入学式
こんな入学式なら良かったなぁ〜と感じているDKです。
1人きり。
入学式なら誰でもそうだ。
最初は1人であるが、そこからだんだんと友達が出来ていく。
実の所、その時出てくるのは人間関係だ。
ドロドロとしていたり、あっさりしていたりグループによって独自の社会を築いている。
僕、荒志麻 庄司はその社会に囚われるのが嫌だった。
入った途端に嫌悪感を示し、一人で生きてきた。
この1年もそうだと思っていた。
しかし、そんな想像はいとも簡単に崩れる。
「ねぇ、君って小説好きなの?」
いかにも単純な質問。だが、それが僕にとっては輝いて見えた。
純水のような混じりっけのない瞳で僕を見てくる少女。
本当の純粋な人間に出会ったと思った。
これでも人を見る目には少なからずの自信がある。スポーツのスカウトのように鋭くは無いが。
「おーい」
僕の目の前で手をパタパタさせて再度質問をする少女。
自分の世界から帰ってきた僕は慌てた様子で言う。
「あ、ご、ごめん。それでなんで僕が小説好きだと思ったの?」
それを聞いた彼女は大きな目を閉じて顔を傾かせた。
「うーん、なんとなく?」
「おい、根拠を言ってくれ」
「いやぁ?ただなんとなく私の勘がそう言ってたから。」
「まぁ、確かに小説は好きだしよく読むけど、、、」
「あ、やっぱり?!やりぃ!予感的中!」
彼女は小さくガッツポーズを取る。
「ちなみに聞くけど的中率どんくらい?」
「、、、」
彼女は押し黙った。
そして、頬に小粒の汗を浮かばせ言った。
「これで初めて」
「なんか、自分が恥ずかしい」
「なんで?!」
「いんや、僕がこんなやってる事が脳筋みたいな人の勘を当ててしまうような人間だったって事に」
「ひっどい」
ジト目でこっちを見るがそんな事僕にはどうでもいい事だ。
そして、間もなく入学式が始まる時、彼女は僕に二カーッと笑って囁いた。
「これからよろしくね?暇人くぅーん」
やや心臓が早くなったような気がしたが気の所為として片付けぶっきらぼうに僕は言った。
「差別やめい」
死にたいなら、その想いをぶつけよう。さすれば多少楽になりますよ。多少ですが。どこに需要があってこれを書いてんだか。