056 装備の行方
偽神や魔族、この先否が応でも戦闘する機会は増えるしどんな強敵が現れるか分からない、残された3つの装備を手に入れ戦力を整えなければいけない。
「そうですね、貴方の残りの装備品ですが、今貴方がいる国の王都に1つ、竜の棲む山に1つ、そして私の眷属が1つ所持しています…!偽神!?感づかれてしまいました!時間が有りません、そこの狩猟神の名を冠する子よ、こちらに来てもらえませんか?」
「私?何か知らないけど時間がないんでしょ?」
「急いで下さい、貴女になら私の力の一部を譲渡できます」
神様の話を聞いたテミスは慌ててストークさんの前に駆け寄る。
「これは…?それに貴女は私達の…」
ストークさんはテミスの頭に手をかざす、するとテミスの身体が淡く光り始めた。
「これでもう大丈夫です、それとこの村の近くに…」
糸が切れたように前のめりに倒れそうになるストークさんをテミスが支えた。
「あれ…私は何を?確か星詠みの途中で…」
「お母さん!大丈夫なの!?」
「母ちゃん!母ちゃん!」
カナリーとガルが叫びながらストークさんに駆け寄って行く。
「大丈夫ですか?何か異常はありませんか?」
「ええ、大丈夫よユイト君、少し目眩がしただけ、精霊よりも大きな何かが私の中に入って来たわ、でも嫌なモノじゃ無かった、とても大きく優しい何かだったわ」
「無事でなによりです、今日はもう家に帰って休んで下さい、送って行きます」
俺達はストークさんを家まで送って行く事にした。
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「2人とも悪かったな、お前達のお母さんに神様が降りたのは俺の責任でもある」
「謝らないで下さい、お母さんは何ともないみたいですし、それにしても凄い話でした…」
「オイラも何がどうってるかわかんないや、ユイト兄ちゃん達が偽神ってヤツを倒さなければ皆死んじゃうの?」
嫌がるストークさんを無理やり寝かしつけ俺達は居間に集まっていた、念のためにサクヤとアイギスはストークさんを見張ってもらっている。
「そう言う事みたいだ、だがまず先にこの村の異変の調査をしないとな」
出来ることなら神様にこの村の異変の事、偽神や魔族の居場所等聞きたい事は山ほどあった。
「そうね、最後に神様が言いかけた事だけど多分魔族についてだと思う、神様に力を分けてもらってから嫌な気配を感じるのよ、多分この村に呪いを掛けた犯人だわ」
「わかった、明日は朝から呪いの解除と魔族の捜索だ、今日は色々とあり過ぎた、ゆっくり休んで明日に備えよう」




