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不注意で、生まれ変わりました。  作者: 水無月ツクナ
序章 生まれ変わるまでには色々と・・・。
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序章5 初めまして、異世界

 頭を上げてしばらくすると、私の体がスッと軽くなり消えていった。


 そして、気付いたら綺麗な女性と少し筋肉質な男性が目の前に現れた。


「ようこそ。私の世界へ。

 ごめんなさいね。私の部下が悪ふざけしちゃって・・・。」


 綺麗な女性は微笑みながら、私の両手を握った。


「・・・。

 い、イエ、どんでもございません。

 私・・・いえ、前の世界の神様も悪かったので謝られましても。」


 ヲイ・・・。

 何、丁寧な口調でしかも、さっきとかなり態度が違うんじゃないのか・・・。

(だって、美人さんだもん・・・。

 しかも、メッチャ優しいそうで、オーラも違う。

 それに、隣の男性もキリッとして中々の美形!)



「なんて、優しい子なの。

 立ち話もなんだからあちらで詳しくお話をさせてね。」

「あ、はい。

 よろしくお願いします。」




 簡素であるが、上質なテーブルと三つの椅子があり、その上にはちょっとした花を生けられている花瓶と3人分のお茶が置いてあった。


 しかも、お茶と言って男性がわざわざ立ち、紅茶らしい飲み物を入れてくれた。

 男性が再び、席に座った所で女性は微笑みながら、話し始めた。



「私は、この世界の主神をさせていただている女神、ルージア。

 そして、隣にいるのが私の補佐をしてもらっているセルトよ。」

 すると、隣に座っていた男性、セルトさんが頭を下げた。

「私は、この世界の神々をまとめ役で女神、ルージア様の相談役の神、セルトだ。」


(おぉ・・・。

 前の自称神様と違って、ちゃんとしてる・・・。

 あのじいさんは、なんて言うかどこにでもいるおじいさんって感じだったからな・・・。

 親しみやすいけど・・・神っぽくなかった・・・。

 でも、この二人は立ち居振る舞いからしてちゃんとしてるし、なんか神々しさがある・・・。

 しかも、背後から光ってるような感じだったし・・・。)


 サラッと、神様相手に酷い事を思っているようだが、人を見る・・・神を見る目はあるようだ。


「私の世界の戦神がふざけて、アナタのような子の命を奪ってしまった事には申し訳ない事をしたわ。

 あの戦神にはしっかりとお説教をして、反省させてわ。

 もちろん、ちゃんとお仕置きもしたわ。」


 今度は女神さまと、その隣にいた神さまも一緒に頭を下げてくれた。

 しかも、最後の方はちょっと女性の背後に怖い何かが見え隠れしていた。


「いえいえ。

 そんな改まって謝罪されて困ります。


 その、終わってしまった事はどうしようもないので・・・。」


「まぁまぁ、やっぱり良い子だわ。

 どうしましょう。

 この子の事が気に入っちゃったわ。ウフフ・・・



 で、そうね、

 そろそろ本題に入ろうかしら。


 前の神に言われたと思ったけど、私の世界はそちらの世界とは少し異なるわ。


 剣や魔法、冒険の世界。怖い魔獣だったり、美しい魔獣もいるの。

 まぁ、普通に農民だったり商人だったり、一般人も多数いるんだけどね。


 あなたは元の世界に身体を置いてきちゃったから、転移はもう無理ね。

 だから、転生って事になっちゃうわ。


 と言っても、また赤ん坊からはさすがに嫌よね・・・。

 あ、別に赤ん坊からでも構わないのよ。

 どっかの王族とか権力者、そうね。種族も色々あるから、人間族じゃなくても良いわね。」


 女神さまは嬉しそうに一人で話を始めていく。

 あそこの国はそこそこ安全だとか、あちらとこちらの国では戦争を始めそうとか、あっちは治安が悪いとか・・・エルフ族だとか獣人族だとか・・・。


「!!

 獣人族・・・。

 あの獣人族ですか!!

 全身毛玉の獣人族ですか!!

 モフモフの獣人族ですか!!」


 お、ここでも、神の話を遮り、私は大興奮で嬉しそうに前のめり気味に女神さまに尋ねた。

 私がルージアさまに問い詰めているようにも見えて、隣にいたセルトさまが少し驚きつつ、警戒をしていたが、それをルージアさまが片手を上げ抑えた。


「え・・・えぇ。

 確かに全身、毛に覆われてる頭に耳が生えてる獣人族よ。


 え、アナタ、獣人族になりたいの?」


「・・・。

(獣人族・・・。

 元の世界でいう犬や猫を擬人化したような感じだよな・・・。

 換毛期とか・・・毛並みの手入れとか・・・大変そうだな・・・)


 い、いえ。

 種族は、以前と同じ人間が良いと思います。

 ただ、小さい時からペットは飼っていた事がなかったのですが、その動物は好きで、あのモフモフ感が大好きだったです。」


「そう・・・。

 獣人族ではなく、人間族が良いのね。


 じゃぁ、ほんの少しだけど、獣人族やそういう魔獣に好かれやすくしておいてあげようかしら。」


「え、そんな事出来るのですか?」


「えぇ。大丈夫よ。

 アナタは生前、特に悪さとかしていなかったし、良い心の持ち主みたいだったみたいだから問題ないわ。

 それに、獣人族は人間族よりちょっと感が鋭かったりするけど、基本的に忠誠心が強くて、人懐っこいの。

 自分に危害を与えない相手には慣れるのが早いね。」


 女神、ルージアさまはちょっとお茶目っぽくウィンクしながら、私に説明をした。



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