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302 破壊衝動

「やってくれたな…こんな物引き剥がせば…グァァァァッ!!!」


「あはははは!油断したね鬼ぃさん。さてさてこれからどうなってしまうのかな?」


両手で偽核を掴み無理矢理引き剥がそうとしたが無駄だった、ただ激痛が走っただけだ。偽核はまるで元々俺の身体の一部だったかの様に一体化してしまっている。


「そんな事してもムダだよ。偽核は気に入った宿主から離れる事は無い。絶対にね」


『ユイトさん!しっかりして下さい!』


「サク…ヤ…鬼神化を解除して皆と…逃げるん…グァァァッ!」


『ユイトさん!ユイトさん!!』


身体がいう事を聞かない。自分で鬼神化を解こうとしたが自分の中にいる何者かがそれを許してくれない。


「素直に偽核の力を受け入れなよ。きっと鬼ぃさんならとんでも無い強さを手に入れられると思うんだけどなぁ」


「そんな力…お断り…だ…お前も死にたくなければ逃げ…ろ」


「この期に及んで僕の心配をするなんて本当にお人好しなんだね。でも大丈夫、偽核を埋め込まれた人は絶対に僕と偽神の命令には逆らえない様になってるからさ」


ドス黒い感情が俺を支配していく。何もかもを破壊してしまいたくなる衝動。今はまだギリギリ踏ん張ってはいるが長くは持たない。俺の意識が無くなるのも時間の問題だ。


『私だけじゃ鬼神化は解除できません…ユイトさん!イヤです!居なくならないで下さい!』


「ゴメンな…サクヤ…」


このまま俺が偽核の力に支配されてしまえば一心同体になっているサクヤはどうなってしまうのだろうか。せめて鬼神化だけでも解除できれば良かったのだが。


「本当に凄い精神力だね。まだ偽核の支配に抗っているなんて信じらんないや」


『皆!力を貸して下さい!このままじゃユイトさんが!』


『サクヤ、落ち着くべき。そっちの状況がわからない』


『ユイトさんが偽核を埋め込まれてしまいました!このままじゃ何がどうなるか想像もつきません!』


頭の中にサクヤがアイギス達に助けを求める声が聞こえる。


『何ですって!アンタ達今鬼神化してるんでしょ!?』


『助けに行きたいけどこっちはこっちで…皆!ボク1人でこの場を食い止めるからユイトを助けに向かってよ』


『ダメよ、この数のモンスターをルメスちゃん1人で相手するなんて自殺行為でしか無いわ』


『頑張るのだユイト!余の主人たるユイトが偽核なんぞに負けるものか!』


また皆に心配を掛けてしまった。今の俺がこの破壊衝動に飲まれてしまえば仲間にも牙を剥いてしまうだろう。


『俺の事はいいか…ら…ニゲ…ロ』


早く皆を逃さなければ。最期の理性を振り絞り皆に念話を飛ばす。そして俺の意識は闇に飲まれてしまった。

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