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064 変貌

あの赤黒い腕には見覚えがある、アイロンスティールでビズミスが変貌した姿とよく似ている、あの黒い魔核が関係しているのか?


「みてごらんこの美しい腕を!美しい私に相応しい素敵な腕さ!」


女が腕を振り下ろすと腕の赤黒い部分が伸び俺へと襲い掛かる。


「まだ前の姿の方が少しは見れたぜ、オバさん!」


咲夜を振り抜き腕を切り飛ばす、切断された腕はウネウネと地面を這いずりやがて消滅した。


「オオオオバさんだって!?訂正しな!訂正しなぁぁぁぁ!」


赤黒い腕はすぐに再生され女は滅茶苦茶に腕を鞭の様に振り回し始めた、周りの民家の壁が破壊される。


「どうした!動きが単調だぞ!?」


女の様子がおかしい、何も考えずに腕を振りまわすだけの単調な攻撃、先程までとは違う敵を相手にしているようだ。


「私は美しい!何よりも美しい!認めな!私は美しいと言うんだよぉぉぉ!」


腕が再び俺に襲いかかってくる、威力が先程とは段違いだ、痛む身体を無理やり動かし後方へ飛ぶ。


「これじゃあ近づけない!滅茶苦茶に暴れてるな!」


最早俺を狙って攻撃しているのかもわからない、やはりビズミスの時と同じだ、知性がまるで感じられない。


「美しいんだ!あのお方だってきっと私を美しいと言ってくれる!」


「あの腕をどうにかしないと…確実に大技を当てる隙が欲しいが」


サクヤ達の方を見るがあちらも様子がおかしい、土人形達の動きが早くなり滅茶苦茶に周りの物を破壊している、中には同士討ちをしている個体もあった。


『主さま、アイツら急に強くなった、でも動きがおかしい』


『油断するな、村のみんなの護衛に集中するんだ、何が起こっているかわからない』


隙を作って貰おうと思ったが今サクヤ達を村人から離すのは危険だ、自分でどうにかするしか無いな。


「ユイト兄ちゃん!オイラも手伝うよ!」


「ガル!?何してるんだ!?ここは危ない、アイギスのシールドの中に逃げるんだ!」


いつの間にか背後にガルが立っていた、背中には弓を背負っている、気持ちは有難いが子供を危険な目に合わせる訳にはいかない。


「俺がサクヤ達の所まで送っていく、大人しくしておいてくれ」


「嫌だ!ユイト兄ちゃんは昨日会ったばかりのオイラ達の為に怪我をしてまで戦ってくれている、それに父ちゃんと約束したんだ!母ちゃんや姉ちゃんを守るってさ!」


ガルの表情は真剣そのものだ、戦いを覚悟した者の顔付きをしている、コレはテコでも動きそうに無いな。


「わかった、その代わりに約束してくれ、次の俺の攻撃が失敗したら逃げるんだ」


「約束する、だから一緒に戦わせておくれよ」


「よし、2人でアイツを倒そう、頼んだぞガル」

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