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082 報酬

港湾管理局の廊下を職員さんに連れられて歩く、廊下の突き当たりにある一室を職員さんがノックする。


「クラブ様、ユイト殿一行がお見えになりました」


「わかった、案内ご苦労、入ってくれ」


年季の入ったドアを開けるとクラブさんが一人で机に付いていた、なにやら書類を確認している様だ。


「急に呼び出して悪かったな、キミ、悪いが人数分のお茶と茶菓子を持って来てくれ」


クラブさんは案内してくれた職員さんにそう告げると俺達にソファーに座る様に促し自分も席を移動した。


「ホラ、ユイトさん、怖くないですよ、クラブさんはマッチョじゃありません」


「どうしたんだユイト?何かに怯えている様な顔をしているが…」


「いえ…なんでもありません、今日はどう云った要件なんですか?」


「あぁ、ユイト達と報酬の話をしたいと思ってな、ここに来る途中に港の様子を見ただろ?まだ概算だがモンスターから取れる魔石を売り払ったらこのくらいの額になる」


クラブさんが1枚の書類を手渡してきた、書類には数字が沢山ならんでいる、解体や荷揚げに掛かる手数料を引いた額は…金貨90万枚だそうだ、元の世界の金額にして90億円、ちょっとピンと来ないない額だ。


「とんでも無い金額ですね、それが俺達が呼び出された理由と何か関係があるんですか?」


「その額の3割をユイト達に報酬として渡したいんだ、現金を用意するのに1、2週間掛かるが待ってもらえるか?」


「ちょっと待って下さい!この金額の3割って金貨30万枚って事ですか!?そんな大金貰えませんよ!」


とんでも無い話だ、お金は有った方が良いに決まっているが今回の話は額が桁違い過ぎる、個人で管理できる額ではない。


「しかしだな、あのモンスター達の大半はユイト達が倒しただろ?私個人としては3割でも少ないと思ってるんだが」


「いやいや、俺達は特にお金には困ってないですから、辞退する事ってできませんかね?」


「まさか辞退するなんて話は想定してなかった、すまないが今回の話は私一人で決めた事では無く各署と調整した上での決定なんだ、出来れば受け取って欲しい」


「そうですか…うーん、どうしようかな…」


困った、確かに大金が手に入るのはありがたい事だ、しかし金銭感覚がおかしくなりそうで怖いな、元々が貧乏社畜だった為大金の使い方が想像出来ない。


「欲のないヤツめ、金ってのはいつ必要になるかわからないんだ、使い道が分からないならムリに使う事も無い、お守りだと思って貰っとけ、これは人生の先輩からのアドバイスだ」


「…そこまで言ってくれるならありがたく貰っておきます、本当にいいんですかね?俺なんかがこんな大金手にして」


「勿論だ、ユイト達が居なければ今ごろこの街はモンスター達に壊滅させられていただろう、街の救世主に対する正当な報酬だ」


クラブさんはどうしても俺に報酬を渡したいらしい、領主自らここまで言ってくれたのには断るのも失礼だ、仕方ない、観念するか。

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