならと思いましたが、私以外にエドワード様やお嬢様にまで!!
それなら何度でも言ってやる!
私を襲ってきたのはそこにいるエミリア様とロザリー様です!!」
トーマスがメイドのリアーナに謝ってくれる。
「すまない……。
それで、メイドを捕まえ損ねたふたりはエドワードを屋敷に連れ込んで……、どうするつもりだったんだ?」
「……まあ、客間で男女ふたりっきりでいたという事実を作ろうと……」
エミリアの言葉にさらに項垂れるトーマス。
「本当に申し訳ない……。
それもうまくいかず、アンドリューがメイドを送って行こうとして玄関までで帰ってきたことで、エドワードと私の話が途中になり……。
その間にロバートはシャルロッテ嬢とルーベルトに何かしようとしていたのだろう?」
「……屋敷に連れ込んで、婚約を解消させる話をしようと……。
ところがその前にメイドもエドワードも戻って来てしまい……」
「あんな騒ぎに……か。
本当に申し訳ない!!」
トーマスが真剣に謝ってくれているのが伝わり、リアーナとエドワードは顔を見合わせ頷いた。
「まあ、何事もなかったからいいけど……。
リアにはちゃんと謝って欲しい。
熱湯のポットを投げつけるとは……」
エドワードの言葉にエミリアがリアーナに謝罪する。
「あなたが逃げようとしたから、カッとなって……。
ええ、もしあなたに当たっていたりお湯を被ったりしたら、大変な事になっていたわ……。
ごめんなさい……」
「リアーナ、いいのか、訴えなくて?」
マイヤー副局長が聞いてくれるが、リアーナはシャルロッテを見て頷くと「はい、今回は怪我をしてませんし」と言った。
「それなら今回のことは目を瞑りますが……。
これ以上、ルーベルトとシャルロッテ嬢の婚約について何か変な噂や妨害行為が見られた場合、今回のことを公にして調査することがあると肝に銘じて頂きたい」
マイヤー副局長の厳しい言葉の重みをトーマスとロバートは噛みしめた様子だった。
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