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051 姉と弟

異世界に来て初めて土下座を見た。


それはお手本の様な綺麗な土下座で見とれてしまう程に見事だった、この世界にも土下座の文化があったんだな、しかもエルフに。


「もういいって、頭をあげてくれよ、怒ってないからさ」


「本当に申し訳ありませんでした!てっきりガルが攫われているものと勘違いしてしまって…」


「姉ちゃん、ユイト兄ちゃんも怒ってないって言ってるしさ、オイラも恥ずかしいよ」


俺達を襲撃して来た女エルフは今地面に頭を擦り付けて絶賛土下座中だ、逆に申し訳ない気持ちになる。


「大丈夫、怖くない」


アイギスが頭を撫でながらどこかで聞いた様なセリフで慰めるがさっきからずっとこの調子だ。


「カナリーちゃんはガル君が心配だったんですよね?弟思いの立派なお姉さんです」


「すいません、つい気が動転してしまって…」


ようやく顔を上げた女のエルフはガルの姉でカナリーと言う名前だった、キリッとした美人なのに中身は少し残念な子っぽい。


「大丈夫だ、本当に俺達は怒ってないぞ、ガルを探しにきたんだろ?」


「はい、ガルったら1人で村から居なくなって、最近街の方では盗賊が出るって話を聞いてたからつい勘違いをしてしまったんです」


多分アイロンスティールの話だな、取引に来る商人か旅人にでも聞いたんだろう。


「ごめんよ姉ちゃん、村のみんなに力が出る物を食べさせようと狩りに出たんだ、それでモンスターに襲われて…」


「ケガはないの!?もう!ガルはまだ子供なんだから危ない事しちゃダメじゃない」


「オイラだってもう13歳だよ?姉ちゃんだってその歳にはもう大人達と狩りに出かけてたじゃないか!」


「それでもダメ!大体ガルは1人で勝手に狩りに出たんじゃない、父さんが帰って来たら叱ってもらうからね!」


ぷりぷりとカナリーがガルを叱る、それはそうとガルは見た目通りの年齢なのか、姉弟と言う事はカナリーはこの世界の俺と同じくらいの年齢だろう、エルフの年齢事情が気になるな、後で聞いてみようか?


「あの~、姉弟喧嘩中に申し訳ないが俺達そろそろ行った方がいいか?ガルもカナリーが来たなら大丈夫だろうし」


「え~、ユイト兄ちゃん達行っちゃうの?今日は村で休んでいきなよ、そろそろ日も暮れるしさ」


「ガルの言う通り良かったらうちの村に泊まっていってくれませんか?ガルを助けてくれたお礼もしたいですし」


確かにそろそろキャンプの準備をしないといけない時間だ、世話になるのも良いかも知れない、エルフの村に興味もあるし。


「ユイトさん、お言葉に甘えませんか?私エルフさん達の村がどんなのか見てみたいです」


「主さま、私も行きたい、ダメ?」


2人もエルフの村に興味津々な様子だ。


「それじゃあお言葉に甘えようかな、実はガルから村の話を聞いて行ってみたいと思ってたんだ、よろしく頼むよ」

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