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275 流れ込む知識

私達とレッドドラゴンの間に存在した絶望的な実力差。ユイトから渡された新しい装備品で果たしてどれ程その差を埋める事が出来るのでしょうか。


「ギャオオォォォォ!!!」


レッドドラゴンが吹き飛ばされた方角から耳が痛くなる様な激しい鳴き声が聞こえて来ました。見ると辺りの木々を薙ぎ倒しながらドラゴンがその翼をはためかせ飛翔しています。


「どうやら貴女の召喚した悪魔に殴り飛ばされたのが相当頭にきている様ですわね」


「幾らでも怒るといいわ。私達だって大人しくやられる訳にはいかないもの…いけ!あのドラゴンを地面に引き摺り下ろしてあげなさい!」


「オォォォォォン!!!」


アンの号令に従い悪魔がその背中に生えている翼をはためかせます。あの巨体で空を飛べるのでしょうか。


「滅茶苦茶ですわね。まさかあの巨体で空を飛べるなんて…」


「ネクロマンサーの杖が無かったら一瞬で私の魔力が尽きてしまうくらい魔力が必要だけどね。関心してないでアンタもその瞬身のレイピアの力を試してごらんなさいよ」


手に持っている瞬身のレイピアに意識を集中します。扱い方は武器に認められれば自然と分かる様になると云う話でしたが果たして…


「私は…強くなって1人でも多くの人を守りたいのです!お願いします!どうか貴方の力を私に貸して下さい!」


その瞬間私の中に何かが流れてくるのを感じ取れました。知識です、新たな知識が自分の中に流れ込んで来ます。


「クフッ!?ハァハァ…頭が割れる様に痛みますわ…でもこれで…」


「ちょっと!大丈夫なの!?一体どうしちゃったのよ!?」


「大丈夫です…どうやら瞬身のレイピアは私の事を認められた様です。この武器の使い方がわかりました…いえ、知っています、と言った方が適切ですね」


新たに流れ込んで来た情報が脳に負荷を掛けた様で頭がズキズキ痛みます。しかし戦えない程ではありません、時間が経てばじきにこの痛みも消える事でしょう。


「無理はするんじゃないわよ?それじゃ早速アンタの新しい力を見せて貰おうじゃないの」


「えぇ、それではいきますわよ!」


鞘から抜いた瞬身のレイピアに再び意識を集中します。この武器を扱うのに一番大切なのは想像力、自分が瞬間移動する場所を強くイメージする事です。私は空を飛び回るレッドドラゴンの頭の上にいる自分をイメージします。


「!?成功しましたわ!これでも喰らいなさい!ライトニング…クラッシュ!」


フッと一瞬意識が飛びそうになった次の瞬間私は空の上に移動していました。レッドドラゴンは悪魔との戦いに集中して私の存在に気づいてもいません。そして私の渾身の一撃が無防備なレッドドラゴンの頭部に直撃しました。

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