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287 見当違い

真っ暗な大空洞の中、サクヤの火球の灯りで2人の人物が照らし出された。1人は知らない顔だがもう1人には見覚えがある。確かこの男は…


「おやおや、やっとの事で邪龍の封印を見つけたと思ったのですが先を越されていましたか」


「レブ様と行動を共にすればいずれ貴様と会えると思っていたがこんな場所で再会出来るとはな…」


「お前は…ゲルトか?」


以前港町ザラキマクの襲撃を企てた2人の魔族の生き残りであるゲルト。ヤツの仲間だったジーは俺がこの手で命を奪った。その事でゲルトは俺を相当恨んでいた筈だ。


「僥倖!なんと云う僥倖!まさかこんなに早くジー様の仇を討つ機会が巡ってくるとは思わなかったぞ!」


「ゲルト、少し落ちつきなさい。我々がこの様な場所に来た目的を忘れた訳ではないでしょうね?」


「レブ様…何卒あの男との戦いをお許し下さい!」


「はぁ…やはり忠誠心を強く設定し過ぎた様ですね。失敗作とまでは言いませんが扱い難い事この上ない」


今にも俺に襲いかかってきそうなゲルトとは対照的にレブと呼ばれた男は落ち着き払っている。


「レブと言ったな、お前達の目的は邪龍ルシオンの復活なのか?」


「貴方が噂のユイト殿ですね?カイト様からお話は聞いています。私達がここへ来た目的ですが厳密に言えば邪龍を復活させるのとは少し違います」


「だとすれば偽神の器としてルシオンを利用する気だな。お前達は偽神に騙されているんだ、アイツはお前達魔族の事なんて玩具くらいにしか考えていない」


「騙されている?この私が?もしや貴方は私がゲルトやそこの裏切り者達と同程度の存在だと思ってはいませんか?」


レブがアン達三姉妹の方を見ながら首を傾げる。もしやコイツは偽神の本当の計画を知っているのだろうか。


「偽神の目的は自分の暇つぶしの為だけに人間と魔族を争わせる事だ。そんなヤツの為に何故俺達が戦わなければいけない?偽神さえいなければ人間と魔族は共存できる筈だ」


「クックック…いや失礼、貴方があまりにも的外れな事を言うのでつい笑いを堪えられませんでした」


レブは何を言われたか分からない様子で呆然とした後急に笑い始めた。俺の言った事が予想外だった様だ。


「なんだと?どう云う意味だ?」


「私達魔族を創り出したのは他でもない偽神様です。その偽神様が闘争を望んでおられる。ならばその望みを叶えるのが創作物である我々の至上命題ではありませんか?」


「…その為になら自分の仲間達がどうなっても良いと言うのか?お前の気持ちはどうなんだ?ただ命令に従うだけで本当にいいのか?」

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