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220 女魔族

温泉に浸かっていた少女….もとい女魔族が突然現れた俺に驚き悲鳴をあげる。レイと始めて会った時の事を思いだしたがあの時とは状況が違う、目の前にいるのは魔族。しかも恐らく偽核を用いよからぬ事を企んでいる危険人物なのだ。


「いきなり女の子の入浴中に乗り込んで来て何考えてるのよ!?」


「お前が偽核の素材を求めてこの山に来た事は分かってるんだ!残りの仲間の事や偽核について詳しく話してもらうぞ」


近くの木に掛けていた服を羽織った女魔族が俺を睨みつけてくる。相手にとっては入浴中に見知らぬ男から突然襲撃を受けたのだ、敵意を持たれて当たり前だろう。


「偽核の事を知っているなんて只の覗き魔じゃ無いようね…アンタ何者?」


「俺が誰だか知りたかったら大人しく捕まるんだな、抵抗しないなら俺も乱暴な真似はしない」


偽神の目的は人間と魔族を争わせ楽しむ事だと本人の口から聞いた。魔族は自分達を生み出した偽神の命令に盲目的に従っている様だが偽神の目的を知れば人間と争わなくとも良くなるかもしれないのだ。


「なによエッラそうに!私が人間の言いなりになるなんて思わないでよね!第一入浴中にいきなり押しかけて来た見知らぬ男の言う事なんて聞く訳ないじゃない」


「それを言われたら身も蓋もないんだが…お前は魔族で間違いないよな?」


「当たり前よ、私を下等な人間なんかと一緒にしないでよね!人間と話をする事なんて何もないわ」


「偽神の真の目的を教えてやると言ったらどうする?信じるかどうかはお前の自由だが俺は直接偽神と話をした事がある」


偽神の名前を出した時に女魔族の表情が一瞬歪んだ。やはり魔族にとって偽神は特別な存在の様だ。


「人間が軽々しく偽神様の名前を口にするんじゃないわよ!それに直接話をしたですって?あの方はまだこの世界に姿を現わす事が出来ないのよ、嘘をつくんじゃないわ!」


「本当だ、ヤツの目的は人間と魔族が争う姿を見て楽しむ事だ。偽神にとっては人間も魔族も只の玩具なんだよ、お前達魔族は永遠に人間と争い続ける世界を望んでいるのか?」


「ウソだ!偽神様は魔族が平和に生きていける世界を作る為に力を貸してくれているんだ!あの方を貶めるんじゃない!」


俺が考えてた通り魔族は偽神の目的について真実を知らない様だ、それならば偽神の本心を知る事で人間と魔族の争う未来を回避できるかも知れない。


「さっきから適当な事をペラペラと…返り討ちにしてやるわ!覚悟しなさい!」


女魔族の纏う空気が変わった、どうやら仕掛けてくるつもりの様だ。相手の力がわからない以上こちらも全力でいかなければ危ない。

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