1-8 誘拐? 屋敷?
夕食が終わり、三人でまったりお茶を飲んでいた時にレオンが話を切り出した。
「あ、そういうば、この家に個室って嬢ちゃんが使ってる部屋とこの前、俺たちに貸してくれてた部屋だよな?」
「え・・・。
うん。そうだよ?」
ユーリとフィルが二人で見つめ合って、疑問そうな顔をレオンに向ける。
「この前はオレとライだったから一緒に寝れたが、今晩はフィルとだろ?」
「あぁ・・・。
そういうことになるだろうな。」
「うん。もうベッドはないよ?」
「だったら、あのベッドでは男二人には厳しくないか?
だったら、俺とユーリが一緒に寝るか?
ユーリってライより小さそうだしな・・・。」
!!!
「!!
おい。レオン・・・。
またお前は何を言い出す!
お前の娘じゃないんだぞ!
それはいくらなんでも図々しいだろ!!」
フィルはレオンの頭を思いっきり殴った。
「いってぇ~。
そんなのお前に言われなくたって分かってるさ。
お前と狭いベッドでなんか寝たくないぞ!」
「・・・・。
(あ~ぁ。
確かにあのベッドで大人二人はキツいですよね・・・。
・・・ここは断った方が普通なのか、それとも気にしない方が良いのか・・・。
まぁ、レオンさんは悪気はなさそうだし・・・。)」
などと、ユーリが少し考え始めたところに、アクアがすり寄ってきた・・・。
「!!
私のベッドもレオンさんが入る隙間がない。」
「え?
お前さん一人ぐらいだったら俺と寝ても平気だろ?」
「(・・・大きさの問題だよね・・・この人・・・??)
私はいつもこの子たちと一緒に寝てる。
だから、もうベッドはいっぱいなの?」
ユーリはアクアを差し出しながら言い、リュウは「ワン!」と一声吠えた。
(この子たち・・・やっぱり会話を理解して助けてくれたんじゃないか?
魔獣ってこんなに頭が良いのかな??)
実際、毎晩二匹は自然とユーリのベッドに上がり一緒に寝ている。
たまに、リュウが朝になったら起こしてくれたりもする。
結局、ユーリとフィルがベッドを使い、レオンは居間のソファで寝る事になった。
翌朝、二人は村に帰ってくれると思ったが、レオンに強引にユーリも村へと連れていかれる事となった。
半日もかからず戻って来れるという事で特に荷物も持たずに小屋を出た。
数時間後、森を抜けたすぐのところに馬車があり、御者が二人が出てきたのを確認するとすぐさま馬車から下りて近づいてくる。
「フィリウスさま!
ちょっとこちらへ・・・。」
御者はフィルさんを少し離れた場所に案内すると、二人でコソコソと話し始めた。
ユーリは何かなんだか分からなかったが、レオンが頭を撫で「気にすんな!」と笑いながらいってくれた。
「分かった・・・。」
二人の話は終わったようで、フィルがレオンとユーリに近付いてきた。
「すまないが、ユーリ。
急ぎの用が出来た。
だから、一緒に屋敷に来てくれないか??」
「え?
(・・・??
急ぎの用??
だったら、ここで私と別れてくれても構わないから!
私、あの小屋に戻れるから!!)」
と、疑問を持ちながら半ば強引・・・というか誘拐に近い状態で連れていかれた・・・。
もちろん、途中で村に寄りライを拾って屋敷に連れていかれた。
片道3日間、若干揺れの激しい馬車に乗せられ、途中の野営でライの持っていた一番綺麗な服を貰って着替えさせられた。
ライは自分の服をユーリにあげるようにレオンに言われ、少しむくれていた。
が、フィルは・・・ドレスとかスカートじゃないけどすまない。とか言っていた。
ついでに、御者の人とも仲良くなり、馬ともはそれ以上に仲良くなった。
その様子を見て、今度運転する隣に乗ってみるかい。とも言われた。
そして、まだお昼頃なのに屋敷に着いてフィルは急いで入って行った。
「すまん。
レオン、あとは任せた!!」
「あぁ。
分かった。」
屋敷は二階建てだがそれなりに大きく、使用人も多そうに見えた。
そして、フィルの背中を見送っているユーリは知らない間にメイド服を着た女性たちに囲まれ、お風呂と着替えをされてしまっていた・・・。
しかも、可愛らしいフリルのついたドレスでリュウには丁寧にブラッシングをされていつも以上にフカフカな毛並みになっていた。
・・・あれ?
誘拐されてません??




