2-14 町で噂の・・・?
今日もみんなで朝食を食べてる時に、レオンがユーリに話しかけた。
「ユーリ嬢ちゃん。今日はどこに行きたいんだ?」
「えっと・・・。昨日は行けなかった防具屋さんと、あと冒険者ギルドにも行きたい。」
「朝から元気だね。ユーリちゃん。
そんなに急いで、準備をしなくても良いんだよ。
たまにはゆっくり屋敷で過ごしても良いんだからね。」
フィリウスは楽しそうにしている二人を見ながらそれとなく言った。
「準備ってワクワクするから好きなんです。
今日中には買い出しが終わるから、明日になったらゆっくりさせて貰います。」
「そう。明日はどこにもいかないのね?
だったら、久しぶりにドレスを着て、私とお茶でも飲んでお話ししましょう。」
セシルが前のめり気味に言うと、フィリウスは「うんうん。」と頷いた。
レオンが防具屋を紹介してくれたのだ。
その防具屋ではレオンが以前、ユーリにくれた魔獣の革の鎧を買った場所だと説明してくれた。
「なんだい。レオン。
この革の鎧はライの為じゃなかったのかい?」
「おう。ライにしちゃ、あんな立派なモノはまだ早いって。
ユーリ嬢ちゃんぐらいの強さがないと勿体ないさ。」
「ほう・・・。
お前さんがそういうならその嬢ちゃんはなかなかの腕前なんだろうな・・・。
ど~れ。儂にお前さんの防具を見せてくれないか?」
レオンと防具屋の店主が話しているのを見つつ、ユーリは豆だらけの店主の手に自分の防具を渡したのだ。
「ほうほう。これはキレイに使い込まれてるようだな。
細かな傷はあるが、攻撃を受けたような傷はどこにもないようだな。
手入れもちゃんとしてある。」
「それもそうだぜ。
ユーリ嬢ちゃんはゴブリン相手でも傷一つ追わなかったし、手入れも俺とサムが教え、いつも丁寧に手入れしてたさ。」
レオンは我が子のようにユーリが褒められるのが嬉しくて自慢げに防具屋の店主に説明する。
「ほほほ・・・。
レオンがここまで気に入るなんて珍しい・・・。
それに、こうもオレが作った防具をキレイに使ってくれるなんて嬉しいじゃねぇか。
嬢ちゃん、気に入った。これをやろう。
今度から防具を手入れするときにこのワックスを使ってみろ。
輝きもするが、何より長持ちもするぞ。」
またまた店主に気に入られ、オマケのワックスを貰ったのだ。
防具屋では「手入れの方法?教えなくて今まで通りで十分だ。時間になったらまたおいで。」と言われ、みんなで外に出たのだ。
「さて、冒険者ギルドに顔出すか?
ユーリ嬢ちゃん、今日は別に依頼を受けるつもりはないんだろ?」
「うん。レオンさん。
今日はちょっとダンテさんに会いたいと思って~。」
「ダンテ?
あ~。あの薬草のおっさんかぁ・・・。
そういえば、ディオンさまの視察について行ってからここの冒険者ギルドに顔を出したか?」
「一回もない・・・。サムさんが駄目っていうから・・・。」
「ユーリさんならそのまま黙って、旅に行きそうだったからです。
意地悪で町に出さなかったわけでは・・・。
またシンはどこかに行きましたね・・・。
まぁ、あの子の事ですから、お腹が減ったら屋敷に戻るでしょう。」
「いやいや・・・。
いくらシンでも、犬や猫じゃあるまいし。
っと、冒険者ギルドに着いたぜ。」
サムは冒険者ギルドに戻る前に少し後ろを振り向きつつ、レオンたちと離れないように入って行った。
三人がギルドに入ると、近くのテーブルに座っていたおじさんたちが声をかけられ、ユーリは返事をしながら、カウンターへ走って行った。
「おはようございます。ナナさん。」
「あら、久しぶりね。ユーリちゃん。
しばらく会わない内に大きくなって、もう前みたいに背伸びしなくてもカウンターから顔を出せるようになったのね。」
ナナはユーリの頭を撫でながら言ったので、周りから笑い声が上がったのだ。
ユーリは顔を赤くして、「背伸びなんかしてなかった。」と否定するが、笑いは一向に止まらない。
周りからは「可愛かったぜ。」「なかなかの見物だったぜ。」と言われたのだ。
ナナは一通り笑い、涙目を拭いながら話した。
「今日は依頼を受けに来たんじゃないの?」
「違うよ。ダンテさんはいる?」
「ダンテさんなら、ちょっと休憩に行ってるのよ・・・。
あ、噂をすれば・・・ダンテさ~ん。
可愛いお客さんがお待ちよ。」
ナナが裏から入って来たダンテに声をかけた。
「あぁ・・・。ユーリちゃんか。
何やらギルドから笑い声が聞こえたと思ったら、こういう事か・・・。
久しぶり、八か月振りかな?
