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312 もしも

「さて行くとするか…オウル、もしもの時は分かってるな?」


「もしもの時?縁起でもない話はやめてくれよ。お前にしちゃ面白くない冗談だぞ」


「いや、本気で言っている。今までにもやべぇ戦いは何度も経験してるが今回は特別だ。それ程に今のユイトは強ぇ」


珍しくシグマが真面目なる。長い付き合いだかコイツがこんな表情になった事は数えるくらいしかない。


「俺も最初から殺される気で戦うつもりなんて無ぇけどよ…もしお前がこの戦いに勝ち目が無いと感じたら皆を連れて逃げろ」


「…わかった。もしお前がユイト君にやられてしまったら次は僕達の番だ。それに信用出来ない連中もいる事だしね」


僕はチラリとモンスターの群を指揮するレブの方に目をやった。今は一時的に共闘しているがいつ背後から襲われるとも限らない。ある意味今のユイト君よりも厄介な連中だ。


「頼んだぜ。それにしても長ぇ事冒険者をやってるけどまさかモンスターと共闘する事になるとはな…」


「戦うと決めたら悠長にしてる暇は無いぞ。ほら、みるみるモンスターが蹴散らされてる。仕掛けるなら早いに越した事はない」


「貴方達!何をしているのですか!?私の下僕達だけでは彼を止められません!早く戦って下さい!」


「分かってるって、こっちにも色々と事情があんだよ!ちゃんと戦ってやるから心配すんな!」


レブに急かされたシグマがコキコキと首を鳴らしモンスター達の海を割って行く。僕もミストルティンを呼び出しいつでも援護出来る様に準備を整えた。


「はて?シグマさんでしたかな?彼がMMORPGのアイテムを所持しているとは知りませんでした。一体あの刀はどの様な効果を持っているのですか?」


「君に説明してやる義理もないけど注意だけはしておこう。如意刀を手にしたシグマが戦いはじめたら決して近寄らない事だ」


「どう言う意味ですか…何だ!?下僕達が凄い勢いで数を減らしている!何が起こっているのですか!?」


「シグマが戦いはじめたんだ。君のモンスター達も2人の戦いに巻き込まれるだろうが悪く思わないでくれ」


シグマがユイト君と戦っている場所から無数のモンスターが弾き飛ばされる。シグマが戦いはじめた証拠だ。こうしてはいられない、僕も自分に出来る事をするとしよう。


「ここからじゃモンスター達に射線が遮られてしまうな。どこかいい場所は…おっ?アレなんか中々良さそうだ」


レブが呼び出したモンスターの中に背の高い木の様なモンスターを見つけた僕はユイト君と戦っているシグマを援護する為にその身体を駆け上がった。

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