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072 雑貨屋の受難

食堂の女将さんに貰った地図を頼りに街を歩く、地図によるとブロスタさんの家は街の外れに有る住宅街だ、30分程歩くと目的地の住宅街へ到着できた。


「んー、この辺りみたいだけど似た道ばかりで判らないな」


「そうですね、建物も同じような物ばかりですし迷子になりそうです」


「誰かに聞いてみる?女将さんもブロスタさんは有名人だって言ってたしこの辺りの人なら家を知ってるんじゃないかしら?」


「そうだな、あの人に聞いてみよう」


近くの雑貨屋の店前を店員らしき女性が箒で掃除していた。


「あら、どうしました?ウチのお店に何か誤用ですか?」


「お仕事中にすみません、実は俺達この辺りに住んでるブロスタさんってお爺さんを探してるんですが…」


「貴方達あのエロ爺さんの知り合いなの?アイツったらこの前もいきなり私のお尻を鷲掴みにしてきて、知り合いなら貴方達からもキツく叱ってくれないかしら?」


女将さんもブロスタさんの事をロクデナシとか女に目がないとか言っていたな、目の前の店員さんは20代前半くらいだろうか、美人だし魅力的なプロポーションをしている。


「あの爺さんったら若い女に目が無いのよ、少しでも隙が有れば胸やお尻を…!?ひゃん!」


店員さんが子犬の鳴き声の様な声を出し身悶える、いつの間にか店員さんの後ろには1人の老人が立っていた、全く気配を感じなかったぞ。


「隙ありじゃ、今日のお尻も100点満点、ご馳走さまでした、これで寿命が3年は伸びたわい」


「このエロ爺!許さないわよ!その伸びた寿命を全部没収してやるわ!」


「ほっほ、そんな怖い顔をしたら折角の美人が台無しじゃ、か弱い老人のちょっとしたお茶目じゃよ」


「今日という今日は殺す!墓に花くらい備えてあげるから大人しく私に殺されなさい!」


店員さんが振り回す箒をひょいひょいと避けるお爺さん、只者ではない。


「ぜぇ…ぜぇ…、覚えてなさいよ、全くすばしっこいクソジジイだわ」


肩で息をしながら店員さんが地べたに座りこむ、対するお爺さんは全く息を切らせていない。


「なんじゃ?もう疲れたのか、良かったら儂がマッサージをして…!?なんじゃ!とびきりの美女が3人もいるではないか!」


お爺さんがサクヤ達の存在に気付き手をワシワシしながら距離を詰めていく。


「すみません、俺達この辺りに住んでるブロスタさんって人を訪ねて来たんですが…もしかして貴方ですか?」


「ん?儂にお客さんかの、申し訳ないがちょっと待っといてくれんか?こんな娘さん達を前に何もしないのは儂の沽券に関わる、そーれ、まずは1番ちっこいぺったん娘からじゃ!」


そう言ってブロスタさんがアイギスに飛びつく…しかし直前で光の壁に阻まれ空中で無防備な姿を晒す羽目になった。


「胸の事を言うとはいい度胸、死ぬべき!」


滞空中のブロスタさんの鳩尾にアイギスの右ストレートがめり込む、しばらくしてブロスタさんの体は地面に落ちた。


「正義は成された、これで安心」


アイギスが俺達にVサインを送る。


「良くやってくれたわ!胸がスカッとした!」


「貴女はこの街の女性の英雄よ!あのエロ爺いったらいい気味だわ!」



いつの間に集まって来た街の女性達がアイギスを胴上げする、地面に倒れたブロスタさんは体をピクピクと痙攣させていた。

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