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260 消えた2人

「全くあの2人は…明日には山頂に到着するだろうから今日一日はゆっくり休もうって話になったのに一体何処へ行ったんだ」


「ダメ、この辺りから上の方は何故だかわからないけど気配を探れないわ。あの2人がいるとすれば山頂の方ね」


レイとアンの喧嘩から数日が経った。いつになっても起きて来ないので様子を見に行くと2人の寝袋はもぬけの殻だった。最後に2人の姿を確認したのは昨日の夕飯の時だ。夜皆が寝ている間にどこかへ行った可能性が高い。


「テミスの感知にも引っかからないとなるともしかすると最悪…」


幾ら感知能力に長けたテミスでも生命反応がなければ感知する事は出来ない。ここはルナのヒドゥンフィールドから一歩外に出れば危険なモンスターがウヨウヨ徘徊している危険地帯だ。否が応にも最悪の結果を想像してしまう。


「大丈夫に決まってる。レイが大人しくドラゴンなんかにやられる筈無ぇからな。早く2人を探しに行こうぜ」


「アンだってドラゴンの1匹や2匹にやられる程ヤワじゃ無いよ。ごめんな皆、この前からウチの妹が迷惑ばかりかけてしまって…」


「ドロシーが謝る事じゃない。兎に角今は2人を見つけだすのが最優先だ」


夜の内に野営地を離れたとしてもまだそんなに遠くへは行ってないだろう。今から追いかければまだ望みは十分に有る。


「皆!足跡を見つけたよ。足跡は2人並んである…やっぱり山頂の方へ向かったみたいだ!」


ルメスが2人の足跡を見つけたみたいだ。流石は元王室諜報室の密偵だ。これで2人を追いかける事ができる。


「テミスとルメス、メリッサは俺と一緒に来てくれ。サクヤとアイギス、ルナはもし2人が戻って来たら念話で知らせてくれ。頼んだぞ」


「僕もユイト君に同行しよう。エルフは五感が鋭いからきっと力になれる、シグマは野営地の守りを頼む」


もし2人が大怪我をしていたらメリッサの力が必要になるかも知れない。テミスとルメスの力は人探しに向いている。これで捜索隊のメンバーは決定だ。


「あの!私も連れて行って下さい!足手まといにはなりませんからお願いします!」


出発しようとしている俺達にトロンが声を掛けてきた。意地でも付いて行くと云う固い意志が見て取れる、これはテコでも動きそうにない。


「何を言っても付いて来るって顔だな…わかった、その代わり俺の言う事には従ってくれ、約束だ」


今は一刻でも早く2人を探さないといけない。本当ならトロンにも留守番をして欲しいが今は説得する時間が惜しい。

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