しばらく会わない内に立派になって・・・。」
ダンテはそのままカウンターの外まで出て来て、ユーリと話した。
そして、ダンテはギルドマスターのおばあさんの方を見たら、ギルドマスターが軽く頷いたのを確認すると、そのまま近くのテーブルに三人を案内した。
そして、ナナは四人分のお茶と一つだけジュースを出してくれた。
「このジュースは私特製よ。」とウィンクしてユーリにくれたのだ。
そして、またいつの間にかシンが合流していたのだ・・・。
「シンさん。どこに行ってたの?」
「秘密だ。」
と小さく呟き、黙り込んだ。
「まぁまぁ。シンは置いといて。
ユーリさん、ダンテさんに何か用事があったのではないのですか?」
ユーリはジーっとシンを見ているが、サムに声をかけられたので止めた。
ユーリは初めて会った時に言っていたディア草についてダンテに話を聞いたのだ。
ダンテは、それはもう見るからに目を輝かせてウキウキと話し始めたのだ。
なんでも、とても管理に工夫をして水の量からしっかりと観察やメモを取って、全体の長さまで毎日測り、世話をしたそうだ。
半年ほど前に小さな白い花が咲いて、とても綺麗だったみたい。
そして、その時にスケッチをどこからか出したダンテが見せてくれた。
その絵はダンテらしく花だけ大きく描かれていたり、葉っぱや根っこまで事細かく描かれていた。
そして、ついに半月ほど前に小さな芽が新たに出て来て、順調にいけば株分けにも成功する。と嬉しそうに話していた。
ダンテの話を聞いているうちに三時間ほど経っていたのだ・・・。
ユーリもサムも薬作りのため、薬草に詳しく三人で話が盛り上がっていた。
さすがのレオンが痺れを切らし、頃合いを見て話を切り上げさせたのだった。
ユーリたちはダンテとナナ、ギルドマスターなど職員たちに別れを言って、外に出たのだった。
「さぁ。薬草の話はこの辺で。
防具屋にユーリの鎧を取りに行くか。」
レオンは外に出た解放感からか腕を上げ、体を伸ばすと楽しそうに防具屋に向かうのだった。
「おう。嬢ちゃん。
鎧はすっかりキレイで仕上がってるぜ。」
防具屋の店主が袋から見えるように出してくれたら新品同様の輝きと、大きくなったユーリの体に合わせてサイズを調節してくれていたのだ。
ユーリは試しで付けてみると少し大きめではあった。特に胸のあたり・・・。
「大丈夫さ。嬢ちゃんなら、すぐにピッタリするさ。」
「そうだぜ。ユーリ嬢ちゃんならすぐに大きくなるさ。」
「(絶対、防具屋さんの言いたい事とレオンが言いたい事は一致してない・・・・。
てか、何気にセクハラじゃないか・・・このおっさん・・・。)
・・・・・・
ありがとう・・・・。」
「おう。勘定はまけとく。」
子供サイズだという事と大切に使ってくれた礼だと言って、半額以上安くしてくれたようだ。
思った以上にかなり安く上がったので、ユーリは帰り道にサラレイン家の人たちにお菓子を買って帰ったのだった。
お菓子屋に行った時に、店主から「おぉ、冒険者の姫さんじゃねぇか。」とか言われたとか・・・言われなかったとか・・・。
サブタイトルとか・・・
センスがないのはご愛嬌という事にしてください。




