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214 スパルタ

「縦!縦!横!飛び上がって縦!ダメですわ!力が入りすぎています!やり直し!」


レイの掛け声に合わせて咲夜を振る、何でも剣の基本の構えを体に叩き込む為の訓練だという話だが…


「ぜぇ…ぜぇ…そ、そろそろ休憩しないか?かれこれ1時間はノンストップで動き続けてると思うんだけど…」


「あら?もうそんなに経ちましたか?それでは少し休憩にしましょうか」


「ふぅ…正直レイの訓練がこんなにスパルタだとは思わなかったよ。王立学院の生徒は全員こんな訓練をやっているのか?


「そんな訳ありませんわ、1時間もぶっ続けで剣を振り回すなんて真似普通の人間にできる訳ありません。おかげで私の声も枯れてしまいそうです」


「ちょっと待て、それなら何の為に俺は1時間も咲夜を振り回していたんだ?新手のイジメか何かなのか?」


もしかしてレイのヤツ昨日の事をまだ根に持って俺をしごいてるんじゃないか?


「この訓練は身体に構えを叩き込む為限界まで自分を追い込むモノですわ。学院の生徒なら長くても10分、私もそのくらいが限界でした」


「そうだったのか、変に疑ってゴメンな。良く考えればレイだって喉がキツかっただろうに。本当にありがとう」


ちょっとでもレイを疑った自分が情けない。第一レイはそんな卑怯な方法で憂さ晴らしをするようなヤツじゃない。まだ短い付き合いだけどそのくらいはわかっていた筈なのに。


「構いませんわ、私にとっても自分の剣術を見直す良い機会です」


「そう言ってもらえて助かるよ。それより喉は大丈夫なのか?」


「少し痛みますけど大丈夫ですわ、一晩寝れば元に戻るでしょう」


そう強がってみせるレイだがその声は掠れてしまって痛々しい。


「せめてこれくらいはさせてくれ、少しの間じっとしててくれよ」


レイの首に生命の指輪を嵌めた手を近づけ癒しの力を発動した、優しい光が指輪から溢れるとレイの首へと集まる。


「喉の痛みが…それにとても心地良いですわ、一体この光は?」


「俺の装備品の力だよ、多少の怪我くらいならあっと言う間に治す事が出来る。喉の調子は大丈夫か?」


「すっかり元通りですわ、並みの回復魔法ではこうはいきません。ユイト、貴方は一体どれ程の力を持っているのですか?」


「俺の力じゃないさ、これはあくまで俺の装備品…いや仲間の力を借りているだけだ。ちなみ今のはメリッサの依代の力だ」


そうだ、生命の指輪にしろ鬼神刀咲夜にしろ俺の力の大半は仲間の協力あっての物だ。シグマさん達に同行している間に少しでも自分自身の力をつけなければ。


「よし、休憩は終わりにしよう、ビシバシ指導してくれよ、レイ先生」


その後俺は日が暮れるまでレイの号令に従って咲夜を振り回したのだった。

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