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序章 まだ、始まってすらない。
朝、目が覚めたら知らない場所でした。
てか、私・・・浮いてない??
自分の下を見ても地面もなく、上を見上げても空や雲、屋根もない。
「ここはどこだ!!!!」
つい、私は大きな声を出してしまった・・・。
が、誰もいないし何もないし、ただ自分の声がエコーになっているのが聞こえてくる・・・。
しばらく、一人でそこにいた。
(ここってどこ?ていうか、なんだ??
昨日はいつも通りに寝て・・・
目が覚めたらここにいた・・・。)
一人で知らない場所にいる割にパニックにならない・・・。
(うん。やっぱり何があっても私は私だよな・・・。
いつもそうだった。
周りの年上がどんなにパニックになろうと、いつも私はマイペースでやる事をやる。)
小さい頃から年の割に落ち着いて、達観しているというか、世の中の事を冷めた目でみていた。
(・・・あ・・・、これはやっぱり、実はまだ起きてなくて、夢の中・・・・
って、オチなんだろうな・・・・)