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216 オウルの仮説

「そう言えばなんでレイは2人に付いてこんな危険な所まで来たんでしょうか?ただの武者修行ってワケでもなさそうですけど」


確かにレイはお転婆ではあるけど考えなしで動く様なタイプには思えない。王立学院を抜け出してまでシグマさん達に付いて来た理由が有る筈だ。


「そいつを俺達の口から言うのは勘弁してくれ、理由が知りたきゃ直接本人に聞くんだな。1つだけ言えるとすれば姫ちゃんも姫ちゃん也に色々考えて決断したって事だ」


「そうですね、その内本人に直接聞いてみる事にします。シグマさん達から聞き出そうとしたのはルール違反でした、すみません」


「代わりと言ってはなんだけど僕とシグマがこの山に来た理由なら教える事はできるよ。とは言っても陛下から大まかには聴いているかも知れないけど」


「国王様から聴いた話では2人は魔族を探してドラゴンロックへ旅立ったと云う事でした。この山に魔族がいるんですか?」


確か王都グランズで聴いた話だと2人は今まで既に何度か魔族を倒していると云う話だった。実際にシグマさんの実力を目にするまでは半信半疑だったが今なら信じる事ができる。


「あぁ、その通りだ。ユイトは偽核の事を知ってるんだったよな?どこまで偽核について知っているんだ?」


「人間やモンスターに力を与える石だとしか知りません。シグマさん達は?」


「これはまだ仮説の段階で陛下にも報告していない事なんだけど…偽核は人間やモンスターの生命力を元に作られているんじゃないかと考えてる、ユイト君からパフィン村でエルフ達が魔族に攫われそうになってた話を聴いて閃いたんだ」


パフィン村で倒した名も無き女魔族、彼女は村のエルフ達を殺すのでは無く連れ去ろうとしていた。一体何の為に連れ去ろうとしたのか分からなかったがオウルさんの仮説を当て嵌めると辻褄が合う。


「前にも魔族を追いかけてた時にヤツらの寝ぐらの近くで干からびて皮と骨だけになってるモンスターの死骸を見かけた頃があってよ。今思うとあれは偽核を作る為の犠牲になったモンスターだったのかも知れねぇな」


「僕達エルフの寿命は人間よりも遥かに長い。ユイト君の話に出た女魔族もそれに気づいて村を狙ったのかも知れない…ユイト君がいなければ危ない所だった。改めて礼を言わせて欲しい、本当にありがとう」


生命力の強い生物を偽核の素にした方が楽に多くの偽核を作る事が出来るだろう、その為にあの女魔族はエルフ達の村を狙ったのだろうか、ますますオウルさんの仮説が真実味を帯びてくる。

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