1-20 王様に謁見
フィリウスの兄弟に挨拶した翌日、ユーリはセシルによるセシルの趣味満載のドレスに着替えさせられた。(今回が長髪のウィッグ付き)
これには、クロード、ライを初めとする男性陣は大きく目を開き、顔を赤くしたり顔を背けたりしていた。
ただ、セシルだけは鼻息を荒くして、ユーリの両手をブンブンと振っていたのだ。
「やっぱり!!
ユーリちゃんは長髪も良く似合うわ~。
肌が白いし、栗色の髪も綺麗。」
言い終わると一緒にセシルはユーリを抱きしめたのだった。
そして、その横からギルバードもドレスの袖を掴み、「ユーリお姉ちゃん、お姫様みたい。」
と言いながらキャッキャッしていた。
「そこで固まってる殿方なんか置いて、私たちと一緒に王宮に行っちゃいましょう。」
セシルはユーリの背を押し、馬車に早く乗るように急かすと固まっていた男性陣が「私も!」と言いながら乗り込んできたのだった。
そう。昨晩、オズワードの提案により明日、王に謁見をするのはディオンを始めてするサラレイン家と学園に入学するライだけであったが、急遽ユーリとそのお供でレオンとサムも行くことになったのだった。
シンはさり気なく黙って紛れ込んで、共に王宮へ行く。
ゼノン王の応接間はそこまで広くなく、王の座る椅子を前にソファが並びサラレイン家とライ、ユーリが座った。
ディオンが代表兼、側近の父親と言う事で挨拶と握手、当たり障りのない会話をして、そして、ユーリの紹介をした。
「ほう。
その愛ぐるしいお嬢さんはレオンが森で発見し、サラレイン家が保護していると。
・・・どんな女にも興味を示さない「氷結のオズワード」は朝から天使だのと言っていたのも頷けるなぁ・・・。
確か、息子の第二王子の婚約はまだだったな・・・。
歳も同じぐらいだな・・・。
ユーリよ。我が息子と将来結婚する気はないか?」
「「・・・ダメです。私の息子と結婚させるんです!!」」
「私と結婚するんです!」
同時にフィリウスとライ、そしてオズワードが言ったのだった。
「・・・!!!!!!!!」
その場にいた皆はオズワードを見たのだった。
そう。何を抜かすかと思いきや、オズワード(38歳)は12歳のユーリと結婚をすると言い出したのだった。
「兄上・・・。
それはどうかと思う・・・。」
「オズワードよ・・・。
いくらお前でもそれは無理があるのでは・・・。
甥と同じ歳、親子ほどの歳の差があるんだぞ・・・。」
「オズワード・・・。
いくら女性と噂が一切なかったとは言え、それは・・・・。」
「お兄さま・・・。
幼女趣味のある変態だったとは・・・・。」
思いっきり引いた上からフィリウス、ディオン、ゼノン国王、セシルは次々とオズワードを貶していく。
レオンとシン、サムはユーリをオズワードから見えないようにガードをした。
「なぁ!
私が幼児趣味があると!!
一生ユーリには手を出さない!
だが、一生私のそばに置きたい。
というぐらい可愛くて仕方がないのだ!」
(あ・・・ぁ。
オズワードさん。
言えば言うほど墓穴を掘ってる・・・。
この人・・・本当にしそうだよな・・・。)
ユーリも引いて白い目で見つめていた。
(・・・あれ?
さっき、第二王子とか言ってなかった・・・。
というか、この人たちクロードとライと結婚させる気満々じゃない?
・・・可笑しくない???)
その後、ユーリは一度もオズワードの姿を見ることなく、王への謁見は終わり、オズワードの家に帰るかと思いきや、フィリウスはサムと少し話を付け、王都で一番良い宿に行ったのだった。
そして、サムが戻ってくると荷物を宿に移す手筈を整えて帰って来たのだった。
その晩は、サラレイン家とライ、アンディーは馬車に乗って夜会へ行ったのだった。
ユーリはウィッグを取り、貴族の男の子の恰好をしてレオンとサム、シンと宿に残った。
夕飯は部屋に持ってこられ、ユーリが一人で取るはずのだったのが「一人じゃ美味しくない。」と言ったら、サムが急いで用意をして四人で食べた。
ディオンとフィリウス以外は戻って来て、遅くなるという事で子供たちは寝るようにとセシルに言われ、各自部屋に戻ったのだった。
(・・・可笑しいよね・・・。
なんで、いきなり王子との結婚話が上がった??
しかも、クロードとライとの結婚も上がって来てる・・・。
これって、異世界転生のお約束・・・
ハーレムヒロインかぁ?
・・・私、一回りも違うあの子たちと結婚させられるのか?
犯罪じゃないか??
いや、見た目が子供だから犯罪じゃないか・・・。
そういえば、戦神の加護もあるからチートフラグも回収済みだよな・・・。
・・・・目立つ生き方しか無くないか??
生前、モブとして生きてきた私が???)
ユーリは一人でベッドに座りながら考え込んでいたら、リュウがすり寄って来た。
「(・・・そういえば、リュウとアクアに『鑑定』したのは皆と出会う前だったよな・・・。)
鑑定。」
ユーリはリュウを鑑定した。
種族:シアウルフ 名前:リュウ 性別:オス 年齢:一歳 主:ユーリ
詳細鑑定 しますか?
「あれ?こんな鑑定あったっけ??」
ユーリはリュウに詳細鑑定をした所、スキルやステータスなど細かく知ることが出来たのだった。
(・・・リュウに出来るなら、自分自身も詳細鑑定しようとしたら出来るんじゃ・・・。)
ユーリは自分に手を当て『詳細鑑定』を行ったところ、出来たのだった。
そして、ステータスなどの一番下に特殊スキルと書かれたのを見つけた。
特殊スキル:戦神の加護、女神の加護 神々の祝福
「はぁ???」
ユーリは大きな声で叫んだら、隣の部屋に控えていたシンとサムが飛び込んできて、シンはすぐに窓へ向かい、サムはユーリのそばに来た。
「ユーリさん。
先ほど、大きな声が聞こえたのですが、何かありましたか?
何者かが忍び込んできたのですか??」
「あ、ごめんなさい。
ナンデモナイデス。
独り言みたいなモンです。
ていうか、早くないですか?
何で勝手に入ってるんですか?」
「何を言っているんですか?ユーリさん。
夜遅く、王都は人が多い。
さっきも変態がいらっしゃったじゃないです!」
「(へ、変態・・・。オズワードさん?)
大丈夫です。
私は大丈夫ですから。
もう寝ますので、お二人ともササッ部屋から出てください。」
ユーリはサムとシンを部屋から追い出し、すぐにベッドに入り寝ることにした。
(特殊スキルって・・・これ、おかしいよね・・・。
ステータスって見ようと思えば、他の人のも見える可能性あるよな・・・。
でも、個人のステータスとか個人情報だしな・・・。
勝手にみる訳には・・・。
でも、誰かのを確認しないと比較出来ないよな・・・。
明日、こっそりとレオンさんだけ見させてもらおう。
確か、レオンさんはBランク冒険者で、国に十人いるかいないかの強さだったよな。)
オズワードさんの変態が明らかに・・・。
大人たちの警戒レベルが引き上げられましたね・・・。




