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334 空の案内人

「クェッ?」


皆の視線を感じたのかオウルさんの肩の上でシークが首を傾げる。そうか、確かにシークならアレプデスまでの空路を知っている。彼についていけばアレプデスへ迷う事なく向かう事ができる。


「シーク、君に大切なお願いがあるんだ。ユイト君を案内しアレプデスへ飛んでくれないかい?」


「クェッ♪クェッ!クェッ!」


「驚いた、頭の良い鳥ね。この子オウルの言ってる事が分かってるみたい」


「シークはオウル師匠の昔からの友達ですわ。私達の言葉は理解してくれます、でもシークが何を言ってるかはオウル師匠しか分かりません」


シークは自分に任せろと言わんばかりにオウルさんの肩から飛び立つと俺達の頭上を飛び回りはじめた、やる気は十分な様だ。


「心強い案内人だな、オウルさん。シークはアレプデスまで何日くらいで飛べるんですか?」


「正確に計測した事はないけど急げば3日くらいだろう。僕達がどれだけ急いでも最低10日はかかる、ユイト君。大変な役目を押し付ける様ですまないが僕達が到着するまでアレプデスを頼めるかい?」


「えぇ、勿論です。俺にしか出来ない事で救える命があるなら全力で俺に出来る事をやります」


「良く言った!それでこそ男ってもんだぜ。俺達もなるべく早く到着できる様に急ぐからよ。それまで…死ぬんじゃねぇぞ」


「はい、シグマさん達も道中気をつけて下さい…ってこのメンツ相手に心配するだけムダですね」


シグマさんにオウルさん、レイにアン達三姉妹。この場にいる仲間達は間違い無くこの世界でもトップレベルの実力の持ち主達だ。道中のモンスターや野党なんかに遅れを取る事など無いだろう。


「ふふふ、ユイトもシグマ師匠の事が分かってきた様ですわね」


「コイツには昔から何度も心配させられたけど結局僕の心配は杞憂に終わったからね。シグマの身の安全なんて心配するだけ無駄さ」


「なんだお前ぇら?酷ぇ言い草だな?でもまぁそう言うこった。俺達の事なんて気にせずにお前さんはアレプデスを頼む」


シグマさんが片手を差し出し握手を求めてきた。最強と呼ばれる男の無骨で優しい手、握り締めるとシグマさんは反対の手でポンポンと強く俺の肩を叩いてきた。


「俺は最強なんて言われてるけどはっきり言ってお前さんの方が俺より強ぇ。だけどお前さんの強さには酷く脆いところもある。いいか?自分1人で全て背追い込もうだなんて思うんじゃ無ぇぞ」


シグマさんが俺の後ろにいるサクヤ達を見ながら真剣な声で諭す様に話しかける。このドラゴンロックで俺は自分の中にあるドス黒い部分を正面から見せつけられる羽目になった。だが心配はいらない、同時にどれだけ自分が間違った道を選んでも全力でその間違いを正してくれる仲間がいる事にも気づけたからだ。

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