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038 傭兵団長リード

俺は部屋に連れ込んだ男を地面に転がし仰向けにする。


「さっき言ってた錬金術士は何処にいる?地下室か?」


「ち、違う!地下室には他の女どもがいるだけだ!あの女は団長が何処かに連れて行った!」


「他の女?どう言う事だ?話せ」


男は口を閉じて黙ってしまった、よほどマズイ事を隠している様だ、俺は殺気を込めて男の眼前に咲夜を突きつける


「言う、言います!この辺りにいる盗賊は皆俺達の仲間なんだ!グル…!!」


次の瞬間部屋の壁が轟音と共に吹き飛んだ。


「よぅ、ユイトつったよなぁ、やっと会いに来てくれたか、殺気がダダ漏れだったぜ?」


吹き飛んだ壁の向こう側にはリード傭兵団団長、リードが笑いながら立っていた。


「だ、団長!助けてください!殺される!コイツに殺される!」


「あぁ?お前バカか?ニセモノの殺気にだまされやがって、コイツに人は殺せねぇよ、誰も殺した事の無いヤツの目だ、そんな事も分からねぇのか?」


リードが部下を馬鹿にした様な目で見る。


「タリアムは何処だ、連れ戻しに来た」


「タリアム?あぁ、昨日連れてきた錬金術士の女がそんな名前だったな、教えてやるよ、俺を倒せたらな!」


言うと同時にリードが金砕棒こんさいぼうを振り下ろす、俺はその場から飛びのいたのだが…


「!団ちょ…」


爆音と同時に床が弾け飛ぶ。



俺のいた場所は床が砕けクレーターの様に窪みが出来ていた、そして…リードの部下は上半身を失い亡骸になっていた。


「流石だな!並みのヤツなら今ので終わってたぜ」


「お前…自分の部下を殺したのか?」


「部下?あぁコイツの事か、そう言えばいたな」


リードは下半身だけになった部下の亡骸をゴミの様に蹴飛ばす。


『外道、言葉もない』


『酷い…鬼神化…しますか?』


「いや、鬼にはならない、人としてコイツを….殺す」


俺は今まで人を殺す事に覚悟が出来ていなかった、怖かったのだ、相手の人生を終わらせる事が怖かった、業を背負う事が怖かった。


「?一人で何言ってるんだ?おっ、良い目になったじゃねぇか、楽しもうや」


しかしこの世界ではその迷いは自分や大切な人を失う事に繋がる、今目の前の男を見て確信した、覚悟を決める時が来たのだ。


「この星は今まで俺が殺した敵の数だ、騎士もいたし冒険者もいた、強いって噂のヤツは老若男女構わずぶっ殺した」


リードの持つ金砕棒には無数の星が刻まれていた、その数は10や20ではない。


「黙れ、耳が腐る」


「まぁ聞けって、俺の金砕棒はオリハルコン製でな、お前の様な剣士では絶対に勝てない、頼むから簡単に死なないでくれよ?」

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