表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
20/358

019 魔核崩壊

ドラゴニュートの首が宙を舞う。


「母さん…安らかに…ありがとう」


アルフさんは消え入る様な声で呟くとその場に崩れ落ちた。


俺も鬼神化を解除する、身体からスッとサクヤの力が抜けるのを感じる、すると目の前に光が集まり光の中からサクヤが姿をあらわした。


同時に俺の全身を襲う鈍い痛み、短時間とはいえ身体を100倍の能力値で動かした代償だ、今の俺ではまだ完全に鬼神降臨を使いこなせない。


「ユイトさん!大丈夫ですか!」


サクヤが倒れかけた俺の体を抱き支える。


「あぁ…歩けない程じゃない、早く脱出しないと」


「大丈夫かユイト?もう時間が無い、急いで出口に向かおう」


満身創痍のアルフさんに肩を貸してガンマさんが近づいてきた、ガンマさんも足を引きずっている、足の傷はまだ完全に治って無い様だ。


「このままじゃ間に合わない…僕を置いて先に行け、この体じゃ足手まといになる…」


『パーン』


アルフさんの頬を平手で打つ音が響く。


「ふざけないで!確かに私は昔貴方に『わがままに生きろ』って言ったわ!でも今のワガママは聞けない、私は貴方よりワガママなのよ、貴方と一緒に生きていきたいの!」


目に涙を浮かべイオタさんがアルフさんの顔を睨む。


「そうだぜ大将、最後まで足掻いてみようや」


ガンマさんは笑いながら諭すように語りかけている。


「…?何か来ます!奥から!すっごく魔力が高まっています!」


サクヤが魔力の周囲の魔力の変化を察知して叫ぶ、魔核の崩壊が始まった様だ。


「くそっ!思ったよりあのトカゲ野郎に時間をとられたみたいだ!大将!いけるか!?」


「あぁ!這ってでも進もう!少しでも出口に近づくんだ!」


ダメだ、出口まではまだ少し距離がある、とても間に合いそうにない、一か八かだ、俺は左手に装着しているアイギスを見つめる。


ぬしさま、会いたかった、大丈夫、私を信じて』


アイギスから声が聞こえる、奥からは地を鳴らす様な音が響いてきた、迷っている時間はない。


「皆!俺の後ろに集まって下さい!早く!」


「ユイト君何を考えて…?いや、僕は君を信じるよ」


アルフさんは俺の目を真っ直ぐに見つめてくる


「お前に賭けるぜ、損させるなよ?」


おどけてみせるガンマさん。


「頼むわよ、ユイト君」


イオタさんは優しい顔でアルフさんの手を握りしめる。


「私は何があっても、ずーっとユイトさんといっしよです」


「あぁ、ずっと一緒だ、サクヤ」


俺の後ろに皆が集まる、俺は仲間達を…愛する人達を守りたい。


「【イージス】」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