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333 北の異変

シークが俺達の頭上で鳴きながら円を描く様に降下してくる。いつもの様にオウルさんへ手紙を運んで来た様だ。


「よしよし、ありがとうシーク。今度はどこの手紙を持って来てくれたんだい?」


「キュルルルル、クェックェッ」


首を撫でられてご機嫌なシークの脚につけられたケースからオウルさんが手紙を取り出す。手紙にはどこかで見た事の有る紋章が描かれている。


「ん?またギルドからの命令書だ。珍しいね、命令書自体が滅多に発行されないのにこの短期間に2回も目にする事になるなんて」


「まぁ自由気ままが冒険者の特権みてぇなモンだからな。ギルドもそれが分かってるから命令書なんて余程の事がなきゃ発行しねぇさ。それで何が書かれてるんだ?アレプデスの事が?」


「どれどれ…なんだって!?そんな馬鹿な!?」


ギルドからの命令書を読んだオウルさんが驚きの声をあげる。この人がこれだけ取り乱すのも珍しい。


「アレプデスの防衛隊が壊滅したそうだ…相手はドラゴンの群と正体不明の軍勢。なんとか痛み分けで敵を追い返す事は出来たけど次に攻撃されれば確実にアレプデスは…」


「アレプデスの防衛隊が壊滅?嘘だろ!?あの街の防衛隊は精製揃いで知られた連中だぞ!?それにギルドの本部だってあの街に有る、高レベルの冒険者はいなかったのか?」


「A級冒険者が何人かいたが謎の軍勢を抑えている間にドラゴンが街を襲ったらしい。ほら、お前も目を通してみろ」


オウルさんが差し出した手紙をひったくる様に受け取ったシグマさんの顔が苦々しくなる。どうやらアレプデスの状況はかなり悪いようだ、この手紙は各地に散った精鋭の冒険者に急ぎアレプデスへ来る様に出された物だろう。


「クソッ!俺達が急がなくてもあの街なら十分に敵を退ける事が出来ると思ってたがかなりヤベェな…オウル、ここからアレプデスまで全力で急いでどの位かかる?」


「1番近い港まで1週間…そこから船で3、4日ってトコだ。失敗した、多少ムリをしてでもこの前の命令書が来た時点でアレプデスへ急行していれば…」


すぐにドラゴンロックを下山しなかったのは俺の体の回復を優先した為だ。シグマさんとオウルさんの2人だけでも先にアレプデスに向かっていれば今頃はもう港には着いていただろう。


「俺が先にアレプデスへ向かいます。サクヤ達を依代に憑依させて神靴ヘルメスの力で空を行けばかなり早く到着出来ると思います」


「お前さんはアレプデスの場所を知らねぇだろ?あの街へ行くには海を越えなきゃなんぇ。海の上で迷子になっちまったらシャレになんねぇぞ」


「…いや、ここはユイト君に先行してもらおう。彼なら1人でもアレプデスを救う事が出来る。それにアレプデスまでの案内ができ空を飛べる仲間ならこの場にいるじゃないか」

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