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030 ギルドの危機

ある日のアイロンスティールの大通り、いつものファームライノ狩りを終えた俺達は冒険者ギルドへ向かっていた。


「やっぱり段々と少なくなって来ましたね~、今日なんて丸一日かけて7匹です」


屋台の串焼きを頬張ってサクヤが愚痴る。


「今週は毎日結構狩りに行ってたからな、そろそろ自重しとくか?」


「ん、絶滅危惧種、レッドリスト入り」


アイギスは最近お気に入りのクレープの様な物を食べながら歩く、頬っぺたにクリームがついてるぞ。


「金も十分過ぎる程溜まったしな、情報はさっぱり集まらないけど」


1ヶ月程魔石をガリアムさんに売り続け俺達の所持金は跳ね上がった、金貨100枚分の価値がある白金貨で70枚以上、元の世界で考えると月収7000万円だ、異世界恐るべし。


魔石の売買でかなりの儲けが出ているようでガリアムさんは最近忙しそうだ、噂を聞き付けて取引に来る商人達の対応で昼寝が出来なくなったとボヤいてたな。


ギルドへの道がいつもより騒々しい、なにか事件でもあったのだろうか?


「おおっ!兄さん達!ガリアムさんが大変なんだ!傭兵どもが大勢でギルドを囲んでる!」


顔なじみの出店のおじさんの話を聞いた俺達はギルドへと走り出す。



◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


ギルドに着くと大勢の男達に建物が囲まれていた、明らかに只事ではない、その証拠に男達は剣や槍など各々の武器で武装している、一触即発の雰囲気だ。


「通してくれ、俺達はギルドマスターに用事があって来た」


「あぁん、俺達の方が先客だ、話が終わるまで大人しく待ってろや」


「おい、こいつ2人も綺麗どころを連れてやがるぜ?俺達も暇してたんだ、ちょっとそこの宿屋で楽しもうぜ」


下卑た笑みを浮かべながら男の中の1人がサクヤに手を伸ばすがそうはさせない、俺は男の手首を握り捻りあげる。


「いでででで!離しやがれ!俺達を誰だと思ってやがる!」


「街中で女の子に絡んでいるチンピラだろ?俺の連れに触るな、汚れてしまう」


男を地面に叩きつける、背中から地面に叩きつけられた男は涎を垂らして気を失った様だ。


「おい手前ぇ!俺達は平和的にギルドと商談に来ただけだ!その俺達にいきなり暴力とはどう言うつもりだ!?」


「大勢で武装して取り囲むのが平和的って意味なんだな?勉強になった、お礼に殴らせてやるぞ、ホラここだ」


「言ったな?これでチャラにしてやるよ!」


頬に指をあて挑発する、馬鹿にされたと思った男達の中の1人が顔を真っ赤にして俺に殴りかかる。


『【金剛】』


俺は口に出さず頭の中でスキルを発動させる、神甲アイギスのもう一つの固有スキル『金剛』、使用者を数秒間だが完全に無敵状態にする防御スキル、VRMMO(ナイアル)ではレイドボスの必殺技など強力だがタイミングの判り易い攻撃に合わせ発動していた、使い所が難しいスキルだ。


男の拳が俺の顔に触れるが全く衝撃も感じない、「ベキッ」と鈍い音だけが俺の耳に残った。

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