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201 王位継承者

王位継承者、つまりレイと名乗ったこの少女は国王様の娘。次の時代の王となる権利を持っている事を意味する。将来的に王政を廃止すると決めたグランズ王国だが現時点ではこの少女の持つ権力は相当な物だ。


「あ…あのレイ…様?つまり君、いや貴女はグランズ王国の王女様でいらっしゃると?」


「ひぐっ…そうですわ、父ラオン=グランズ19世は私の父。私はこの国の王女と云う事になりますわね」


この国の最高権力者の娘を素っ裸にひん剥いてしまった。非常にマズい展開だ、レイが一言俺の事を性犯罪者と言えばたちまち国中に指名手配されてしまう。かくなる上は…


「申し訳ありませんでした!!まさか王女様とはつゆ知らず…なんでもしますからどうか命だけはお許しください!」


この世界にも土下座の文化がある事はパフィンのカナリーから確認済みだ。誠心誠意謝るしかない、何とか彼女の怒りを鎮めるのだ。


「もういいですわ…頭を上げて下さい。私が怒ったのはあくまで1人の女として。それに実力で敵わなかった貴方を権力でどうこうしようなんて浅ましい考えは持っていません。あまり見くびらないで下さいまし」


「有難きお言葉、王女殿下の寛大なお心にどう報いれば良いのか…」


「その不自然な言葉使いも辞めて下さい。それにここにいるのはグランズ王国の王女では無く1人の冒険者のレイです、貴方が父上の手紙に書かれていた勇者様だったのですね」


なんとか危機を脱する事が出来た。あの国王様の娘なだけあって権力をひけらかすタイプでは無い人間だった様だ。


「確かに俺の事を勇者って呼ぶ人達もいたけど…それにしてもようやく貴女達に追いつく事が出来た。実はお願いがあって王都からここまで追いかけてきたんです」


「確かシグマに鍛えて欲しいって事だったね?あの手紙が届いてからシグマは張り切ってしまって…無茶な修行を考えてなければいいんだけどね」


「なぜその事を?俺達により早く誰かが手紙を持って来たんですか?」


「あぁ、紹介がまだだったね。おいで!シーク!」


オウルさんが空を見つめながら指笛を鳴らすと一羽の鳥がオウルさんの肩へと舞い降りて来た。精悍な顔付きをした賢そうな鳥だ。


「この子はハイドピジョンのシーク。彼には陛下との連絡役をお願いしている。昔からの僕の友達さ」


クェェっと嬉しそうに喉を撫でられたシークが鳴き声を上げる。よほどオウルさんに懐いているのだろう。


「そうそう。僕は君達にまずお礼を言わなければいけなかったね。なんでも僕の家族や村の仲間達が随分とお世話になったみたいで…良かったら詳しく話を聞かせてもらえるかい?」

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