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286 邪龍の封印

「いかにも邪龍を封印してますって祠だな。だけど誰もこの祠を訪れた形跡は無い。邪龍の封印はちゃんと機能してると考えて問題ないですね」


「それじゃあ僕達のドラゴンロックでの目的は無事達成されたって事だね。封印が無事で安心したよ」


「拍子抜けな気もするけど伝説の邪龍が目覚めちまったら取り返しがつかねぇ。空洞の入り口を塞いでさっさと山を降りようぜ」


大空洞の中に建てられていた祠。この中に邪龍ルシオンを封じた大岩が有るのは間違いなさそうだ。どの様な封印が施されているのかわからない以上異変が無いなら下手に触らない方がいいだろう。


「なぁユイトよ、すこ~しだけ祠の中を覗いては行かんか?余はこの中がどの様になっているか気になってしょうがないのだ」


「ダメだ、もし扉を開けると同時に邪龍が復活したらどうする?この場所に封じられているのはとんでもなく危険なモノだって事を忘れないでくれ」


中二病を患っているルナが古代に封印された邪悪なドラゴンに興味を持つ気持ちは分かる。俺だって本音を言えば祠の中を見てみたいがここで軽はずみな事をすれば多くの命が失われる事になるかも知れないのだ。


「う~分かったのだ…余のワガママのせいで世界を危機に晒す訳にはいかないのだ…」


「偉いぞ、我慢したご褒美にコレをルナにプレゼントしよう。前から渡そうと思っていたけど色々あったせいで遅れてしまった」


「コレは…?なんと美しい宝石なのだ…闇の女王たる余に相応しい首飾りではないか」


ルナに手渡したのは俺達とお揃いの七星核を嵌め込んだ首飾りだ。嵌め込まれた七星核が司る属性は闇。闇属性の技を得意とするルナにはこれ以上無い装備品だ。


「ちなみにサクヤ達の首飾りと同じデザインだ。これは俺達の仲間の証しみたいな物だから気に入ってくれたなら嬉しいよ」


「仲間の証し…分かったのだ。肌身離さず身につける事にするのだ!」


「よし、それじゃあさっさとこの空洞から離れよう…ん?」


不意に何者かの気配を感じた。祠の方からでは無く空洞の入り口の方からだ。


「魔族…偽神…今までに感じた事の無い気配だわ。この気配の主…只者じゃないわよ」


テミスも侵入者の気配を感じ取り皆に警戒を促す。この気配の主には心当たりがある、レッドドラゴンの群れを屠った存在がこの大空洞へやって来たのではないだろうか。


「誰かは分からないけど邪龍の封印に近づける訳にはいかないな…」


何者かは分からないがきっと友好的な相手ではないだろう。その証拠に狩猟神の耳飾りが全力で俺に危険を知らせている。向こうも俺達の存在に気付いた様で明らかな敵意を向けて来たのだ。

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