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200 少女の正体

「…でユイトさんはこの子の服をバラバラに切り裂いた、と?真空波を撃つ時にもう一度この子の裸が見たくなってワザとやったんじゃありませんか?」


「ん、主さまはたまにこすい事をする。それに実はむっつりスケベ。ギルティ」


「そうは言ってもだな…あそこで反撃しなかったら俺だってピンチだったんだぞ?」


「あらあら。ユイトくんは年頃の女の子を丸裸にしてそれでも自分は悪く無いと言い張るつもりなのかしら?」


俺が放った真空波は少女の全身を切り刻んだ。全身を切り刻むと云う事はその身に纏った少女の服も切り刻んだと訳で…俺は今その悲鳴を聞いて駆けつけたサクヤ達に尋問を受けている訳で…


「ひぐっ…ひぐっ…2回も…2回も見知らぬ殿方に裸を見られたなんて…もうお嫁に行けませんわ….ひぐっ…」


「よしよし、もう大丈夫だから泣き止んでよ、ユイトだって悪気は無かったみたいだからさ。それにしてもこの子とはどこかで会った事がある様な?」


「ユイトは少し間の抜けた所はあるけど決して貴女の裸を見た事を言いふらしたりはしないわ。コイツには私達がたっぷりとお灸を据えるから許してあげてくれないかしら?」


どうやら俺が罰を受ける事は決定事項の様だ。こうなれば幾ら自分の無実を主張しても無駄、何か言えばそれだけ罪が重くなってしまう。


「すいませんでした、反省しています…」


「ユイトさん?取り敢えず謝ってこの場を切り抜けようとしていませんか?」


「し!失敬な!そんな事は思ってないぞ!心の底から反省しているに決まっているじゃないか」


サクヤのヤツめ、いつの間に俺の考えている事が分かる様になったんだ?危ない危ない。


「ハハハ、君達。その少年を責めるのはそのくらいで辞めてあげてくれないか?僕も一部始終を見ていたけどウチのレイにも落ち度は有った、彼が一方的に悪い訳じゃない」


「!?貴方は?一体いつからそこに?」


突如姿を現した男性が俺達に話し掛けてきた。男の俺から見ても惚れ惚れする程整った顔をしている、間違い無い、彼はエルフだ。


「君がレイに追いかけられている時からさ、助けに入ろうとも思ったけど君の実力を見るいい機会だと思ってね」


「俺の事を知っているんですか?…もしかして貴方はオウルさん?」


「ご名答、君達の事は陛下から手紙で知らされていたんだ。早く会いたいと思っていたよ」


この人がオウルさんか、そう言われるとどことなくパフィン村で会ったガルに似ている気がする。前々から名前は知っていたがようやく会う事が出来た。


「…という事はもしかしてこっちの彼女は…?」


俺の考えが正解だとすると非常にマズい。場合によっては最悪お尋ね者になる未来もあり得る。


「うぐっ…私の名前はレイ=グランズ…グランズ王国の王位継承者ですわ…」


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