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273 瞬身のレイピア

「グォォォォォ!!」


「オォォォォォン…」


レッドドラゴンの火炎をその身に受けた悪魔が苦しそうな声をあげています。当初互角と思われた両者でしたが徐々に悪魔が劣勢になりました。


「悪魔の動きが鈍くなってきましたわね…でも貴方の相手はここにもいましてよ!ライトニングレイ!」


正直言って私の攻撃がレッドドラゴンに通用しているとは思えませんが何もしないよりはマシです。少しでもあの悪魔の助けになればそれで良いのです。


「オォォォォォン!!」


「グギャァァァァァァ!?」


「急に悪魔の動きが見違える様に?何が起こってますの?」


防戦一方だった悪魔が突然火炎を吐いていたドラゴンの横っ面を殴り飛ばしました。咄嗟の攻撃に反応出来ずドラゴンは木々を薙ぎ倒しながら吹き飛んでいきます。


「レイ!無事だった!?ユイト達が救援に来てくれたのよ、もう大丈夫だわ!」


「私達は助かったのですね…そう言えばアン、貴女ついさっきまであんなに苦しそうでしたのにもう大丈夫ですの?」


呆気にとられて吹き飛ばされたドラゴンを眺めていた私の元にアンが駆け寄って来ました。ユイト達が助けに来てくれた、その知らせが私を安心させてくれます。


「うん、もう大丈夫よ。ユイトから魔力を分けてもらったの。それにじゃじゃーん。この杖の効果で魔力の消費がグッと抑えられる様になったの」


「他者に魔力を分け与えるなんて本当にあの人は何でも有りですわね。そしてその杖は一体?」


「詳しい事はまだ聞けてないけど何だか凄い力を持ってる杖みたい。そうそう、ユイトからアンタの分も新しい武器を預かってるわ。はいコレ」


アンが一振りの細剣を私に差し出してきました。手に取った瞬間この剣が普通の武器で無い事が分かります。恐らくはユイトの装備品やオウル師匠のミストルティンと同じ異世界の武器でしょう。


「私が手にして良いのでしょうか…もっとこの武器に相応しい人は幾らでもいると思うのですが」


「バカレイ!何弱気になってんのよ!アンタが自分を信じなくてどうするのよ!?」


「そう…ですわね。出来ます、私ならこの細剣を扱う事が出来る筈ですわ」


「そうよ、それでこそ私の知ってるレイだわ。さぁ、あのドラゴンをぶちのめしてやりましょう…っとその前にアンタの怪我を治さないとね。メリッサ、お願いできるかしら?」


アンに遅れて私の元にやって来たメリッサが笑顔で頷きました。テミスとルメスは吹き飛んで行ったレッドドラゴンの様子を伺っています。そういえば姿が見えませんがユイトは何処へ行ったのでしょうか。

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