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060 発信源

土人形の襲撃を退けた俺達は森の中を進む、反応は確実に近くなっていた、近づくにつれて枯れ木が増え動物やモンスターの死骸が多く見られる様になった。


「ここまで近づけば私にもわかります、体から力が抜けていってます、お腹が空いてきました」


「主さま、私にもわかる、疲れてきた」


サクヤとアイギスも呪いの効果を体感出来る程に強くなっている、俺も少し疲れが出てきた、休憩したいが時間が経てば経つ程体力が失われる、きつくてもなるべく早く発信源を破壊するべきだ。


「3人とも憑依してくれ、俺が距離を稼ぐ、俺に限界が来たら実体化してもらうから今は少しでも体力を温存するんだ」


3人を憑代に憑依させひたすら道無き道を進む、テミスが憑依出来るかは分からなかったが問題無く出来た。


『ユイト、大丈夫?反応はもうすぐそこよ、頑張ってね』


『呪いを解いたらご飯にしましょう、腕を振るっちゃいますよ』


『主さま、頑張って、終わったら私のマッサージが待ってる』


3人の励ます声が聞こえる、気がつけば周囲の木は全て枯れ木になり地面の土も砂の様になっていた。


「着いたぞ!これが呪いの発信源か?」


やがて俺は拓けた場所へ出た、広場には黒い魔核と同じような巨大な石柱が佇んでいる。


『その石柱よ、間違い無いわ』


「あぁ、禍々しい気配を感じる、生きているみたいだ」


石柱の表面に刻まれた呪文の様な文字は赤く点滅を繰り返しまるで脈を打っている様だ。


「破壊するか、どの道俺には錬金術や呪文の知識が無い」


俺は石柱より高く跳躍し縦一文字に石柱を切断した、切断された石柱は全体に亀裂が走り、やがてバラバラに砕けたのであった。


「嫌な気配が消えたな、よし、3人とももう出てきて大丈夫だ」


憑代が淡く光り3人が実体化する。


「お疲れ様でした、体は大丈夫ですか?ゆっくりして下さい」


「マッサージする、主さまは横になるべき、はよ」


「お疲れ様、もう呪いの反応は無いわ、まずは一安心ね」


サクヤが作った昼食を食べ横になる、アイギスが俺の背中を素足で踏みマッサージをしてくれる。


「あ~気持ちいい、アイギス、もう少し上を踏んでくれ」


「なんか年寄りくさいわよ、本当に体は大丈夫なの?」


「あぁ、少し疲れを感じるくらいだ、魔族の反応はどうなったかわかるか?もう少しやすんだら俺達もそっちの捜索へ向かおう」


「少し待ってね、探ってみるわ」


テミスが目を閉じて集中する、反応があった村の北側には村のエルフ達が捜索している筈だ。


「ぼんやりとだけど嫌な気配を見つけたわ、これは…?!大変よユイト!村の方角だわ!多分犯人は村の近くにいる!」

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