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不注意で、生まれ変わりました。  作者: 水無月ツクナ
第一章 2回目の人生だから、慎重に・・・
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1-11 セルト石

 セシルが一方的に話をして、ユーリが頷く。

 そんなやり取りが始まって早一時間半。

 ユーリのそばにいるリュウとアクアはすでに夢の中にいる。


 フィリウスとディオン、レオンはたまに入ってユーリにこの世界の事を教える。


 この世界は、女神ルージアをはじめ、色々の神様によって作られた。

 そして、ここはゼノン国のサラレイン領。

 ゼノン国は大きく五つの領に別れ、そのど真ん中に王都ゼノンがあるそうだ。

 


「セシル。

 そろそろ昼食の時間じゃないのかい?」

 ディオンがセシルに言うと、セシルはため息をついた。


「そうですわね。お義父さま。

 本当はまだまだ話したりないけれど、息子たちが待っていますしね。

 楽しい時間って、こんなに早く過ぎてしまうのでしょうね・・・。ユーリちゃん。


 それじゃ、私たちは先に行って待っています。

 あ、ユーリちゃん。ちゃんとドレスを着て来てね。

 せっかくの可愛いのに勿体ないわ。」


「(・・・やっと、あの奥様から解放される・・・。


・・・やっぱり、ドレス着ないとダメなのかな・・・。)

 はい。分かりました。」


 ディオンとセシルが部屋から出ていくのをユーリとフィリウス、レオンが見送る。


「ありがとう。ユーリちゃん。

 あんなに嬉しそうなセシルの姿を見るのは久しぶりだったかもしれないよ。」


「じゃぁ、フィリウスさま。

 もう森に帰っていいですか?」


 ユーリはフィリウスに言うと、肩を片手に乗せて黒い笑みを浮かべる。


「あはは。何を言ってるのかな?ユーリちゃん。

 あ、私の事はフィル叔父さまで構わないよ。


「フィルさんで!」


「笑い話はこの辺で。

 さぁ、こちらへ。」


 フィリウスは再びソファにユーリを座らせた。


「さて、ここからは真面目な話に入ろうか。

 ユーリちゃん。

 以前、従魔契約は珍しいと言ったね。」


「はい。」


「レオン。あれの用意はできているか?」


「あぁ。ここにある。」


 レオンは部屋にある本棚の下にある引き出しから小さな箱を出した。

 レオンがその箱をフィリウスに渡すとフィリウスはテーブルに置き、箱を開けた。


「これは?宝石ですか?」


「宝石ではないよ。

 魔石の一つだよ。」


「(・・・びっくりした。

 一瞬、丸いダイアが付いた指輪に見えた・・・。

 フィルさんが差し出すから、結婚指輪かと思った・・・。


 あ、私。まだ子供だ・・・。奥さんもいる人だ・・・。)

 魔石?ですか??」


「あぁ。セルト石。・・・別名『従魔石』。」


「従魔石?

 これを魔獣に付けたら従魔になるんですか?」


「ははは。

 面白い事を言うんだね?


 違うよ。

 従魔にするために付けるんじゃなくて、従魔の証としてつけて従魔の状態を見るんだ。」


「状態??」


 ユーリはテーブルに置いてある小さな透明で丸い石を見た。


「そう。

 これは国家レベルの秘密で加工された石でね。

 どこで採れるか、どう加工しているは国が秘密にしている宝石なんだ。」


「国家レベル?

 それってとても貴重で高いんじゃないんですか?」


「貴重ではあるけどそんな高いわけではないよ。

 テイマーギルドで無料配布しているモノなんだ。


 キミのおじいさんの魔獣にはついていなかったのかい?」


「おい。フィル。

 ユーリのじいさんの話は良いだろ。

 無理に思い出そうとすると、頭が痛くなるんじゃなかったのか?」


「あ。・・・すまない。それは忘れてくれ。」


「え。あ、別に謝らなくて良いですよ。

(どうせ、存在しない人だし・・・。

 ・・・良心が痛む・・・。

 本当の事を話して楽になりたい・・・。)」


「そうか。

 で、無料配布していると言っても、従魔用だから実際はそんなに出回ってないんだ。


 そう簡単に従魔契約なんて出来ないんだから。

 まぁ、キミのアクアのようなスライムなら珍しくもないんだが、ウルフになると珍しいんだ。」


「スライムは珍しくないの?」


「あぁ。私も昔、スライムを従魔にしていた時期もあるよ。

 魔獣って言ってもスライムだからね。

 一般人だって倒せるさ。」


 なんでもスライムは元々強くはない。

 成長もたかが知れている。

 魔獣のレベル、知能によってランク別がされており、低レベルになればなるほど従魔にしやすい。

 だが、一番下かその次ぐらいまでが一般的だそうだ。


 シアウルフはC~Eランク。九段階の真ん中ぐらいだそうだ。


「この従魔石の別名、セルト石は女神ルージア様の次に偉い神様、セルトさまから名前をきている。

 従うモノに寄り添うモノ。


 そのセルト石は付けるとそのモノの心の状態を指し示す。


 従魔にこれを付ける事によって従魔の心の状態が分かる。

 今の状態のように透明から色んな色に変化するんだ。

 赤くなったり青くなったり・・・色々と従魔の心が変化するのに応じて石の色も変化する。


 そして、石が黒くなったら・・・。

 契約も切れる。」


 フィリウスは軽快に話していくが最後の方は声を低くしてユーリを脅すように言った。


「へぇ・・・。

 そんな便利な石があるんですね?


 あ、レオンさん。

 赤いベルトか何かありませんか?

 リュウ、これを首に付けていい?」


 フィリウスやレオンが真面目な顔をしながらも悲しそうな目をしていたが、ユーリは反対に明るく笑いながらリュウに話しかけた。


「ワン!」


 リュウは退屈だった時間も過ぎ、ユーリに声をかけて貰って嬉しそうに尻尾を振り短く吠えた。

 そして、リュウはユーリに頭をすり寄せた。

 ユーリはリュウをなで始めたが、次第にじゃれ始めた。


 フィリウスは軽くため息をついて、セルト石の入った箱をレオンに渡した。


「どうやら、お前の心配は余計だったみたいだな?」


「そうだな。レオンの言う通りみたいだな。」


「よし。任せろ。

 ユーリ嬢ちゃんがドレスに着替えてる間にリュウにかっこいい赤い首輪を用意してやるぞ。」



隠し事は良心が痛むので、早めに明かしましょう。

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